お金の話をするということ。そして、仕事を辞めるということは社会から切り離されると考えていたけど、諸々の納付通知書を目の当たりにして、むしろ社会との繋がりを強く実感することになると気づいた話。
はじめに
今日のnoteは、仕事を辞めて自分で税金やら保険料やらを収めることになって、その額の大きさに慄き、本来の私の願いに反して「すぐにでも働き始めなきゃ!!!」という強い焦燥感・不安感が湧き上がり、その気持ちをテーマにコーチングを受けたなかで起きた、私の意識の変容の話です。
一番初めに投稿したnoteにあるように、私はTHE COACH Academyにてコーチングを学んでおり、今回受けたコーチングはTHE COACHを通じて出会った方に受けました。同じ学びを共にする仲間です。安心して話すことのできる場を創ってくれたことで、今まで思いもよらなかった発想の転換が成し遂げられました。仲間とコーチングに感謝です。
お金の話
ここのところ、誰かとお金の話をする機会が、たまたま続きました。珍しいことだと思います。
お金の話って、政治や宗教の話と似たところがあって、そうそう誰かと話す機会を持つことってないと思います。ただ一方でお金の話は、政治や宗教の話と違って、「興味がない、関心がない」では済まされない、誰にでも必ず関係のある現実的な問題でもあります。
コーチとお金の話
THE COACH Academyで催された「コーチのためのお金のお悩み座談会」に参加したのが、お金の話をした機会のひとつでした。
コーチ業は、フリーランスの方や、副業の方が多い傾向にあります。いわゆる一般の会社員だった方が、コーチの収入を得るようになることで直面する課題は、未知のことが多いです。
「コーチのためのお金のお悩み座談会」は、そんな未知の課題と解決策について、優しく分かりやすく提示してもらえる場でした。私自身の持っていた疑問だけでなく、私は気づいていなかった課題についても知ることができ、ありがたい機会でした。
無職とお金の話
さて、私にはコーチとしてのお金にまつわる課題のほかに、もっと大きなものを抱えています。2023年7月現在の私は無職なのです。コーチ業も本格的に進めているわけではありません。収入がないのです。そんな私に、恐ろしい通知が届きます。
それは、今年度分の国民健康保険料の納付額の確定通知でした。今年の一月末で仕事を退職している私には、今月になってやっと、昨年の所得を元に計算された納付額が提示されたのです。通知に載っている数字を見て、戦慄しました。
漠然と「高いだろう・・・」と分かってはいたものの、ここまで大きな額(私にとって)になる覚悟はしていませんでした。収入がないので、当然のことながら貯えを切り崩すことになります。
Twitterでぽろっとツイートすることで得た「いいね」に慰められ、またツイート内にあるように、ファイナンシャルプランナーさんに相談を持ち掛けることで、気持ちを落ち着かせました。それで納付額が減額されるわけではないけれど、誰かに話すことで、冷静になることができます。
ファイナンシャルプランナーとお金の話
私は6年程前から、ファイナンシャルプランナーさんにお世話になっており、個人資産(資産というと大げさに聞こえるけど私の全財産)の管理を頼っています。やはり、餅は餅屋です。素人で考えるお金の管理と、プロに手伝ってもらうお金の管理は違います。
ひとつ前の投稿にあるように、私は次の仕事を決めずに退職をしており、現在いわゆる「無職」です。こういう決断をすることができたのは、ファイナンシャルプランナーさんにお金の相談をすることができたからです。今すぐに収入が途絶えても、また当分の間収入が途絶えても、私は「私のお金で生きていくことができる」と冷静に判断することができました。
ファイナンシャルプランナーさんは私のライフプランを聞き出した上で、その時の収入を元に、その時の家計管理、将来のための貯えの管理、そして、投資管理を手伝ってくれます。私の諸々の状況を把握したうえで、アドバイスをくれ、最終的に私がどう資産管理をするか決断する手助けをしてくれます。
コーチングを学んでいる身としては、色んな方にコーチングをお薦めしたいのですが、同様に、ファイナンシャルプランナーさんとの関わりもお薦めです。
「すぐにでも働き始めなきゃ!!!」という声
さてさて、座談会やファイナンシャルプランナーさんの存在で、お金のことはなんとなく気持ちが落ち着いたと思い込んでいましたが、実はそうではない自分がいました。
今年または今年度の、国民健康保険料、国民年金保険料、住民税の納付額がはっきり見えたことで、私はその額の大きさに慄き、本来の私の願いに反して「すぐにでも働き始めなきゃ!!!」という強い焦燥感・不安感が湧き上がっていました。
強い焦燥感・不安感が湧き上がる理由に、実は、保険料や税金の納付額以外の心当たりもありました。この9月にカナダへの旅行を予定しているのです。2023年は、日本人にとって海外旅行は金銭的に大きな負担を強いられる、悪いタイミングだと思います。燃油サーチャージの高騰、円安、物価高が、僅か10日間のカナダ旅行は予算を組むと、かなり贅沢なものになります。
とはいえ、保険料や税金の納付も、カナダ旅行の予算も、ありがたいことに私のお金から賄うことができます。それでも、「すぐにでも働き始めなきゃ!!!」という声は大きく聞こえました。
そこで、冒頭の「はじめに」にあるように、コーチングで話を聞いて貰いました。
コーチングを受ける中で気づいた「偏見」
コーチングはその人の中に潜む価値観や願いが露わになるものです。「すぐにでも働き始めなきゃ!!!」という声の奥底には、私が現在、「無職」であることに劣等感に似た「偏見」が潜んでいることがあらためて分かりました。
再び、ひとつ前の投稿に触れますが、私は「無職」でいることで、心配していることがあります。もし、今の私が事件や事故に巻き込まれて報道されるようなことになったら、「○○ ○○さん □□歳(無職)」と世間様に発表されるのは嫌だなということです。「カッコムショク」が嫌だなと思うのです。
「カッコムショク」が嫌だなと感じる私の思いは、是非ひとつ前の投稿をお読み頂きたいのですが、もうひとつ潜んでいた気持ちが劣等感に似た「偏見」でした。
私は、「無職であること」を「社会から切り離された」感覚がすると感じていました。または、私以外の無職の方を「社会から切り離された存在である」という「偏見」をもっていました。「会社から切り離される」ことが「社会から切り離される」と認識してしまっていたのです。
会社を辞める退職理由が、解雇でなくても、自己都合であっても、その認識はさほど変わりません。私は自分の意志で会社を辞めることにしましたが、「社会から切り離された」感覚がしました。少し身勝手な感覚かもしれません。
もう少し突き詰めてみると、会社を辞めて「フリーランスとして働く」ことも、「自由である」けれども「社会から切り離された」感じがするのでした。「フリー」イコール「自由」イコール「社会から切り離された」と連想してしまうのです。とんでもない「偏見」です。
なぜこのような「偏見」を持っているのか、今の私にははっきり言い表すことはできないけれど、「偏見」があると認識できたのは大きな気づきでした。
「偏見」に気づいた先に待っていた意識の変容
「無職」であることに劣等感に似た「偏見」があると認識した私が、あらためて、国民健康保険料、国民年金保険料、住民税の納付額に向き合ってみると、今までなかった感覚が湧いてきました。
それが、「社会と繋がっている」という強い実感です。
あらためて、諸々の納付通知書を目の当たりにして、その額に慄くと同時に、私は「これだけの保険料や税金を国に納めるんだ」という強い実感を抱きました。これは、会社員であった頃の私にはなかった感覚です。毎月の給与明細を見て、「こんなに引かれてしまうなんて・・・」と嘆くことはありましたが、「こんなに国に納めている」という強い実感を伴うことは、正直なところありませんでした。
冷静に計算すると、会社員であった頃の私が収めていた額と、今回の納付通知書に載っていた額は、極端に大きな違いはありません。現在の私に収入が無いために、影響が大きいだけです。納付額に大きな違いはないものの、実感が異なるのは、「自ら納付しているか否か」の違いによると思われます。
「これだけの保険料や税金を国に納めるんだ」という強い実感は、「私が納めるお金が、どのように社会に生かされるのだろうか」と、否応なしに考えさせられることに繋がり、私は「社会と繋がっている」という強い実感を得ました。
仕事を辞めるということは「社会から切り離される」と考えていたけど、諸々の納付通知書を目の当たりにして、むしろ「社会との繋がりを強く実感する」自分がそこにいました。
これは私にとって大きな発想の転換であり、意識の変容でした。
意識の変容を経て湧いてきた「覚悟」
コーチングの醍醐味は、私の気づきに対して、コーチが問いやフィードバックを投げかけてくれて、また新しい気づきが生まれることです。
保険料や税金の納付に対して、社会との繋がりを感じるとともに、私には「しっかり納めよう」という「覚悟」が湧いてきました。また、贅沢な予算をかけるカナダ旅行を「しっかり楽しもう」という「覚悟」が湧いてきました。さらに、この先、コーチとしてフリーランスで働くことになれば「しっかり稼ごう」という「覚悟」も湧いてきました。
この「覚悟」たちは、コーチングによる私の意識の変容から生まれたものでもあり、「コーチのためのお金のお悩み座談会」に参加したから生まれたものでもあります。
「覚悟」って気持ちのいいものです。すっきりと力強い感覚がします。コーチングにしろ座談会にしろ、こうして「お金の話」をする機会に恵まれたことに感謝です。
おわりに
今回は「はじめに」で始めたので、「おわりに」でこれまでの長い話を要約してみるとこんな感じです。
お金の話を誰かとしてみることの薦め
コーチングの薦め
ファイナンシャルプランナーの薦め
保険料と税金の納付額に慄いた
お金はしっかり使う「覚悟」ができた
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冒頭の写真は、いつもの通り カナダ プリンスエドワード島で撮影したものです。見方によって、美しくもあり、恐ろしくもある光景でした。お金のことを考えると、こんな不安定な気持ちになるなあと思って選んでみました。