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僕は嫌だ。

病院のベッドで決意した続き。

そう言えば、
あの時繰り返し聴いていた曲を思い出した。

欅坂46の
「不協和音」

「僕は嫌だ!」というフレーズが
出てくる。

言えなかった言葉が
まるで本当の僕へのメッセージのように
響いた。

今になれば
母親のスカートの前に出た時から、
サバイバルモードのドラマを演じていて、

この時、
会社を辞めるという選択をするということは、
自由になることのように思えたけれど、

それは本当の意味では
全く自由でなく、

相変わらずサバイバルのドラマを生きる
常に緊張と危うさの世界に生きているように
思えるのだけれど、

この時はこの時で
「囚われた世界から飛び出して
自由を得るんだ」というような

革命軍の旗頭にでも
なった気がしていた。

こうして僕は
半年後会社を辞める。

無計画だったにも関わらず、
人生は驚くべき展開を見せ、

初月から順調に売上を上げていくことになる。

もともと営業職をずっとしていたこともあって、
セールスは得意だったし、
個人で起業や活動をする人たちとの出会いが広がり、その人たちへセールスを教えたり、メンタルのサポートをするコーチというのが僕の始めたことだった。

それに、今後は
いろんなことがオンラインに変わるだろうということから、
全てのサービスをオンラインで始めたこと、またオンライン化することを勧めたことがハマった。

後にコロナがあって、
このことはその2年前の話だから、
現実的に世の中はオンライン化を余儀なくされることとなる。

全て順調に進んだ。
収入も時間も自由を得たつもりになっていた。

しかし、
コロナがやってきて

いよいよこれから
これまでやってきたことが本当の役に立つ、というころ、
予想外のことが起きる。

視線を感じる。
さようならしたはずの
あいつ
スカートの後ろに隠れていた幼い頃の僕が、
僕を見ていた。

サバイバルは続いている。

愕然とした僕は
やがて布団から起きあがれなくなってしまうのだった。

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