コーチをはじめて。
会社を辞めた僕が始めたことは、
「コーチ」だった。
コーチというと、
部活やアスリートのコーチを
思い浮かべる人が多いだろうけれど、
「馬車」という意味がある
この「コーチ」という言葉には、
「目的地に連れていく人」という意味がある。
技術や知識を教える「ティーチャー」と違い、
その人自身が答えを見つけ、自ら目的地へ向かうことを
サポートするのがコーチだ。
僕は、30代の頃、
キックボクシングジムに通っていて、
そこでプロの選手のセコンドにつくことを頼まれた。
技術的なアドバイスができない僕は、
精神的なアドバイスをしてあげたいと思い、
そこで、アスリートのメンタルをサポートする
「メンタルコーチ」という言葉に出会う。
プロのアスリートのメンタルコーチがいることを知り、
その人から「コーチング」という概念を学ぶことになる。
それから5年ほど経った頃、
僕は会社を辞めて、
自分がこれまで身につけたことや、
持っているものを棚卸ししたところ、
「セールス」と「コーチング」というものを
持っていることに気がついた。
それから僕が出会うことになる人たちというのが、
個人でビジネスをする人、
または個人で自身の技術なんかを提供する人たちで、
この人たちは、
知識や技術は持っているものの、
セールスができない。
あるいはビジネスのマインドを持ち合わせていない人たちが
多くいることを知った。
それで僕は、いろんな人たちの話を聞いていて、
その人たちの役に立つことは何だろう?と考えた結果、
「自ら考え行動する人」を創造する
アクションマスタープログラムという
講義とコーチングプログラムのサービスを作ることとなる。
コーチングというものが素晴らしいのは、
答えを教えないことだ。
よく例に出したのが、
「自転車に乗ること」
自転車の乗り方を教わっても、
自ら自転車に乗らないことには
自転車には乗ることはできない。
だから、自ら自転車に乗ることを決め、
自転車に乗ることで、自転車に乗って走り出すということを
自らが実現する。
ということが、
僕にはコーチという役割がピッタリハマった。
問題の渦中にいるクライアントは、
自らの問題にどっぷりハマって
抜け出せなくなっているのだけれど、
ある瞬間に、ブレークスルーは起こる。
あくまでセールスに対するコーチだったので、
これからいう結果というのは、
数字になってしまうのだけれど、
わかりやすいからその結果に触れてみる。
こんな人がいた。
出会って2時間後、
全く想像すらしていなかった
セールスをすることになり、
60万円の成約を得た。
また別の人は、
出会った次の日、126万円の成約を得た。
また別の人は、
今まで五千円くらいの商品しか販売できなかったが、
20万円の商品を販売することができた。
何の特技もない、と言っていた人が
30万円の商品を販売することができた。
話すのが苦手と言っていた人が
毎日ライブ配信をするようになったり、
自信を失っていた人が
コミュニティを運営するようになったりした。
他の人たちも想像すらしてなかった結果が
短時間で得られるとあって、
その成果を聞いた人は、みんな
「どうやって?」と聞いてくる。
だけど、
それはその人が思い込んでいる問題のところから
抜け出して、自ら答えを導き出し、結果的に
思ってもいなかった結果が出るのであって、
それをどうやって?というのは決して教えられない。
僕自身も、会社を辞めて、
ノープランだったけれど、
初月から売り上げが上がるようになったのは、
「こうしたから」というのは教えられない。
「こうしろ」と教えたところで、
同じ結果は得られないからだ。
問題は自転車に
乗っていないからかもしれないし、
自転車に乗れない、
と思っているからかもしれない。
しかし、いずれにしても
本人が気づく必要があるからだ。
そんなコーチの活動は
順風満帆に進み、
劇的に変化するクライアントさんたちを見て
僕もやりがいを感じていたし、
毎日がキラキラと輝いていた。
そうして、今まで体験したことのない
時間を過ごした。
しかし、
それはやってきた。
何か問題があったわけじゃない。
だけど、立ち止まる必要があった。
心と体がついてきてない。
僕は怖かった。
しかし、やってきたことを全てやめる必要があった。
そして、最後のクライアントさんとの契約期間を満了し、
それらの活動を全て休止した。
自ら考え行動する人を創造する。
その僕が、行動できなくなってしまう。
今となっては、
それを経験する必要があったんだと思う。
そのおかげで僕は大切なことに気づくこととなる。