未経験の僕が仕事を辞めて学習塾を開校する話。その8ー仕事を辞めるまでにしとくこと/小規模学習塾の開業お手伝いします。
仕事を辞める話
仕事を辞めるまでにやっておいた方がいいことはたくさんあります。できる限り円満退職が望ましいですし,そうするためにはそれなりに時間を掛けて退職するのがgoodなので,並行して起業準備としてやれることをやっておける時間が確保できると考えるべきです。
僕が退職について話を上司にしたのはだいたい1年ぐらい前でした。
退職金の計算もしておいて,もらえるであろうお金とも相談しましたし,2~3年無収入でもやっていけるようなシミュレーションもしました。
そのあたりは慎重にすすめるほうがよかろうと思います。
いずれにしても元同僚たちとうまくやっておいた方が,なにかと都合はいいです。学習塾を始めてしまうと,大人とお話をする機会がびっくりするほど減るので,たまに対話ができる大人がいたほうが心も穏やかに過ごせます。
大人のロジックと子どもたちのロジックはかなり違うので,論理的な話し合いとか,ロジカルな手順でものごとをすすめたいと思うこととか,大人同士ならスムーズにすすむ会話も子どもたち相手にできるとは限らないので,そういう言葉のやり取りに飢えてきます。
そういうときに,ちょっとした会話ができる大人はできる限りたくさんいたほうが良いです。
ケンカ別れみたいな退職だとすれば,いったん頭を冷やして再考するほうがいいでしょう。勢いだけで学習塾始めるのは無謀だと思いますし,言っても人間どこでどう生きたとしても,気に入らないことの一つや二つはすぐに出てくるし,出てこなかったら出てこなかったで,自分で生み出したりするので,頭来て,やめてやらぁ,で辞めて,次の仕事探しても結局,本当の問題をクリアしない限り,おんなじ事の繰り返しなのは火を見るよりも明らかですからね。
これまでのまとめ
さて,僕の場合,元国家公務員で年収で言うと700万ぐらいもらっていました。
だから,単純計算して,何事もなく定年まで働けば額面7000万ぐらいはもらえたはずなので,学習塾を始めて,引退するまでの間にすくなくとも7000万以上の収入をあげなくては,辞めた甲斐はありません。
もちろん,お金以外にも得るものはあることは承知してますが,まぁわかりやすい指標として収入を用いれば自分を納得させやすいと思っています。
楽しいけれど赤字なんだよね。
では,僕は良くても,僕のわがままをきいてくれた妻や子どもたちに顔見せできません。
妻や子どもたちとした相談
僕が仕事を辞めるにあたっては,当然ですが妻と子どもたちと相談をしました。
当初,妻には数字を使ってしっかり説明しろ,と言われました。最低限,シビアに採算がとれるのかどうか,とれるとすればどれぐらいの時間が必要なのか,その間の生活をどうするのか,そういう現実的な話を根拠立てて話ができなければ検討に値しないというわけです。
それで僕は一通り資料をつくって,プレゼンしました。
事業計画は綿密に立てました。
それなりに説得力のあるプレゼンだったと思います。
けれども,これはあとから妻にきいた話なのですが,どうやら彼女は僕のメンタルを気遣ってくれていたようで,ストレス抱えて残り10年勤めるよりは,元気な内に死ぬまでできる仕事を探したほうがいいかもという想いもあったのだそうです。
確かにあの頃は気が滅入っていて,いろいろ人生の問題も抱えて,仕事もストレスフルで,嫌だなーと思っていたのは間違いないです。
そういう意味では
仕事辞めて1年半たちましたが,ストレスレスで快適です。
もちろん仕事なので,問題や課題は山盛り抱えています。難しい課題もありますし,モヤモヤすることだってあります。けれども,少なくとも信念に反するストレスを抱えることはありません。
矜恃に反して,無駄にエネルギーを増やすこともなくなりました。
大きな職場にありがちなストレスはゼロです。
自分がおかしいと思いながら,目の前で困っているひとをさらに困らせるような仕事はしなくて済むようになったのですから,これだけは本当に辞めてよかったと思います。
心の底からそう思います。
もしもあなたが本気で仕事をしたいと思っていて,今の職場でその夢が見られないと感じることがあれば,そのことについてしっかりと向き合ってほしいと思います。
学習塾を始める必要はありませんし,仕事を辞める必要もありませんが,なるべく早いタイミングで,そのことを誰かと話して下さい。できれば僕たちキャリアコンサルタントに相談してみてください。
相談というと何かを解決するための対話のようですが,解決するとかしないとかはどちらでもよくて,そのモヤモヤを抱えたままにしておくことがもしかしたら生産性を損なう原因になっているかもしれないからです。
そんなわけで,僕は仕事を辞めることを決めてから,1年ぐらいの間,情報収集をしつつ,資格をひとつふたつ取りつつ,退職を待ちました。
資格のこと
学習塾の開業には資格は不要です。
でもあったらいいなと思う資格はいくつもあります。
教員免許はあったほうがカッコがつきます。
いま先生やってる方は,圧倒的な強みになると思います。そのかわりの弱みももちろんありますが。
保育士さんとか,看護師さんとかの国家資格も圧倒的な強みになると思います。
国家資格の心理系資格も説得力があります。
臨床心理士,公認心理師です。
資格だけあっても仕方がない,なんてよく聞きますが,これらの資格はあると営業内容に幅を持たせられる可能性があるので,あるとプラスアルファになります。今取ることができる環境なら,とっておいて損はありません。いや得しかないでしょ。
でも,ないと困るか?と聞かれると
別になくても困りません。
高学歴でなくて困ったこともないし,低学歴だからできないってこともまったくないです。勉強を教えられなかったらダメってこともありません。
資格がとれるまで独立開業はストップしておこう,と思うならそれはもう別の問題です。資格取得は独立を阻む壁にはなりません。
勇気が出ないことを資格のせいにしてはいけません。今日できないことは,きっと明日もできません。どうあれ,成し遂げたいならチャレンジするしかないんですね。
強いて言うなら,ひとりで仕事して,喰っていくために必要なキラーコンピテンシーは,達者な口と,言葉にならない声を聴き取る耳。全体と先を見通す目のみっつですね。
学習塾に塾生を呼び込むために最も必要な能力は,子どもたちや保護者の心の声を聞くチカラです。そのために,目と耳と口はやっぱり大事というわけです。
なので,
辞めることを決めたら,資格とか能力向上とか,友だちとか,知り合いとか,そういう後から手に入れるのがたいへんなものを入手すると良いと思います。開業してから資格試験とかやってらんないですよ。
覚悟が決まったら,とりあえず辞めるって上司に言ってください。
言ったら楽になりますよー。
仕事をしないと生きていけないかもしれないけれど,それでも決して,仕事をするために生きているわけではないこと,忘れないでください。
続く。
ご相談DMください。