海水の飼い方

百年ものの桶に溜まった水は、ほっておくと海水になってしまう。

そうなったら、まず海水を飼い水にして、飼いならそう。

自分が主人だと教え込み、歩くと後ろをついてくるくらいにしつけたら、あとは簡単だ。

海まで走っていって、後ろに飼い水がついてきているのを確認したら、加速する。

波打ち際ギリギリまで引きつけたら、素早く横に飛び出せばいい。

スピードを落としきれなかった飼い水は、そのまま海へ飛び込んでいく。

飼い水は、無事海水となって、故郷へと帰っていくのだ。