フィジカルコミュニケーションのいいところ
フィジカルコミュニケーションを考えてみる、続き、というか振り返りも込めての記事です。
前回の記事はこちら
私の住む街(スイスのフランス語圏)を見回していると、フィジカルコミュニケーションのバリエーションは様々です。
片手タッチ、拳をごつん、握手、ハグ、その組み合わせ、そして、ビズ。
適切な距離感は、そのコミュニティ(国、地域も含め)の阿吽の呼吸で決まるものだと思います。
日本のコミュニティでは、握手もハグもあまり一般的ではありません。
それに変わって、お辞儀や言葉で親密さや感謝を表していると言えます。
スイスでも、いきなりスーパーのスタッフとフィジカルコミュニケーションをとることはありませんが、
きっとそういう国もあるのだと思います。
私とビズを交わす人も、私の家族とは握手とハグだったりします。これちょっと新鮮でした。
お分かりの通り、どちらが優れているというものではありません。
ただ、握手をはじめとするフィジカルコミュニケーションは、
お辞儀や言葉だけでは伝わらない「安心感」を与え、また自分でも感じることができます。
身体接触によって分泌されるホルモンは、リラクゼーション効果をもたらすとも言われています。
フィジカルコミュニケーションは、受け入れられたということを相手に示すだけでなく、
自分の実感としても自然に無意識に、より強く感じることができる便利なコミュニケーションです
(便利については、こちらの記事も参考にしてみてください)。
フィジカルコミュニケーションに関わらず、
全てのコミュニケーションの前提は「心からやりたいと思ったから、やる」です。
現に、ビズの習慣がCOVID-19の流行後に減ったのは喜ばしいという調査結果もあるようです。
(職場でやるのは嫌だった、その場にいる全員と交わすのは面倒くさかった、などの理由だそう)
形だけの挨拶ではなく実感を伴うことは、良いコミュニケーションのためには必要な条件です。
身体接触を伴う場合は、よりデリケートに考えた方がいいでしょう。
こちらでは、幼い頃から「あなたがやりたいと思っても、相手が嫌がったらビズしてはいけない」と教えるそう。
これが大前提だと知っておきたいものです。
続きます