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マンションの老朽化、対策は?
”住まいマイスター”渕ノ上です。
先日、テレビ東京・WBSで興味深い内容が放送されていました。タイトルは「築40年以上 マンションは再生できるか!?」。
築40年超えのマンションが増えていると同時に、住民の高齢化が深刻だと、取り上げられていました。きちんと大規模修繕やメンテナンスを施さないと、建物はみるみる老朽化していきます。しかも、築40年超えとなると多くの物件が旧耐震基準の物件ですので、要注意ですね。
しかし、大規模修繕や建て替えをしたくてもできないのが現実です。その原因の一つとして大きいものが、「住民の高齢化」です。住民の7割を60・70代が占めるケースが多くなると、合意形成のハードルが上がるケースが見られます。
合意形成を取るのが難しい背景には、大規模修繕工事においては必要な費用を支払うのが困難という事情があり、建て替えについては、費用のみならず、住まいを一時的に退居しなくてはいけない抵抗感もあります。
さらには、一部の「住めればよい」とお考えになる方のスタンスが前面に出てしまい、「修繕のメリット(費用対効果)」についてあまり重視しなくなってしまうケースもあるでしょう。
法律では、重大な変更を伴う修繕工事は区分所有者及び議決権総数の3/4以上、建て替えにおいては4/5以上の同意が必要ですので、ハードルはかなり高いです。(通常の大規模修繕工事は過半数の同意で可能です。)
私はいつも、マンションの資産価値を左右する重要なポイントの一つに「管理」があるとお伝えしていますが、今回のケースも「管理」の重要性を痛感するものでした。
大規模修繕や建て替えの計画を立てるのは、「管理」の一部であり、管理組合の役割になります。
今後ますます、築年数の経ったマンションが増えていきます。管理組合のみならず、住民一人ひとりが意識していただきたいところですね。
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プロフィール
”住まい探しマイスター”渕ノ上
コンドミニアム・アセットマネジメント株式会社
代表取締役 渕ノ上弘和(ふちのうえ ひろかず)
国内大手の管理会社2社にて、一貫してマンションの資産価値向上に向けた業務に従事。個人でも2物件の管理組合副理事長を務め、自身の培ったノウハウを実践しマンションの資産価値管理に臨む。
保有資格:不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、マンション管理士、AFPなど8種類以上
取材履歴:NHK「おはよう日本」、日本経済新聞、日経ヴェリタス、LIMO、GetNavi web 他
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