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ピモタンの体長

ピモタンの体長を測ることができた者だけに、皇位継承権を与えよう。

三人の、似て似つかぬ一卵性双生児は、ピモタンを血眼になって探し始めた。
それは、もしかすると猿の穴のようなものかもしれないのだと思うと、血眼になった眼球が猿に占領されていく感覚に襲われた。

猿は、我々の敵だ。

ドードー鳥に育てられた父親にそう教えられてきたものだから、しょうがないではないか。

猿について考えると、頭の中の水分が全て目から溢れ出してしまうので、これ以上は考えないようにする。

まあ結局、ピモタンのことを考えるということは、猿のことを考えるということなので、結局僕たちの周りは水浸しになるのだ。

水浸しになりながら、ピモタンを探す日々が始まった。


ピモタンの終わりのない体長は、到底測れるものではなかったのだけれど。


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