ナメクジの口癖

ナメクジのようなものに、私は心の半分を預けてしまった。

「いやあ、なんですかね、こんな世の中」

ナメクジはそれだけのことを言うために、私の部屋の一室に住み着いている。

まあなんだかんだあって、ナメクジに私は心を預けるようになったわけだ。
ナメクジが死ぬと、私の寿命が二分の一に減る。

「いやあ、なんですかね、こんな世の中」

やはり、こんなやつに心を預けるべきじゃなかったと、私は今更後悔した。