不必要な島
りんごの木が植っている小さな島の周りを囲むように、カササギがりんごの汁まみれになりながら佇んでいる。
ベとベとになると、次第にムンムがたかってくる。
その耳障りな羽音を聞き、カササギは毛を逆立てて、衰退したマンホールにムンムを落とす。ぼと、ぼとと容赦無く。
やがてムンムが消えても、カササギはべとべとのままだ。
りんごの木なのに、りんごは実っていない。
だが、カササギの体はいつまでもりんごに支配され続けている。
べとべとが大好きなムンムもまた、カササギに支配されているのかもしれない。