穏やかな心と持続可能な自分を取り戻す大切な癒やしとデトックスタイム/セルフコーチングのススメ
あふれる情報の取捨選択に忙殺され,その緩和のためなのか,効率化というスキルは人生の密度をあげるための必須の技術になりつつあります。
できるだけたくさんの情報を少ない時間で詰め込むために,エンターテインメントを最初から最後までゆっくりと楽しむ時間も惜しむひとが増えているとか。
あるいは職場や家庭での複雑な人間関係は,いったい何枚の仮面が必要なのだろうかと思うほどに表面的な付き合いを増やしています。SNSがまたそれを煽り,きらびやかな人間関係こそが一種のステータスであるかのように振る舞ってもいます。
職業生活を眺めれば,こなすべき業務は年々うなぎ登りに増え,マルチタスクは当たり前になっています。いったいコンビニエンスストアの店員はどれだけ多くのタスクをひとりでこなしているのでしょうか。
ストレスフルな日常が今やあたりまえの時代です。
適度なストレスは人生にはちょうど良いスパイスであり,ストレスのない生活が必ずしも幸せな生活ではありませんが,しかしそれでも現代人のそれはまるで手足を鎖で縛られて無理を強いられる酷い拷問のように各々の心にのし掛かるのです。
内省の時間を設ける
マインドフルネスが求められた背景には,そういった心のセルフケアや自分の癒やしがわずかでも必要なのだという,現代人ならではの悩みや不安がありました。
睡眠時間や他者との交流の時間を減らして仕事をしても,結局能率は上がりませんし,オンオフをしっかりを意識しつつ,必要に応じてリセットやリブートした方が動きが軽やかになることは,最新OSを搭載したパソコンでさえ変わらないことも,毎日使っているひとなら,誰でも知っていることでしょう。
トップ10%ビジネスマンは,一日のうちに,内省時間を必ず設けている人が多い,という調査結果にもあるとおり,自身が持つ情報整理や能力向上のための振り返り時間をつくることは刺激の多い現代生活においては極めて重要な要素であることに間違いはなさそうです。
内省時間は,振り返り時間であるとともに,自身の思考にこびりつく汚れのデトックスタイムでもあります。
自分自身のことを客観的に見つめることで,普段気に掛けてあげられない人生においてもっとも大切な人物,すなわち自分のことを労る,癒やしの時間となります。
こうしたことで,四六時中働き続けている脳にしばしの休息を与え,また明日の活力を得るための活性化にも繋がるのですから,内省時間を持たないことは,もったいないの一言です。
セルフコーチングで内省時間を
セルフコーチングは内省時間に使うのに最もふさわしいスキルです。
自身を客観視することは,すなわちセルフコーチングのコアですから,自己対話のスキルを学び,これを日々の内省時間に活かすことができれば,実に効果的に過ごすことができるでしょう。
セルフコーチングを内省時間として用いるには,まずは内省を習慣化するためにも,タイミングを決めてしまうことをオススメします。
ゆっくりと時間がとれるタイミングが良いので,僕は湯船に浸かる10分ぐらいの時間をそれに充てています。
習慣化するポイントは,「○○したらセルフコーチングする」というように,何か日常的に行うことや,発生する出来事をトリガーにしておくことです。そうすると,忘れてしまったり,抵抗感がでたりすることなく,自動的にセルフコーチングへ没入できて,習慣化しやすいのです。
簡単な振り返りは,一日を振り返り,継続すべき良かった点,止めるべき悪かった点,新しく始めるべき点をセルフコーチとの対話ですすめていく方法です。気に留めることなくただ流れていく一日の内容を,そうした観点で思い起こすだけでも十分な効果はあります。
その中で,気が付かなかったパラダイムや無意識にかけている制限を外すことができれば,大きな変化が起こります。
まずは,内省時間を設けること。
それを習慣化するように続けてみて下さい。