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「商いは、飽きない」って言葉を知っている?作業をお願いするとき 〜りょうすけへのメッセージ〜

これからはじまる内容は、架空の人物設定けんにぃから親愛なる後輩のりょうすけに向けて送られた、メールの内容です。
毎回テーマごとに質問を投げかけられ、それに答えていく形式です。
あなたもぜひりょうすけの身になって、問いに答えてみてください。


「商いは、飽きない」って言葉を知っている?作業をお願いするとき


職場での業務ってさ、いつも「持ちつ持たれつ」の気持ちが大切だってこと、君も感じたことないかな?

第一線での営業マンをやっていると、どうしても自分はお客さま先に行って、お客さまの声を聞いてきたんだぞという一種の傲慢から、業務の方をぞんざいに扱ってしまったりする。

「この発注の手続き、今日中にやっといてもらえる?お客さまが急いんでいるんだからね」

営業目線では、お客さまからの依頼となったら、なんとかしなければという思いにはなるかもしれない。けれど、業務方からしてみたら、同じ業務をやるにしても、営業からの依頼の仕方次第で、なんとかしようと思うか、面倒くさいなと思ってやるかが分かれてしまう。もったいないよね…。

そんなときこそ、こちらの主張ばかり通すのではなく、相手の状況をちょっと気にかけて、接したいよね。

「持ちつ持たれつ」の気持ちを持ってね。

お店の店員さんに、高慢な態度で接する人がいるけど、あれも避けたいよね。「こっちは客だぞ!」って偉そうな態度で注文やいちゃもんをつける。あれは周りで見ていても見苦しいよね。

小売店のお店に入店するときの話だけど、店に入るとき「こんにちは〜」って言う?日本だと言わないのが普通だよね。

欧米文化だと、自分がお客であっても店員に「こんにちは!」って言って入店するのが一般的なんだってね。試しにこの前のハワイ旅行で、小売店に入るときの様子を観察してみた。

・アメリカ本土からっぽい観光客…店員さんに「Hi!」って目を合わせて入店。ひと通り見て何も買わないで店を出るときにも、「Thank you! Bye-by!」って店員さんとコミュニケーションをはかっていた。

・日本人観光客…何も言わずに無言で入店。もしくは仲間内での会話のまま。店内を物色。何も買わないで店を出るときにも無言で退出。店員さんとは結局、目を合わせず終い。店員さんとのコミュニケーションは無しと言ってもいい。

これって、日本の文化なのかな…。店員は、会話がなくてもお客の気持ちを察する。

本当に興味がありそうなお客と冷やかしの客を見極め、興味がありそうなら声をかけて接客をする。

会話をして、そこからいろんなニーズを引き出す接客が当たり前の欧米人からみたら、もしかしたら奇術的な接客の技能なのかもしれないね。

ただ、日本本来の接客って、本当にこんなだったのかな?

40年くらい前、まだスーパーやコンビニがなかった時代。ものを買いに行くには、近所の商店街へというのが主流だった。

そこに買い物に行こうものなら、それこそ「いらっしゃい、いらっしゃい!今日は◯◯が安いよ。そこの奥さんどう?こんばんのおかずに◯◯は?」なんて声が飛び変わっていた姿が目に浮かぶよ。そこには明らかにコミュニケーションは存在していた。

ファーストフード店やスーパー、コンビニができてきてからかな?!

店員さんがいつも入れ替わり立ち替わりのスタイルになってから、人と人との繋がりでそのお店に行くというよりも、便利だからとか安くて手軽だからで、それらのスタイルのお店に人が大量に流れるようになった。

時代の流れといえばしょうがないんだけど、それによって接客のスタイルが大きく変わったことは確かだよね。

接客はマニュアル化され、余計なことは言わなくても、黙っていてもものは買われている。ものが買われるような陳列の仕方やパッケージがされているから。あとはそれを的確にさばくだけ。物の売買に有り難みが薄れてしまったように感じるのも、そんなところからきているのかもしれない。

コンビニでの接客スタイルが、オフィスにまで持ち込まれると、これは大変だ。

・挨拶はするけど気持ちが入っていないお座なりなやりとり。

・相手への依頼、受け取りも表面的なやりとり。もしくはメールでのやりとりのみで完結し、相手の顔が分からずじまい。 

 →ロボットが相手でも気づかないかも?!それでも対応が早ければそっちの方がいいのかもね?!

・一日にコミュニケーションをはかったのは、ランチタイムの1時間だけ。それも仲良しの同僚とだけ。

こんな便利優先でのコンビニ職場、君ならどう思う?オレは正直嫌だなあ。人して扱われているのか正直疑問に感じるよ。

やっぱ、取り引き先との関係も、業務での相手の関係もそうだけど、人対人だと思んだよね。◯◯さんだからお願いしたいと思うし、◯◯さんがこれをやってくれたから、◯◯さんに面と向かって感謝しようって気持ちになると思んだよね。

それが、顔が分からない人とのやりとりなんて、なんか気持ちが入らないし、有り難みが薄れてしまう。

さっきのハワイの話に戻るんだけど、自分自信でコミュニケーションを実践してみたんだ。小売の店舗に入るときには、店員と目を合わせて「Hi!」や「Hello!」を伝える。声掛けられたらきちんと応じる。何も買わなくてもお店を出るときには「Thank You」と伝える。

これをやるだけでも、とっても気持ちがいいもんだということに気づいたんだ。こんな些細なことでも、自分の存在を相手に伝え、相手の存在をも尊重したことになるんだと感じた。

あるアロハシャツのショップでは、店員さんがとてもフレンドリーだったので、妻と娘を交えて会話をしたところ、その店員さんにも娘がいるということで話が盛り上がった。シャツ自体も気に入ったので、オレのシャツと親父への土産、それに妻のワンピースも買ったんだ。決して安い買い物ではなかったけど、いい買い物だと思ったし、そのときは心からの「Thank You」が口から出てきたよ。

泊まっていたホテルのショップだったから、いつも顔合わせてする仲にまでなっていたね。

普段の業務でも、相手を立てる気持ち、「持ちつ持たれつ」の気持ちは忘れないでいたい。

そういう気持ちで接していれば、相手にも伝わるものだと思うし、それで良い気持ちになってくれれば、周りにも伝染するものだと思うんだ。
fin.


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