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次世代の「人間関係」
人生の悩みは,お金・健康・人間関係と言われる.
真実はさておき,これらに悩まない人は珍しい.
お金に困ると「生活」が苦しくなる.
健康に困ると「身体」が苦しくなる.
人間関係に困ると「心」が苦しくなる.
今回は「人間関係」に焦点をあてる.
私が言うまでもなく,同じ人間はいない.
人間関係も千差万別である.
どこかに「魔法の鍵」はないのだろうか.
この記事の目的はたった1つだ.
" 人間関係のエレガントな解決法を示すこと "
無謀な試みだと百も承知であるが,
誰かの役に立つなら挑戦する価値はある.
今回は「極めてシンプルに」書こうと思う.
憂鬱な日常
人間関係に不満があるとストレスを感じる.
まずは,良くある事例を見てみよう.
「あの人は好きになれない」
誰しも「好き嫌い」がある.見た目,性格,
立ち振る舞いや発言に至るまで何かにつけて
好印象な人もいれば,癪にさわる人もいる.
「この人は苦手だな」と思い始めたら,
なかなか印象は拭えない.嫌いな相手と
仕事,家庭,コミュニティで一緒にいると
どことなく苦痛を感じる.
「どうして理解してくれないのか」
良かれと思って言葉をかけ,何かをしても,
相手に伝わっていないとやるせなさを感じる.
そんな相手に不満が募り,憎らしくなった
経験は誰にでもあるはずだ.
「迷惑をかけられている」
気持ちの問題もさることながら,
実際に迷惑をかけられていることもある.
どうしてそんなことをするのだろうかと,
怒りや悲しみを抱えて生きるのは辛い.
人間関係の本質
ここから少し思考を深めてみよう.
人はなぜ関係性を持つのか?
あなたはなぜ,人と関わるのだろうか.
よくよく考えてみてほしい.
「人と関わるのが楽しいから」
「相手がそれを求めてくるから」
「事情があって仕方がないから」
いろんな理由が考えつくだろう.
どれも真理だとは思う.
私にはその理由を否定できない.
認知科学の「答え」
この難問に科学の立場から
答えを出してみようと思う.
認知科学とは「心の科学」だ.
その知見から一つの答えが導ける.
" 人間関係はゴールの結果である "
順を追って説明していこう.
幸せの本質
人間関係がないと幸せになれない,
そう考える人は少なくない.
実際,それを裏付ける研究はある.
そのこと自体は否定しない.
ただ,どんな関係性でもいいわけではない.
実は,幸せには別の見方がある.
「 幸福 = 変化量 」
話が長くなるので詳細は割愛するが,
これは科学的に根拠がある.
関心がある方は調べてみてほしい.
ただ,経験則からわかると思う.
出会った頃は新鮮で楽しかったのに,
今やすっかり慣れてしまった.
恋愛に限らず,誰しも身に覚えがあるだろう.
認知のカラクリ
もう一つ,認知科学の視点からお伝えしたい.
「ゴール」についてだ.
簡単に言えば,夢や目標のことだ.
( 正確には違うが今はその理解で構わない )
充実した人生を幸せと感じる人は多い.
先ほどの「 幸せ=変化量 」を思い出してほしい.
欲しかったものを買っても,
理想の職業に就いたとしても,
いつかは慣れて当たり前になってしまう.
漫然と変わらない日々に「幸福感」はない.
ゴールに向かうと自然と変化が生まれる.
今のままでも達成できるのなら,
ゴールとは呼ばないだろう.
だから,変化が生まれる.
だから,張り合いが出てくる.
心から望むゴールなのだから当然だ.
人間関係の「盲点」
ここまでの話をまとめると,
" 人間関係はゴールの結果である "
と言った意味がわかると思う.
人間は幸せを追い求めるものである.
豊かな関係性は,幸福感を与えてくれる.
だが,私たちは「変化」に喜びを感じる.
つまり,お互いが前向きに変化することを
尊重する関係性でなければ幸せになれない.
だから,ゴールが「人間関係の鍵」なのである.
それを認知科学の視点から伝えたい.
話としてはシンプルではないだろうか.
経験的にも納得できるのではないかと思う.
意外なことに,人間関係に悩むとき,
ゴールが「盲点」になっている人は多い.
対症療法の限界
さて,原理原則がわかったところで,
人間関係の処方箋を探しにいこう.
ストレス解消
何事にも対症療法と根本解決がある.
まずは「対症療法」から見ていこう.
もし,人間関係に悩みを抱えているなら,
ストレス解消は立派な対症療法になる.
溜まった分のストレスをコンスタントに
解消できるなら何とかやっていけるだろう.
余分なリソースは必要になるが,
波風を立てずにやり過ごせるかもしれない.
強引な関係解消
問答無用でとにかく関係を切る方法も,
一定の効果は期待することができる.
時にはそれが必要なケースもある.
あまりに状況が思わしくない場合には,
この選択肢があると忘れてはいけない.
だから,この方法を対症療法に入れるか,
私としてはかなり悩んだ.
だが,あえてこちらに分類した.
ある人との関係を強引に解消しても,
人間関係の基本原則が変わらなければ,
同じことを繰り返すリスクがあるからだ.
基本原則というのは「自身のマインド」だ.
内面からの変化は永続するのである.
対症療法は,基本的にこの2つだと思う.
それでは,根本解決に進もう.
根本解決のススメ
私としては,こちらをお薦めしたい.
根本解決は人生を豊かにするからだ.
ゴールを設定する
根本解決の第一歩は「ゴールの設定」だ.
往々にして,人間関係に悩んでいるときは,
ゴールが正しく設定されていない.
自分が心から望むゴールであり,
誰に止められても目指したいものだ.
急にそう言われても困るかと思うが,
既にお伝えしたようにここが出発点なのだ.
趣味でも仕事でも家庭でも何でもいい.
とにかく自分の心に嘘偽りのない,
今のままでは達成できないゴールだ.
健全な関係にはこれが必須なのである.
自分のゴールにまっすぐに向かわないと,
他人にもたれかかってしまうことになる.
私にも苦い経験がいくつもある.
家庭でも,友人でも,仕事関係でも,
人間は巧みに「依存」をつくる.
関係のつくり方を改善する
あなたのゴールは設定できたとしよう.
本来はコーチングなどを活用しながら,
半年くらいかけて取り組むものだが,
ひとまず設定できたと仮定する.
次に取り組むべきは,関係性づくりだ.
あなたにゴールがあるように,
相手にも心から望むゴールがある.
お互いの目指すところを踏まえて,
無理や我慢のない関係性をつくるのだ.
色々なポイントはあるのだが,
最も強力な方法だけお伝えしておく.
「抽象度を上げる」である.
抽象度とは,視点の高さのことだ.
犬よりも哺乳類,哺乳類よりも動物の方が,
より抽象度が高い視点だと言える.
最近は一般用語になりつつあるので,
聞いたことがある方も多いだろう.
自分のゴールと相手のゴールは,
一致しないことの方が多い.
人間はみんな違うのだから当然だ.
だから,抽象度を上げて一致点を見出す.
卑近な例でいえば,食事をする時に,
肉と魚で食べたいものが割れたとしよう.
ならば,「どちらも出てくる店」を探すのだ.
抽象度を上げれば一致点を見出せる.
どうしても合わなければ別々に食べればいい.
関係性は無理に保つものではない.
抽象度というと高度に聞こえるが,
ゴールでこれと同じことをすればいいのだ.
これが「人間関係のエレガントな解」である.
次世代の人間関係にシフトする
極限までシンプルに説明を試みたが,
これが「次世代の人間関係」である.
意識さえすれば,できる気がしないだろうか.
これを「次世代」と言うのには理由がある.
実は,この記事の内容は,認知科学に基づく,
最先端のコーチングで伝えているものだ.
より正確には「認知科学以降の」だ.
そして,この知識はまだ社会に広がっていない.
不思議に思ったことはないだろうか.
なぜ社会でこれほど人間関係の問題が
いたるところで起こってしまうのかと.
答えは簡単である.
ゴールを設定していない人が多いからだ.
心から望むゴールに向かっていないと,
どんな人間関係もストレスに感じる.
自分が我慢して犠牲になっている気がするのだ.
だから,家庭内不和が起きる.
だから,子育てにトラブルが生じる.
だから,職場で嫌な空気が流れる.
旧世代の関係性は,呪いのように続いていく.
私はそれを断ち切りたい.
その方が生きやすい社会になる.
ここまで真剣に読んでくれた方は,
共感してくれたのではないかと思う.
あなたの人間関係がゴールにつながる,
豊かで幸せなものであることを願う.
// コーチングの理解を深めたい方へ