例の「構文」使いをちょっと分析
選挙は本当に、今の日本の状況をよく表すなあと思いませんか?いえ、結果のみならずです。
私は関係ありませんけれど都知事選挙がありまして、○○構文(書くのも嫌なので伏せておきます)についての論評がいまだに続いています。
○○構文って何?と思われた方は検索などしていただくとして(書き起こしなどがたくさん出てきます)
ざっくりいうと、質問に対して返り討ちをする、意図を汲み取らずに発言することで議論が成り立たない、という言い回しです。
これに対応するにはどうすればいいかなあと考えました。
まず、目的をはっきりさせることでしょうか。
「これからの質問は、あなたに・・・のことを答えてもらうためのものです。その前提として確認事項が○個ありますので順にお聞きします」
なんて冒頭につけるとか。こうすることで相手にとっても質問者の意図を汲みやすく、議論が成り立たないということも減りそうな気がします。
加えて、言葉の「削除」をしない。当たり前であるという前提をなくす(共通認識はない、とする)、ということでしょうか。
これは意図を汲み取りづらい相手に対しての配慮です(これは皮肉です)。
たとえば、部下が「昨日の来店者数は300人でした」と報告してきた時、あなたが上司なら次のセリフで「で、売上は?」と聞きたくなると思うんです。
すると、この構文を使う人なら「私は売上の話をしましたか?」と返すはず。ですよね?
そうならないように
「そうか300人か。宣伝の効果が出たのかもしれないね。ありがとう。で、売上はいくらだった?」と聞くのです。
これは、構文使いだけが悪いのではなく、上司の側も良い対応ではないのです。
たとえば、子どもが「おかあさーん、学校でほめられたよ」と言った時に
「ただいまは?」「早く手を洗いなさい」などと言われたら、かなりムッとしますよね。
「手洗いの話はしていない」という子どもはあまりいないと思いますが、これと一緒です。
まず、受け止める。そして、が大事です。
相手の発言を受け止める、その後に別の質問として聞く(削除しない)ことで答えやすくする。
そんなやりとりは当たり前である、来店者数と売上どちらも聞きたい数字だ、という共通認識はない、と思いましょう。
相手は意図を汲み取ることができませんから。
私がよくお話しする「ハンバーガーフィードバック」にも近い部分があるかもしれません。
フィードバック(できないことを指摘)する時には
「できたこと」→「フィードバック」→「できたこと」の順で話すと受け止めやすい、というものです。
(昔の安いハンバーガーのように、フカフカのバンズ上、ペラペラのパテ、しっかりしたバンズ下、くらいのボリュームが最適なのでハンバーガーフィードバックと言っています)
構文使いの方の話すことを受け止めることで、議論に入りやすくなるでしょう。
実は、コーチはこれらのことをとても意識しならがコーチングを行っています。
お話を聞きながら、相手の目的はなんだろうと考えたり
お話をいただくときに、ある程度のゴール設定をして(フレームに入れて)整理してもらいやすくしたり
また、無意識に削除していることや一般化して話していること、もしくは歪曲して捉えていることを質問したり。
なので、すごくエラそうに話している構文使いの方のペラッペラさには気づいています。
いずれにしても、構文を使う人に、以心伝心や阿吽の呼吸はないと思うことです。
昔のAIと話す時みたいですね。コミュニケーションにならないということがわかります。損ですよ、明らかに。
こういう人は「仕事ができる」のか(能力が高いのか)、と聞かれると、私はそうは思わないと答えるでしょう。
(IQだなんだは高いのかもしれませんが、仕事をする、生活をする、コミュニケーションをとる、ということを能力とするならば)
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