
日本でのフィジカルコミュニケーションで気をつけておきたいこと
私のスイスでのビズの経験からフィジカルコミュニケーションについて考えてきました。
ここまでを踏まえて、今回が一応の最終回。
慣れていない日本で
フィジカルコミュニケーションをいい感じに取り入れていくにはどんな工夫が必要か
コミュニケーションのプロであるコーチの目線で考えました。
・強制するものでは、ない
くれぐれも強制するものではありません。「我が社の挨拶はハグだ!」など上司が決めるのは最低です。
また、相手が嫌がったらさっぱりとした笑顔で別の挨拶に切り替えましょう。強制はいけません。
・状況を見極める
自分と相手の関係、その場の状況を考えることは、特に日本では大切でしょう。
・タイミング
阿吽の呼吸、に近いものかもしれません。
握手なら、手を差し出すタイミングを合わせるために、相手の呼吸や動きのテンポと合わせられると上手くいく確率が上がります。
(これはコーチのトレーニングで「ペーシング」と呼ばれます)
私は、ハグしたい相手が遠くにいる時からこちらが両手を広げてみて、
相手が応じてくれなかったら近づくまでに手を下ろす、という方法を昔から自然に使っています(おそらく女子校経験から自然に身についたのだと思う)。
ハグにならなくても、気まずさはなくなるかも。一度試してみてください。
・方法
握手なら、しっかりと相手の目を見て適度な力で握る、などでしょうか。
特に慣れていない相手には、威圧感を与えてはいけません。目を見ずに大きな声で「がはは」と笑うなど、最低です。
・文化的配慮
相手の背景に気を配る事は何より大切です。
私は、欧米暮らしの長い人や高齢の方とは日本でもハグすることがあります。
相手の文化に応じたコミュニケーション方法を選択することもはとても重要です。
例えばビジネスシーンならば、欧米の相手には積極的に行い、アジアの相手には控えめにするなどの工夫が必要でしょう。
ここまでは「フィジカルコミュニケーションを取りたい人」に向けてのお話でした。
では、「特に取りたいとは思っていないけれど、やぶさかではない人」「嫌な人」はどうすればいいでしょうか。
やぶさかではない、ならば、とりあえず相手に合わせてやってみましょうか。これも「ペーシング」です。
嫌ならば、たとえば握手だとすると「手を出さない」ではなく「手を挙げる(やあ!)」など、
何か別のことをやるとお互いの気まずさは減るかもしれません。
その時もペースを合わせて、できたら相手をリードするイメージで。
あなたは握手をしたいのですね? でも私は「やあ!」って言いたいんですよ、という気持ちを全面に出しましょう。
これはペーシングを超えた「リーディング(読む、ではなく、リードするの方)」と言います。
ただ、もし「慣れていないから嫌」なだけならば、試しに応じてみてもいいかもしれませんよ。
コミュニケーションは「とってみる」もの。少し踏み出してみましょうか。
いいなと思ったら応援しよう!
