ティール組織#02 「組織形態の進化」
ティール組織について、【[イラスト解説]ティール組織/フレデリック・ラルー著/2018年12月発行】から教えていただきました。
ティール組織誕生のきっかけ
18世紀のオランダはすべての近隣区に一人以上の看護師を配置し、在宅看護と高齢者ケアを行っていたが、社会保障費が膨張していた。そこで、オランダ政府は、近代的管理手法を導入し、看護体制の効率化を進めた結果、分業化、専門化され、時間管理され、効率化された。
しかし、暗黒面が生まれた。
看護師は患者の話を聞く時間がなく、誰かが決めた薬を与え、患者の顔よりパソコン画面を見ることが多くなってしまった。使命感と高潔さを持ってついた仕事なのに、「私はロボットになってしまった」と感じるようになった。
10年間看護師として働いていたヨス・デ・ブロックが立ち上げたのがビュートゾルフ。2006年に設立し、2014年にはオランダの地域看護に関わる3分の2にあたる9,000名の看護師が働くようになる。1チーム10〜12名で、そこにはチームリーダーもマネジャーもいない。本部はたったの28名だけ。さらに、毎年、社会保障費も数億ユーロ節約している。
これまでと全く異なる組織形態のビュートゾルフは、ティール組織の代表例として紹介されています。
組織形態の進化
組織形態の進化をイメージカラーとともに紹介されています。
レッド(衝動型)
●特長:衝動的、トップダウン、力、忠誠心、恐怖心
☆代表例:マフィア、部族の長、独裁国家
アンバー(順応型)
●特長:固定した世界観(宗教、カースト)
☆代表例:宗教組織、軍隊、学校、役所
オレンジ(達成型)
●特長:探求(無知の知)、競争、目標達成、効率性
☆代表例:MBA、資本主義社会のほとんどの企業
グリーン(多元型)
●特長:コミュニティ、家族、協働、権限委譲、サーバントリーダー、株主以外の多様なステークホルダーがいる
☆代表例:NPO、社会起業家、サウスウエスト航空
どの組織も単一色ということではなく、複数の色を持っています。現在の企業の多くはオレンジで、日本企業はオレンジメインの中にグリーンの割合が多いと思います。
オレンジ組織の行き詰まり・グリーン組織の課題
【オレンジ組織】では目標設定が重要です。目標達成のために数値管理し、効率化し、競争します。個人には金銭的報酬や昇進といったニンジンがぶら下げられます。
しかし、個人の目標は、上位職から降りてるく限られた枠の、少しだけ与えられた自由の中でしか設定できません。個人の力は、限られた他人に与えられた枠の中でしか発揮できません。
【グリーン組織】は、階層的ピラミッドをなくし、競争より協働を重んじ、合意による決定を重んじます。しかし、実際のところ、合意による意思決定はうまくいかず、逆に、裏舞台での権力闘争が起きやすいと紹介されています。
意思決定の解決策として出てきた考えが「サーバント・リーダー」です。
「部下に耳を方向け、権限を委譲し、動機づけるリーダー」で、協働と意思決定の矛盾を解消してくれる力を持っていそうです。サーバント・リーダーシップの本もありますが、まだ読んでいません。上司ではなく「コーチとして関わる」ということでしょうか。
サーバント・リーダーが目指すところは、個人のやりたい気持ちの発動だと思います。これが進化したところに「ティール組織」がありそうです。
個の力の解放と全体の統一
バシャールがよく言う「ワクワクすることをやりなさい」。このメッセージは、ワクワクすることをやるときは、無意識にいくつもある枠が外れ、個の力が最大限発揮されるからではないかと思います。
オレンジ組織の行き詰まりの原因も、グリーン組織の解決策「サーバント・リーダー」の役割も、個の力の解放にあり、個人のあるがままのやりたいことが、組織全体で統一されたのが「ティール組織」、というのが現時点の感想です。
まずはイラスト解説版で大枠を掴んでいますが、今後、元の「ティール組織」も読んで理解を深めていきます。
「そこの理解間違ってるよ〜」などありましたら、コメントいただけると嬉しいです。