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「やらされ感」からの脱出
「やらされ感」がパフォーマンスを下げる
組織の中で働いている人の多くは、「やらされ感」と日々闘っていると思います。目の前の仕事にあまり前向きにはなれないけれど、上司からの命令だから、もしくは上司を通じて伝えられた組織の目標があるから、なんとか気持ちを奮い立たせて頑張っているというのはよく聞く話です。
そんなちょっと中途半端な仕事への向き合い方でも、それなりに成果を上げる日本人は凄いと思います。でも、やはりそれは一人ひとりが本来の能力を十分に発揮したものではありません。
人は自分がやりたいと思うことを思う存分にやっている時に一番能力を発揮します。「仕方なくやっている」「やらされている」「やらないと罰せられるからやっている」「イヤイヤでもやれば、お金がもらえるからやっている」というのでは、最大限のパフォーマンスには決してなりません。
職場で「皆がやりたいことだけやっていたら、仕事が回らないだろう」と言いつつ、「一人ひとり潜在能力を発揮して、会社の売り上げに貢献しよう!」と言うのは矛盾しています。やりたいことが出来ないなら、パフォーマンスは上がらないのです。
「やらされ感」は会社の構造的問題?
会社では、多くは幹部が決めた方針に従って事業が構想され、予算を付け、組織を作り、人を配置します。その時集められた人の中には事業構想の段階から参画していて、自分がやりたいことを事業計画にある程度反映出来た幸運な人がいるかもしれませんが、大半の社員は人事発令により、事業の趣旨もよく知らされないまま異動させられます。すると、中には「やらされ感」いっぱいで仕事に取り組む人も出てきます。
さて、会社と社員の双方にとって困ったことになりました。社員にとってはイヤイヤ仕事を続けるのは苦痛ですし、会社にとっては「やらされ感」が充満していてはパフォーマンスが上がらないのですから、計画通りに事業を発展させられるかどうかが心配です。
会社のビジョンを共有してみる
この時、まず会社側ができる事は、その事業が売上以外に何を目指し、世の中にどんなインパクトを与えたいのかを社員一人ひとりと共有することです。会社のホームページなどでよく見る「ビジョン」という言葉に近いかもしれません。ただし、それは本音ベースで表現されたものでなければ、社員を動かす事はできません。コピーライターがただ綺麗な言葉で表現しただけのビジョンでは意味がないのです。そうではなく、うそ偽りなく、会社がその事業を通じてどう社会に役に立っていくのかをビジョンとして表現し、社員一人ひとりがそれに共感すれば、シンプルに「やりたくてやる」仕事になるはずです。やりたくてやるのだから、「やらされ感」が発生するわけがありません。
さらに社員にしてみれば、会社からビジョンが提示されれば、自分の大きな人生のゴールを見つめ直すタイミングになるでしょう。自分の複数あるゴールに向かって行く過程で、その事業に自分が関わることがゴール達成にプラスに働くなら、当然ビジョンに共感しやすくなるでしょう。
「やらされ感」は自己評価を下げる
ところで、「やらされ感」が問題なのは、パフォーマンスが下がることだけではありません。それ以上に悪いのは、「本当は嫌なのだけれど、お金や立場のことを考えたら、やる以外に選択肢がない」という状態を続けることで、自分自身の価値に対する自己評価(セルフ・エスティーム)を下げてしまうことです。自分に自由な選択肢がなく、自ら状況を変えることが出来ない、または他人が決めたことに従い続けるしかなく自己決定権がないという感覚が無意識の中に染み込んでしまいます。
自分に選択肢がないということは、自分ではどうすることも出来ないということを意味します。それで、「自分は大した人間ではない」という低い自己評価を無意識に刷り込んでいってしまうのです。その結果、人生は自分の力で自由に切り開いていけるという自信が失われます。
会社と社員とやりたいこと
自己評価を下げたのでは、仕事も仕事以外のことも上手くいかなくなってしまいます。そもそも本来は一人ひとり無限の可能性を秘めているのですから、職場の「やらされ感」を感じ続けることをきっかけにして、自分で自己評価を下げることがないように気をつける必要があります。
だから、どんな職場でも、社員一人ひとりの「やりたい」という思いと、会社の目指すところをいかに上手く折り合いをつけていくのかが重要なのです。
以下の3つの記事がを読むと、より理解が深まると思います。
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