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会計士合格には「努力の分散をしない」が重要 ~時間力を制する人が勝つ話~

会計士試験の勉強法の記事をブログで解説しています。

✔本書の内容
受験生が勉強を効率的・効果的に行うための時間の使い方」を解説します。


この記事を書いている僕は、知識ゼロから2年半で公認会計士試験に合格できました。

その経験を元に、会計士受験のノウハウを紹介しています。


今回の記事は、下記のテーマでお話します。

◆今回の主な内容◆
1:時間力を制するものが勝つ理由
2:受験生が身につけるべき「時間力」とは
3:時間力より大切なこと
コラム:試験本番におけるゾーンの体験と引き出し方


なお、この記事は私が尊敬する小宮一慶氏の下記の書籍(以下、養成講座)のうち、会計士受験生が活用できる部分を引用しながら進めていきます。

上記をそのまま読んでも十分価値のある内容ですが、基本的に社会人向けの書籍ですので、受験生には合わない部分もあります。


そこで、会計士受験生向けの勉強を解説している私が、徹底的に受験生フォーカスで「時間力」を再構築しました!

ぜひご活用ください。

では、早速、見ていきましょう。



1:時間力を制するものが勝つ理由

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まずは、なぜ受験生(特に会計士受験生)は、時間力を身につける必要があるのかを見ていきます。


実際の時間力を身につける前に、その必要性重要性効果をしっかりと理解しましょう。

■参考情報
別noteである【会計士受験の勉強法】~短期合格へのロードマップ~には、特典で「ロードマップ実践シート」がついています。

実はこれ、時間力を効果的に使う仕組みが組み込まれています

そのため「時間力」考え方がどのように組み込まれているか参考情報として解説します。

実践シートの内容
●科目別勉強法リスト
●理想的な学習スケジュール
●忘却曲線管理シート
●毎月の学習方針シート
●モチベーション維持の決定版「実績・塗マス」


つまり、「時間力」と「ロードマップ」を両方使えば、さらに効果的ということですね。


少し宣伝になってしまいましたが、まずは時間力です。

早速見ていきましょう。


1-1:努力は”有限の時間”の中でしかできない

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人は成長するためには勉強しなければなりません。

そして、その勉強は時間を使って行うものです。


しかし、どんな人間も「与えられた時間は有限」であり、1日は24時間以上にはなりませんし、1年間は8,760時間以上にはなりません。


つまり私たちは「有限の時間の中で努力をしなければならない」ということです。

時間は有限

これは、20代の方にも、30・40代の方にも大切なことです。
特に、受験に専念している方は、時間がある程度無限にあるように感じてしまうものです。

しかし、合格が遅れれば遅れるほど、あなたの人生設計は大きく狂っていきます。

受験生の間は、合格がゴールのため、そこから先の未来は見えにくいものです。
しかし、合格してしまえば「そこから先が人生の全て」です。

恋愛も結婚も、子育て、マイホーム、、、。
そんな人生のイベントは、受験に区切りをつけなければやってこないのです。会計士受験をするなら、ぜひ短期合格を目指しましょう!!

そして短期合格には、この「時間力」を身につけることが絶対に必要なのです!!!


1-2:常に”忘れることと”の戦いである試験

人間というのは「忘れる生き物」です。


どんなに努力をしても、時間がたてば忘れてしまう、、、それでは、どれだ得k頑張っても、一生試験に合格することはできないでしょう。


試験に合格するには、膨大な量の知識を忘れずに頭の中に入れておく必要がありますが、特に会計士試験は「量が非常に膨大」です。

「会計士試験は、科目数も多くて、量が膨大だから大変」と言われます。

しかし皆さん。
この「量が膨大」という意味を正しく理解しているでしょうか?
まずは、ここを正しく理解しましょう


みなさんの目標は試験に合格することです。そして、「合格するには合格答案を書けばいい」、ここまではいいですね。

逆に、この「合格答案」を作るために「あなたがあるべき状態」とは、どのような脳みその状態を作るべきでしょうか?

会計士試験の場合、最終的に「論点に関する記述式の問題に、キーワードを使って、3~4行の文章で説明が書ける状態」があるべきゴールです。

そして、これを達成するためには、おそらく1000くらいある論点につき、4~5個のキーワードを覚えておく必要があります(ザックリ計算なので、実際はもっと多いと思います)

つまり、5,000キーワードとそれに関する文章や理論構成を全て頭に入れておく必要がある。。それを実現する努力と、その努力を実行するための「時間」が必要、、、。

どうでしょう。「量が膨大」の意味が分かってきたでしょうか。


要するに、会計士試験はめっちゃ勉強すべきことがあるから、普通に努力してても、忘却スピードに間に合わない。


だから、時間を効果的・効率的に使い倒すための「時間力」が必要ということです。


1-3:受験戦略の8割は「リソース(時間)の配分とコントロール」

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また、会計士受験の特徴から、リソース配分とコントロールが重要という話をします。

■会計士試験の特徴
・科目数が多いこと
理論と計算をバランスよく勉強する必要があること
・受験期間が長く、試験本番までに忘れては意味がないこと


つまり、受験勉強をする上で、「いつ、何を勉強するか」が非常に重要になってくるということです。


そして、多くの受験生が一番苦しむのが、「長くてツライ勉強で、モチベーションを維持しにくいこと」だと思います。


これについては、「リソースとは何か」を理解するのがポイントです。

■受験生にとっての「リソース」とは
受験生にとってのリソース(資源)は、大きく4つあると思います。
➀お金、➁時間、③肉体的疲労、④精神的疲労」の4つです。

最初の2つは、分かりますね。
ポイントは、③と④です。

③肉体的疲労とは、筋肉に乳酸がたまって、体が動かなくなったり、計算問題を集中して解きまくって、純粋に体が疲れること、頭に乳酸がたまる感覚などです。

一方、④精神的疲労とは、例えば「集中して30分行う勉強」と「ダラダラとやる気なく、30分行う勉強」では、後者の方が、精神的に疲れているのではないでしょうか。「気持ちの疲れ」と言い換えてもいいかもしれません。


受験生にとっては、「モチベーション維持」が最大の課題ですから、これに大きく関わる精神的疲労をできる限り少なくし、質の高い努力をすることが大切ということです。


ここまでで「時間力」の重要性は、実感して頂けたと思います。

次の章から、実際の「時間力の中身」に入っていきます。


早速、先に進みましょう!!


2:受験生が身につけるべき「時間力」とは

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2-1:「時間力」の基本的な考え方

早速、小宮氏の養成講座の一節を引用しながら、時間力について解説していきます。


小宮氏は、ご自身のコンサル会社の代表もされており、「短い時間の中で、どれだけ質の高いアウトプットを出すか」という観点で、時間力を解説しています。

どれだけ時間をかけようが、効率的に行おうが、がんばろうが、楽々行おうが、とどのつまりは、お客さまにとって価値あるアウトプットをどれだけ出すことができるかがすべてであることが分かります。

時間力マトリックス

では、どうすれば、アウトプットの質と量を高められるのか? それが、本書のテーマとなるわけですが、最初に、答えを申し上げておくと、それは

「やる気のある時間」をどれだけ持てるか

つまり、質の高いアウトプットを効率的に出すためには、忙しかろうがそうでなかろうが、「やる気」が出ているかどうかが、非常に重要な要素ということです。


2-2:時間力のルール

小宮氏は、時間力のルールとして、3つ挙げています。

■時間力の基本ルール
基本その一:「自分の時間を把握していること」
基本その二:「自分が行うことを把握していること」
基本その三:「メリハリを持つこと」


その三はありきたりな話ですが、その一とその二を実際にできている人は、ほとんどいないのではないかと思います。


そして、このルールを守り、実践すべきことをこのように解説します。

「時間の質」に着目して、アウトプットを出しやすい時間に仕事をする。


これは受験生も同じです。

時間には””があります。そして、それぞれの時間の質に応じた勉強を、適切に配置することで、効果的な学習ができるのです。


小宮氏は、限りある時間の中で「努力の成果」をコントロールするために、以下のような考え方を解説しています

やる気と自由度を軸にとったマトリクス。
右上の「やる気があって自由度の高い時間帯をどれだけ持てるか」が、わたしたちの生産性、アウトプットを左右すると考えます。


やる気のない仕事はなかなか効率が上がらないものですが、そうすると、なかなか成果が出なくて、右側の時間を増やすことができません。
でも、やる気が高ければ、自由度が低いものも早く終わる。そうすると、右側の時間を増やすことができるわけです。


つまり、「自分をやる気の高い状態」にもっていくことが重要ってことですね。

ただ、多くの受験生にとって「自由度の高い勉強」って少ないですよね。好きな科目なんて限られるし、無い場合もあります。


ただ、それは社会人にとっての仕事も同じ。小宮氏はこう続けます。

自由度の低い仕事を、やる気をもってやるか、やる気をなくしてやるか、 それが、わたしたちのアウトプットと成長、つまり、腕の上がり方を決めるのです。

(中略)
まずは、「自由度」の問題ではなく、「やる気」の問題なのです。

(中略)
つまり、 同じ雑用をやっていても、クリエイティブな雑用とするか、単なるやらされ作業とするか、そこに、優秀な人とそうでない人の違いが現れる ものですが、何が能力を決めるかと言えば、結局は「やる気」の問題なのです。

(中略)

「時間力」とは、要するに、やる気のある時間帯をいかにつくっていけるか、ということです。


やっぱりより多くの成果を得るためには、「やる気」が大切。

そして、このやる気を時間という枠に当てはめて、「やる気の高い時間帯の最大化」が重要ということです。


では、どうやってやる気の高い時間帯の最大化を実現するのか?

続きを見ていきましょう。


2-3:時間を効果的に使うための4つの習慣

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やる気の高い時間帯の最大化するため、小宮氏はまず、4つの習慣を上げています。

時間を効果的に使うための4つの習慣
◎自分の調子のいい時間帯を知る
◎パフォーマンスの高まる時間帯を最大活用できるようにセッティング
◎調子のいい時間帯を最大活用するための段取りを習慣づける
◎調子のいい時間帯に質の高いインプットを

1つ1つ見ていきましょう。


◎自分の調子のいい時間帯を知る

つまり、自分のもっともパフォーマンスの高い時間帯がいつなのかを把握しておくということです。


例えば、朝方・夜型みたいな話があると思います。

これは個人的な意見ですが、受験生は基本的に、午前中に集中できる時間を持ってくるように意識したほうが良いと思います。

それは、本試験がその時間帯だから。


また、夜型の方は、自分は良いパフォーマンスが出せている気分になっているけど、実際にはそうではないリスクに注意して、「本当にパフォーマンスの高い時間帯」を探すようにしてください。


◎パフォーマンスの高まる時間帯を最大活用できるようにセッティング

受験生でいえば、「頑張るのに一番パワーが必要な勉強を、一番良い時間にもってくる」ということです。


少し僕のやり方をご紹介します。
僕は、午前中の時間が一番集中できて、お昼直後が一番眠くてやる気のない時間でした。

そして、こんな感じの科目の配分をしていました。

午前:「理論の暗記」「テキストをゆっくり読んで、知識同士の関連付けのトレーニング」をして、創造性の高い時間に、イメージ力や脳みそをフル回転させる勉強をいました。

午後:基本的に計算問題。飽きたら理論の暗記を少し挟むけど、メインは計算。つまり、脳みそが動きにくい時間は、頭を動かす精神力(精神的疲労系)を使わずに、手を動かす系の勉強(肉体的疲労系)をしていたということです。

あくまで一例ですが、ご参考に。


◎調子のいい時間帯を最大活用するための段取りを習慣づける

小宮氏は、こう解説します。

ひとつコツを教えますと、会社に行ってやることの段取りを、会社に行く道すがら毎日考えていく

さらには、前日の夜でも、その日の朝の通勤電車の中でも良いですから、手帳を見てその日のスケジュールを確認しならが、その日にやるべきこと(TO DO)をチェックしておく


つまり、調子の良い時間は限られているし、どんどん時間は過ぎていくので、「その時間を最大限活用するために、やることを明確にしておく」ということです。


◎調子のいい時間帯に質の高いインプットを

とにかく調子のいい時間帯に、必要なインプットや比較的むずかしいインプットを全部行ってしまうってことですね。


これについては、先ほど紹介した僕の事例を参考にして頂ければと思います。

ここまでをまとめるとこんな感じです。

時間を効果的に使うための4つの習慣
① 自分のもっとも調子のいい時間帯を把握する
② その時間に、もっとも創造的な仕事を行うようにする
③ その時間帯を最大活用するための段取りを習慣づける
④ むずかしいインプットも調子のいい時間帯に行う

 ③ の段取りの秘訣として、

① 毎日、会社に行く道すがら会社に行ってやることの段取りを考える
② 前日の夜かその日の朝、手帳を見て、スケジュールを確認しながら、その日にやるべきこと(TO DO)をチェックして

続いて、さらに時間を効果的に使うための、時間力を高めるコツを見ていきます。


2-4:時間力を高めるコツ

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個人的には、この「時間力を高めるコツ」メチャクチャ重要なエッセンスがつまっているなあと感じています。


1つ1つ見ていきます。

◎後ろ向きの時間を減らす

小宮氏はこう説明します。

それを まったく持たないようにすることではなくて、その時間をいかに短くするか です。後ろ向きの気持ちをいかに自分でコントロールして、すばやく前向きの気持ちに切り替えていけるかです。

つまり、ネガティブな感情は起こる、 不満や怒りはだれでも感じる。だからこそ、その時間をいかに短くしていくかが大事 なのです。ネガティブな感情を持つ時間が短ければ短いほど、ポジティブな時間が増えるのです。


そして、後ろ向きの時間を減らすための方法を解説しています。

◎ネガティブな時間をポジティブな時間にする方法

小宮氏の養成講座では、手に輪ゴムをつけておいて、それをパチっとすることで、気持ちを切り替える方法を紹介しています。


確かにその方法でもいいのですが、個人的にはもっといいやり方があるかなと思います。


それは「ストップウォッチを使う気持ちの切り替え」です。

■ストップウォッチを使う気持ちの切り替えの手順
手順➀:勉強を始める瞬間に気持ちの勢いをつけてストップウォッチを押す
手順➁:集中力が切れて、勉強を中断するまで時間を計る
手順③:何分勉強したかという事実を記録する

これだけです。


■ストップウォッチを使う気持ちの切り替えのルール
すいません。僕のやり方なんですが、明確なルールがあります。
ルール➀:ストップウォッチを押した瞬間に絶対に集中すると決める
ルール➁:とにかくストップウォッチが動いている時間は、絶対に集中して勉強する
ルール③:逆に、集中できなくなったら、絶対にストップウォッチを止める

要は「ストップウォッチが動いている事実」と「自分が集中する」時間をリンクさせることで、「ストップウォッチを押せば集中するという習慣」を身につけるということです。

これは、実際に自分が勉強に集中できている時間が明らかになってしまうので、結構おそろしいのですが、効果的です。


ぜひ実践して、自分の努力の現実から目を背けないようにしましょう!!


◎目的と目標を持つ

少し精神論的な話ですが、小宮氏はこう解説しています。

目的・目標を持つことです。それによって、やる気の高い時間は、確実に増えます。


そして、こういう格言を引用しています。

「志は氣の師」

「朝起きられないとか、なんかやる気が出ないのは、『志』がないから。自分はこうなりたいとか、こういうことをしないといけないとか、こういうことをして人に喜んでもらうんだとか、自分のそもそもの存在意義が何なのかということが分からないうちはだめです。
でも、それが分かったら、じゃあ、朝起きて、これやってみようと思うようになります」と、そう言われたのです。


引用を続けます。

目的とは、生きている限り続く「存在意義」

つまり、「やる気」に必要なのは「志」、つまり、「目的」だったのです。 話を次に進める前に、目的と目標の違いについて、はっきりさせておきます。この違いを知ることは結構重要なことです。

目的というのは存在意義で、目標はその通過点、 というのがわたしの定義です。


私もまったく同意見です。

いわゆる「モチベーション(やる気)」には、心理学的には2つの種類があると言われます。

■2つのモチベーション
外発的動機付け:いわゆるニンジン。お金や欲のために頑張るやる気ですね
内発的動機付け:こっちが重要です。存在意義や目的から生じるものです

外発的動機づけは、短期的なモチベーションには効果的です。いわゆる瞬発的なやる気です。
ただ、受験勉強という長期間の努力が必要とされる場合、内発的動機づけの「継続的なやる気」が必要不可欠です。

つまり、存在意義や目的を持つことは、意識高い系みたいで何となく気恥ずかしいけど、合格のためには現実問題として必要なことなんです。

僕はよく「目標はモチベーションの源泉」という言い方をしますが、本当にその通りだと思います。

時間力を高めるコツ、いかがだったでしょうか。

次は、少しコラム的な話です。


2-5:インプット力を高めるための技

小宮氏は、インプットとアウトプットの質の最大化が時間力の目的だと書いており、その観点で効果的なインプットについて、こう解説します。

さて、インプットにおける「技」として、もっとも重要なのは、

最初に基本コンセプトを学ぶ

(中略)
「時間力」を高める「技」とは、「人がいままでに考えてくれていた技」を勉強することだったのです。

そのためには、自己流にこだわらずに行う「素直」な気持ちが大切です。 自己流は基本ができてからやるべきことです。


実は、みなさんが今実践していることです。


あなたは今、小宮氏や私が考えた「時間力という技」を勉強して、その基本のコンセプトに従うことで、日々の勉強に最大の成果を得ようとしているわけですよね。


そして、もう一つ、受験生の皆さんに役立つ技「基本コンセプト」を紹介しています。


私の中での位置づけは、勉強には2つの段階があると考えていて、それぞれのコンテンツが対応しています。

■勉強の2つの段階
➀”やる”こと:短期合格へのロードマップ
➁”やる”の効果を高める:本書の時間力note


そして当たり前の話ですが、勉強は、➀の"やる"が最も重要です。

本書を通して、”やる”の効果を高める技を身につけた後は、ぜひ「そもそも”やる”こと」「どう”やる”ことが重要なのか」を学んで頂きたいと思います。


これを知っているか知らないかが、今後の会計士受験生の分かれ道になる、、、そんなクオリティになっていると思います。

以上、「インプット力を高めるための技」という名の宣伝でした(^^)/

(この項目自体は、養成講座にちゃんとありますよ笑)


2-6:時間力を阻害する七つの誘惑

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この時間力のnoteは、実は後半になればなるほど、本質的で重要な話に進んでいきます。

というわけで、重要な「時間力を阻害する七つの誘惑」の解説を進めます。


小宮氏が説明する七つの誘惑は、下記の通りです。

誘惑1 時間があること
誘惑2 時間を決めないで残業をたくさんする
誘惑3 簡単な仕事を速くこなして仕事ができると勘違いする
誘惑4 適当に食える
誘惑5 夜更かし、不摂生
誘惑6 だれかが手伝ってくれるだろう甘え症候群
誘惑7 適当に仕事をする人をパートナーに選んでしまう


1つ1つ見ていきます。

誘惑1 時間があること

「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」、まさにパーキンソンの第一法則です。時間があると、その与えられた時間でものをしてしまうのです。

物事をいつも、決まった時間内に、どんどんやっていく習慣を持つこと。そのためには、 やることを、ちょっと多すぎるかなというくらい、たくさん用意していることです。

とにかく時間がありすぎないということが大事です。 ちょっと余裕がないくらいの時間的制約のなかで、いかに、質を落とさずに多くのアウトプットが出せるようになっていくかです。


一気に引用しましたが、この通りです。

とにかく、なるべくたくさんの勉強すべき小さなタスクを大量に持つことが重要です。

そして、そのために先ほど紹介したTODOリスト(メモ帳)を持つことを実践してください。


誘惑2 時間を決めないで残業をたくさんする

受験生へのメッセージに翻訳すると「メリハリのない勉強はするな」ということです。


小宮氏は、アウトプットを出すよりも、会社に寄りかかって残業代を稼ごうとするイケてない社会人を例に、厳しいことを書いています。


ま、そういう人がこの本を読んでいることはないと思いますので、この際、はっきり言わせていただくと、そういう人たちは一生、一流にならずに、安い給料で自分の時間を切り売りするような仕事をし続ける、そういう生き方を選んでいるのだと思います。

それはそれで、価値観の問題ですから、わたしは否定はしませんが、本書の読者にはそうであってほしくないと望んでいます。 仕事で自己実現しよう、一流になろう、と思うことが大切です。


みなさんが社会人になった時にも、思い出して欲しい言葉ですね。

誘惑3 簡単な仕事を速くこなして仕事ができると勘違いする
誘惑4 適当に食える

これは正直、受験生に応用するのは難しいかなと感じています。

無理やり翻訳するなら「覚悟なしに合格できるような甘い話では会計士受験に合格はできない」「合格のために犠牲にすることを決めよう」といったところかと思います。


誘惑5 夜更かし、不摂生

これは、受験生の方にもそのまま使えます。

夜型の人は、可能な限り朝型に転身しましょう。


結局、時間力的に何が問題かというと、小宮氏はこう説明します。

やる気の高い状態を阻害することが問題なのです。


これまで、ずっと「やる気が大事」という話をしてきましたよね。

夜更かしは、やる気を阻害する原因だから、ダメ。シンプルな話です。


誘惑6 だれかが手伝ってくれるだろう甘え症候群

これは受験生にとって重要な話です。


どういうことかというと、「自分の努力不足や、やる気が出ない原因を、講師やテキストの質の低さに求めてしまいがち」ということです。


私が受験生の時も、よく講師の授業の質に、よく文句を言っていました(監査論の先生はひどかった、、マ)


今になって思うのは「自分が合格できない全ての原因は、自分にある」という、極めて当り前な事実です。

どんなに講師の質が低くても、コロナの影響で自習室が使えなくなっても、合否に関わる全ての責任は、あなた自身にしかないのです。


この事実からは、絶対に逃れることはできません。諦めて、地道に努力を重ねましょう。


誘惑7 適当に仕事をする人をパートナーに選んでしまう

少し厳しい話ではありますが、会計士受験をしているなら、付き合う友だちは慎重に選びましょう。


小宮氏はこのように語っています。

問題は、いい加減な仕事をする人がまわりにいると、うつってしまうことです。 やはり、朱に交われば赤くなるのです。


そして、こう続けます。

いい仕事を目的にする人、つまり完璧な仕事をしようとしている人はたくさんいます。とはいえ、時間やお金といった与えられた資源の制約のもとに、それができる人は実はあまり多くはない。

でも、そうしたもろもろの制約のなかで、自分にできることのベストを見つけ出して、目の前にあることを精いっぱいやる、 それが仕事だと思います。プロの仕事です。


次は、インプット力を高めるための技、テクニックの話です。

私は、実践しない知識は無意味だと思っているので、実はこれから解説するテクニックの話が、時間力の最重要コンテンツかもしれません


早速見ていきましょう!


2-7:時間力の活用テクニック

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小宮氏が解説するテクニックは、10個のコツがあります。

実践が重要!とはいえ、基本的にロードマップの仕組みには、落とし込まれているので、サクサク進めましょう。

コツ1 やるべきことを時間軸とともに正確に把握する 
コツ2 自分の事務処理能力を知る
コツ3 自分の調子のよい時間帯をもっとも創造的な仕事にあてる
コツ4 常にやるべきことをたくさん持っておく
コツ5 何でもかんでもやろうとしない
コツ6 決まった時間に、毎日同じことをやれる時間を持つ

コツ7 事前の準備をする
コツ8 いつも少しだけ余裕を持つ
コツ9 予備時間を持つ

コツ 10  正しい手帳を使う


コツ1 やるべきことを時間軸とともに正確に把握する 

これは下記の手順で実践します。

■コツ1の実践手順

1日単位
➀毎月の学習方針シートで、その月にやるべきことが明確になっている
➁前日に翌日やることのTODOリストを作る
③ストップウォッチや、忘却曲線管理シートで学習に必要な時間を把握する
④自分の調子のいい時間帯と悪い時間帯にやるべきことを、配分して実施
⑤上記の繰り返し

年間単位
➀理想的な学習スケジュールに沿って学習を進める

以上です。

ある意味、これが日々の勉強の全てです。


コツ2 自分の事務処理能力を知る

これは下記の手順で実践します。

■コツ2の実践手順
➀ストップウォッチや、忘却曲線管理シートで学習に必要な時間を把握する


コツ3 自分の調子のよい時間帯をもっとも創造的な仕事にあてる

これは下記の手順で実践します。

■コツ3の実践手順
➀自分の調子のいい時間帯と悪い時間帯にやるべきことを、配分して実施

なお、上記で解説した私の午前・午後のやることの配分事例を見て頂くのが、分かりやすいと思います。


コツ4 常にやるべきことをたくさん持っておく

これは下記の手順で実践します。

■コツ4の実践手順
➀前日に翌日やることのTODOリストを作る
➁忘却曲線管理シートにやるべきことが大量にある状態にする
③毎月の学習方針シートで、その月にやるべきことが明確になっている


コツ5 何でもかんでもやろうとしない

これは下記の手順で実践します。

■コツ5の実践手順
理想的な学習スケジュールに、受験全体でやるべきことがまとまっているので、逆にスケジュールにないことは、絶対やらない


小宮氏の言葉を借りるなら、こうです。

時間という有限の資源を最適に配分し、とにかく自分を生かせるベストのものに時間を使っていくことです。


コツ6 決まった時間に、毎日同じことをやれる時間を持つ

これは下記の手順で実践します。

■コツ6の実践手順
必須:前日に翌日やることのTODOリストを作る
任意:自分の調子のいい時間帯と悪い時間帯にやるべきことを、決めて実施

→任意は、あくまでおすすめです。TODOリストは必須です!!


コツ7 事前の準備をする

これは下記の手順で実践します。

■コツ7の実践手順
➀前日に翌日やることのTODOリストを作る
➁移動時間には、次に何をやるかを考える


コツ8 いつも少しだけ余裕を持つ

コツ9 予備時間を持つ

これは、これまでの話と少し矛盾するので、受験生向けの解説します。


一日のやるべきことはたくさん持つべきだけど、勉強が雑にならない程度の気持ちの余裕を持つということです。


誘惑3に「簡単な仕事を速くこなして仕事ができると勘違いする」というのがありましたよね。こうならないようにするための心構えです。


僕も実際に時間力を活用して、日々の作業を管理していますが、予備時間を持つと、だらけてしまうリスクが高いです。


ですので、実際には「コツ4 常にやるべきことをたくさん持っておく」を優先させ、気持ちの上で「コツ9 予備時間を持つ」のが良いと思います。


大切なのは下記の通り。

自分のやるべきことをTO DOリストなどで把握し、時間をコントロールしているということが大切です。そうすると、余裕の度合いが違ってきます。 見えないでいることが不安を生む ことが少なくありません。


コツ 10  正しい手帳を使う

これは下記の手順で実践します。

■コツ10の実践手順
ロードマップ実践シート全体が手帳代わりです。なお、実際に手帳を使ってもOKです


一気に、10個のコツとそれを実践する手順を解説しました。


考え方をまとめると、下記の通りです。引用で解説します。

やることがたくさんあることそのものではなくて、やることがたくさんあると思っている状態が、わたしたちの心の余裕を奪うのです。

ですから、

やることがこれだけあり、それに対して時間はこれだけある、そして、自分の事務処理能力はこのくらいだ。というのが分かっていれば、何ができて何ができないかが分かる。場合によっては、プラスいくらかの予備時間もつくれることが分かるでしょう。

 つまり、自分で時間をコントロールしているという感覚です。  

手帳とは、自分で時間をコントロールしているという感覚を持つためのものであり、実際、コントロールしていくためのツールです。  

さて、次が「時間力」本編の最後の章です。

つまり、最重要の「時間力の本質」です。


2-8:時間力の本質

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最後にして、最重要の内容です。

養成講座の引用で、一気に見ていきたいと思います。まずは、時間力を阻害する7つの誘惑についてです。

これらを「誘惑」と名づけたのは、いずれも、自分が能動的につくり出しているものだからです。夜更かしにしても、だれかに手伝ってもらうことを期待することにしても、自分で行っていることであり、だからこそ、自分で能動的に改めることも可能です(理論的には)。

 でも、現実をみると、どうもこれ以外にも、人の生産性、創造性を阻害する目に見えない要因があるように思います。
それは、第1章でとりあげたネガティブな気持ちに近いもので、不安、あるいは、そこから生じる優柔不断です。

要するに、迷っている時間。

アウトプットの少ない人は、この迷っている時間が圧倒的に長い、そう思えます。


なぜ迷っているかというと、迷っている間は、決めなくていいから、実行しなくていいから。そうやって、結果が出るのを遅らせているわけです。

なぜ遅らせるかというと、結果が出てしまって、失敗したことが明らかになってしまうのが怖いから。要するに、失敗に対する不安です。だから、責任をとらないでいられる状態を少しでも延長しようと、なかなか、決められない状態が続くわけです。

つまり、アウトプットを出さないようにしているとも言える


では、どうすればいいか、という話ですが、逆に、こうした不安、優柔不断の状態が少ない人のことを考えてみましょう。

失敗に対する恐れ、不安というのは、要するに、自分に対する評価への不安です。また、責任をとらなければいけない事態を先延ばしにしていられるということは、そうしていれば、だれかがやってくれることが分かっているということです。


でも「やらなければ合格できない」という現実からは逃れることはできません。誰かのせいにすることもできません。自分の人生をかけて、その責任を背負っていくのです。


ここからは、良質なアウトプットを出す社会人を例に、彼らの共通点から時間力の本質にさらに迫っていきます。


正直、受験生には活用しにくい部分ですが、質の高い内容であるため、引用を続けます。

それは、自由度だと思います。精神的自由度
そして、ふだんから徹底した仕事をする習慣、どんなときにも手を抜かない習慣を持っていること。

つまり、 物理的には忙しくとも、精神的な自由度を常に持ち、かつ、徹底した仕事をし続けている、 ということです。  

先にお見せしたマトリクスの軸は、「やる気」と「自由度」でした。でも、わたしのようにほとんどの仕事は物理的自由度が低いのになぜ楽しめるのかというと、物理的自由度は低くても、それをやっているときの精神的自由度は高くいられるからです。

精神的自由度が高いから、徹底することができる。逆に、精神的自由度が高く、いろいろなものが見えるから、徹底したくなる、とも言えます。

徹底すればするほど、評価が上がり、仕事量は増えるので、さらに物理的な自由度は下がりますが、精神的自由度はどんどん高くなります。そうすると、さらに、ものが見えるようになり、発想も違ってくる。


つまり、 物事には、実は、物理的なものと精神的なものがあり、精神的自由度の高さこそが、わたしたちの生産性、そして、幸福感までをも決定している のです。


時間力というと、物理的時間を考えがちで、もちろんそれも大切ですが、実は、精神的自由度が高く、かつ、ひらめきを生める時間をどれだけ持てるかなのです。腕が上がれば上がるほど、精神的自由度は上がるのですが、そのためには、何度も繰り返しますが、とにかく、 目の前の仕事を徹底していく、いつも100%の力を出す習慣を持つ ことです。そうすれば、必ず人が認めてくれるようになり、精神的自由度が高まる


いかがだったでしょうか。

以上が「受験生に身につけてほしい時間力」の話です。


ただ、このnoteはもう少し続きがあります。


3:時間力より大切なこと

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3-1:結局「行動」がすべて

このからの内容は、時間力のnoteでも同じことが書いてあります。

ただ、できればもう一度読んでおいてください。


今まで勉強法について解説してきましたが、結局大切なのは「やるかどうか」です。

むしろ行動がすべてです。


勉強には2つの段階があります。
1つ目:そもそも、勉強を「やるかやらないか」
2つ目:「やる」内容をいかに効果的・効率的にするか


1つ目は「【会計士受験の勉強法】~短期合格へのロードマップ~」で解説しています。

2つ目が本書です。


どんなに効果的な方法を知っていても、「やる」という行動が無ければ、絶対に合格はできません。


ぜひ「やる」を実践してください。


3-2:立ち上がること

そして、もう一つ。大切なこと。

個人的な話になりますが、私は高校時代に2度、命を絶とうとしたことがあります。義理の父親に精神的に追い詰められて、毎日死ぬことばかり考えていました。


ほとほと人生に疲れ果てた私は思いました、、。

道の真ん中でバタッと倒れて、そのまま2度と立ち上がらなければ、それは死ぬってことなんじゃないか?


文字通り、道の真ん中で倒れたまま、そのまま立ち上がらなければ、飢えや渇きで死んでしまうでしょう。


なんで突然こんな話をしたのか?


それは、受験において「立ち上がること」の大切さを知ってほしかったからです。

会計士受験をしていると、大なり小なり転んで倒れてしまうことがあります。

大きいところでいうと「本試験の不合格」でしょう。

小さいところでいうとたくさんあります。
「テストの点が低かった」「朝寝坊した」「何となくやる気が出ない」、、、。
受験は、そういう小さなつまずきだらけだと思います。

そんなときに思い出して欲しいのです。

転んで、そのまま倒れていることは「死ぬこと」なんです。

想像してください。
なんとなくやる気が出なくて、一日中転んだままで、そんな毎日を過ごしていった未来に何が待っているのか?

今日という一日をサボることは、「ゆっくりと死んでいくこと」です。

何となくやる気が出ない瞬間は、必ず誰にでもあります。

でも、そんな時は「あ、今の私は転んでいるんだ!」と自覚してください。
そして「立ち上がろう!!」、そう心の中で気合を入れて、立ち上がってください。

そういう1日を積み上げていくことが、あなたの合格を導くでしょうし、幸せな未来を引き寄せるはずです。


あなたの1日を変えるキッカケになれば幸いです。


コラム:試験本番におけるゾーンの体験と引き出し方

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最後に1つだけ、コラム的な話をさせてください。


本文の中で、ストップウォッチを使った気持ちの切り替えを紹介しました。

実はあれには、さらなる続きがあります。

■ゾーン体験について

みなさん、「ゾーン」って聞いたことありますよね。
よくスポーツ選手なんかが使うあれです。このゾーン、実はけっこう身近というか、誰にでも訪れるものなんです(私も何度か体験しています)

ゾーンに入ると、時間の進みが遅く感じ、自分の周りで起きていることが全て把握できている感覚になり、普段以上のパフォーマンスが発揮できるようになります。

結論を言うと「試験本番で、このゾーンに入れたらいいよね」ということ。


そして、これにストップウォッチを使った気持ちの切り替えが役に立ちます。


なぜかというと、ゾーンを意図的に引き出すためには、「高い集中状態の継続」と「集中に入り込むルーティン」が効果的なんです。


だからこそ僕は、明確な意図をもって、このやり方をお勧めしますし、以下のルールは必ず守って欲しいのです。

■ストップウォッチを使う気持ちの切り替えのルール

ルール➀:ストップウォッチを押した瞬間に絶対に集中すると決める
ルール➁:とにかくストップウォッチが動いている時間は、絶対に集中して勉強する
ルール③:逆に、集中できなくなったら、絶対にストップウォッチを止める

要は「ストップウォッチが動いている事実」と「自分が集中する」時間をリンクさせることで、「ストップウォッチを押せば集中するという習慣」を身につけるということです。

試験本番も、ストップウォッチを押して始めて、高い集中状態に入り込みましょう!


まあ、実際にゾーンに入れるかどうかは、その時次第です。

「上手く入れたらいいなー」くらいの感覚で、実践してみてください。


なお、普段の勉強でも高い効果が期待できるので、今すぐアマゾンでストップウォッチをポチって、実践を開始しましょう!!


***********本編は以上です**********


そして、最後にもう一つだけ特典を紹介させてください。

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■スペシャル特典
「時間力活用のサマリ―シート」


このnoteの内容をまとめたものです。

時間の少ない受験生が、このnoteを読み返さずに、時間力の考え方を日々の勉強に落とし込むためのツールです。


さいごまでお読みいただき、
ありがとうございました。


皆様の合格を心より願っております。


改善要望や追加で気になることがありましたら、下記のアンケートフォームよりリクエストください。全てにお答えはできませんが、参考にさせて頂きながらより良い学習方法を検討していきたいと思います。
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