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音符釣り
音符釣りの常習犯は、今現在も逃走中。
これ以上、手出しはさせないと、音符ハンターたちが出動しています。
この前は、ベートーヴェンの名曲、「運命」の一部が音符釣りに釣られました。
ダダダダーン!
ダダダ ーン!
名曲がめちゃくちゃです。
今までに、約40曲もの音符を釣って行った犯人。
許せるはずがありま__
何、捕まった・・!
男は完全包囲されるなり、あれこれ言い訳を叫び、必死に許しを乞いだした。
許してくれ、名曲になれば名曲になる音符ほど、身がふっくらしててうまいんだ、だからつい・・・
男はもうどうだっていいと言った様子で、泣きながら、安物のクーラーボックスを投げつけてきた。
音符ハンターが急いで中を見ると、そこには、氷漬けにされた音符が横たわっていた。
かわいそうに、音符の身は硬くなり、息をしていなかった。
ぐすん。
その場にいた全員が、一斉に泣き出した。
ひとしきり泣いた後、皆は全ての音符の骸を綺麗な布で包み、火葬しに行こうとした。
だが、それを否定するものが一人いた。
死んでしまっても、もといたところに返してやるのがいいのではないか。
それが音符の望むことではないかと、その一人は付け加えた。
ダダダダーン!
ダダダダーン!