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【46】 公式 I × V = R
ルー・タイスのプリンシプルにおける公式 I × V = R について紹介します。
この公式は、
Imagination (イマジネーション) × Vividness (鮮明さ) = Reality (リアリティ)
を意味しています。
この「リアリティ」とは、無意識の中にある「世界とはこういうものだ」「自分はこういう人間だ」という信念であり映像です。
この公式は、鮮明さを伴った想像が、無意識におけるリアリティとなるということを示しています。
私たちのマインドは、無意識のリアリティを維持・実現するように働きます。
ゴールを実現するには、現状ではなく、ゴールを実現した世界やその時の自分の姿を無意識のリアリティとする必要があります。
そのためには、ゴールを達成した時の自分がどのような人間で、どのような世界を生き、どのような人生を送っているのかというイメージを強烈なほど鮮明にしていく必要があります。
鮮明な映像(vivid picture)でゴールを達成した世界と自分の姿を想像し、その映像に強い感情(strong emotion)を伴わせることがカギです。
そうすれば、創造的無意識がゴールの世界に現実を修正するように働きます。
これが、ルー・タイスのプリンシプルにおけるゴール実現のメカニズムです。
アファメーション、ヴィジュアリゼーション、セルフトークのコントロールといった具体的な方法論は、全てゴールの世界のイメージの鮮明さを上げていくための方法論です。
ここで、I × V = R の I(イメージ) が指しているのは、ゴールそのものではなく、ゴールを実現した世界であり、自分の姿です。
つまり、 想像するのは、ゴールそのものではなく、ゴールを実現したときの自分と周囲の世界、すなわち自己イメージです。
ゴール自体は現状の外に設定した、抽象度の高いものです。
現状の外に設定したゴールですから、当然、そのゴールそのものを鮮明にイメージすることはできません。
もし鮮明にイメージできたとしたら、それは現状の中のゴールの可能性が高いです。
しかし、そのゴールを実現したときに自分はどういう人間なのか、どういう環境で生活し、どういう人々と関わっているのか、といった自己イメージは比較的イメージしやすいものです。
また、自己イメージは、認知的不協和が働く範囲であるコンフォート・ゾーンを決定します。
そのため、アファメーションやヴィジュアリゼーションによって、ゴールを達成したときの自己イメージを強くすることができれば、コンフォート・ゾーンは現状ではなくゴールの世界に移行します。
そうすれば、「自分のあるべき場所に戻る」ようにゴールを実現していくことができるようになります。
I × V = R の公式に照らし合わせてコーチングの体系を見直すことで、より深く、そしてシンプルに体系を理解することができるようになるでしょう。
ワーク
ゴールを実現した世界では、自分はどのような生活を送っていますか?
また、どのような人々と関わり、世界はどのようになってますか?
ゴールを設定したときには、そのゴールを達成したときの自己イメージについても考えてみてください。