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やろうとする決意を邪魔するもの


やろうとする決意を邪魔するもの

何かをやろうと決めたにも関わらず、なかなか着手できなかったり、始めてはみたけれど長く続かなかったりということがよくあります。

何が原因で、こういうことが起こるのでしょうか。

まず、そもそも心からやりたいと思ったことだったのでしょうか。どれくらいそれをやることに気持ちが動かされていたのでしょうか。

もし最初からたいしてやりたいと思っていなければ、やる必要があるかどうかも疑問ですし、やったことで得られる利益やプラス面が、やらないことで生じる不利益やマイナス面よりも相当程度大きくなければ、やる意味はありません。

一方で、心からやりたいことだったとしても、頭の中で何かが邪魔をしていることがあります。

その邪魔をしているものの一つは、あなたのブリーフシステムです。

ブリーフシステムを吟味する

ブリーフシステムというのは、あなたの常識やモラル、無意識に行なっている判断などのことです。生まれてから大人になるまでの間に、自分の経験から学んだことや、親はもちろんのこと、周囲の大人やメディアなどから聞かされたことを受け入れた結果、出来上がった信念のまとまりのことです。

よく「色眼鏡で世の中を見る」と言ったりしますが、誰しも多少は偏った見方を持っています。あなたの色眼鏡は、あなたのブリーフシステムを反映したものと言えるでしょう。

人は自分と似通った者同士で集まる習性がありますが、その集まった集団の中では通じる価値観や物の見方が、他の集団では全く通じないということがあります。いま居る場所では、自分のブリーフシステムは普通だとして認識されても、他の場所では必ずしも普通ではないのです。

「やりたいこと」について言えば、自分のやりたいと思うことが、自分がいま所属する集団内では歓迎されず、他の集団ではとても前向きなこととして歓迎される場合があります。

例えば、よく日本とアメリカの文化の違いとして語られることですが、アメリカではチャレンジした結果、たとえ失敗したとしても、失敗した事さえポジティブに受け取ってくれる人が大勢います。一方、日本ではたった一度の失敗が、一生涯、その人に対する失敗者という評価に繋がってしまうことがあります。同じ失敗でも、二つの文化圏で捉え方が真逆なのです。

このように、地球上には「やりたいことにチャレンジする」ということに対してさえ、両極端とも言える物の見方が存在します。日本人もアメリカ人もどちらも同じ人間であって、それぞれの国で普通に生きている訳ですから、この地球上に住む生き方としては問題ないわけです。

それなのに、日本人としては標準的な自分のブリーフシステムに固執していると、別の生き方はあり得ないものとして、アメリカ人には普通と思われている物の見方や考え方の存在自体を拒絶してしまうことになりかねません。

こんな風に自分の可能性を狭めてしまわないように、自分のブリーフシステムがどうなっているのかを一度よく確かめてみましょう。そして、自分が重要だと思っていることが人類普遍の尊重すべき事柄なのか、はたまた日本人としては誇りを持って守るべき価値観なのか、もしくは、自分が所属する集団内だけで尊重されるルールや常識に応じたものなのかは、よく吟味する必要があるでしょう。

「やりたいこと」に限らず、どんなことについても、また、国という括り方以外にどんな集団やグループに居ても、何か窮屈に感じるようになって来たら、必ずしもそこに留まる必要はなく、現状の外側に飛び出すという選択肢があると知っておくことが大切です。

臨場感を上げてエフィカシーを高める

次に、確かにやりたいことだし、自分のブリーフシステムも邪魔をしていないようなのに、今一つやる気が出てこないなら、それはエフィカシーが低くなっているのかもしれません。やりたいことがあっても、自分にそれが出来る能力があると思えていないのです。

エフィカシーを上げるための前提として、そのやりたいことに対して、実際に現在進行形でやっているという感覚や、やり遂げようと日々工夫している様子など、今まさに経験しているかのようなリアルな感覚を持てるだけの情報を持っているかを確認してみてください。何となく人から聞いた程度の情報では、行動を起こせるくらいのエネルギーを生み出す臨場感が出て来ません。臨場感がなければ、そもそも「私には出来る!」と思えないのです。

例えば、パラグライダーで空を飛んだことのないあなたが、パラグライダーの上級パイロットである友人から、1日飛行体験プログラムに誘われた時のことを考えてみましょう。

あなたは、自分が飛行機以外で鳥のように空を飛べるだなんて、想像したことはありません。聞きかじった情報では、飛行用の翼(キャノピー)以外にいざという時のためのパラシュートが小さくまとめられて背中の位置に付いているようですが、緊急時に自力でパラシュートを開けるとは思えず、よってパラグライダーはとても安全と思えないので、全く乗り気ではありません。

でも、その友人があなたに、離陸する時の体がぐっと上方に引き上げられる爽快な感覚、空を悠々と鳥と一緒に飛んでいる様子、風に乗って自分の思うところに自在に移動できること、上空から眺める景色の素晴らしさなどを、とても楽しそうに説明してくれるのを聞いているうちに、自分もやりたくなって来ました。

自分がいま実際にパラグライダーで空を飛んでいる様子を思い浮かべ、友人の楽しいという気持ちまでが乗り移ったのか、そのせいで臨場感が上がってしまったのです。さらに友人にもできるくらいなのだから、「私にもできそう!」と思ってしまったようです。

このように、頭の中で映像化できるくらいの情報や知識があれば、臨場感を上げることができます。

だから、今一つやる気が起こらないなら、自分がそれをやって楽しんでワクワクしているイメージが作れるくらいに、まずは情報を集めて、知識を蓄えてください。

そして、自分がいま現在進行形でやっているくらいの臨場感が得られれば、やるに際してのその他の障害は、もう小さな問題になっていると思います。

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