テニスクラブ運営日誌6:新しいコーチがやってきた
たまには僕の仕事についての話を少々。
なにを隠そう僕の職業はテニスコーチ。前々から書きまくっているからいまさら隠すもなにもないのだけど。はじめて僕の記事を読む人にとってはもしかすると「へー、そうなんだ」、となるかもしれない。そんなわけで、僕は月曜から土曜までコートに立ってテニスを教えていて、メルボルンの最西端の地域にあるテニスクラブのヘッドコーチを務めています。
そのクラブには僕しかコーチがいないという状態がここ2年ちょっと続いていました。が、今年のはじめからふたり目のコーチが来たのです。彼は僕の務めている会社(コーチをクラブに派遣する会社)から配属されて来ました。今のところは週2日だけですが、ずっとひとりぼっちだった僕からすると急に仲間ができたような感じで嬉しくてしょうがない。話せる人が隣にいるということがこんなにも楽しいこととは。
そうなんです。テニスコーチの仕事も今のテニスクラブも好きなんですけど、一緒に働くひとがいないっていうのはどうにも味気なくて。仕事に張りがでないというか。たまには誰かと会社のグチでも言い合いたいもんなんですよ。なので新しいコーチが来てくれたことには歓喜。
5歳の娘がひとりいるということで、テニスとかコーチングの話だけじゃなく子どもの話もできる。自分以外にも大人がいる仕事環境ってまったくもって素晴らしい。
ただ、彼がコーチとしてどうなのかというと、そこは別の話かな、となってしまうのが少し残念。
僕も大したコーチではないですが、テニスコーチ業も今年で8年。少しづつ経験の地層ができてきて、コーチングについて考えるときに掘り下げられる層の厚みがでてきてるなあ、と我ながら思うんです。
そんな僕の観点からしても新しいコーチのやり方は温度が低い。「これが俺の収入源」、そんな割り切ったコーチといった感じでしょうか。特にそれが悪いわけではないです。僕だってお金のためだからと思って割り切ってやる部分はもちろんあります。僕の場合はその割合がキワめて低いのかもしれません。
もう少し違う言いかたをすれば、温度が低いというよりかは、熱源の場所が違うといった感じ。さらに違う言い方だと、ベクトルの向きが違う。要するに僕と彼とはテニスコーチとしての方向性が根本的に違う気がするんです。
それが良いとか悪いでは決してないです。でも、絶対にまじわりはしない違い。水と油ですよ。
とまあ、嬉しい反面すこしだけがっかりでもある、というのが今の正直な気持ち。これから彼とどう仕事をしていくのか。どのような関係性になっていくのか。未知数です。