島根大学社会教育主事講習の授業を紹介します:教育経営学ゼミ
島根大学の社会教育主事講習で実施している「社会教育演習」の授業をご紹介します。
島根大学社会教育主事講習の「社会教育演習」(通称「ゼミ」)では、受講者の所属・勤務する現場を題材とした問題解決型学習(PBL:Project Based Learning)に取り組んでいます。ゼミは、受講者5名、講師2名程度の少人数で行い、受講者相互の学び合いや講師による丁寧な伴走を大切にしています。
この記事では、2022年度に実施した12のゼミの中から1つをご紹介します。
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2022年度に教育経営学ゼミのサポーターをさせていただいた八川将也です。
2021年度に学習者として教育経営学ゼミに所属していました。
今回の記事では、2022年度の教育経営学ゼミの様子や、2年間教育経営学ゼミに関わってみて感じていることを中心にご紹介させていただきます。
1. 教育経営学ゼミって?
教育経営学ゼミでは、『「学び」を促す条件を整えるために大人(自分)がどう変わるか』ということを大きなテーマとしてゼミを実施しました。
少し詳しくお話しすると…
学習内容や方法ではなく条件整備に焦点を当てる教育経営学の立場から、学習者の学習成果を高める外的条件(例えば学校と地域の連携体制やスタッフの成長など)をいかに整えるかを学習者と共に検討し、学習者が課題解決に取り組むことを行っています。
ゼミの進め方としては、
① 学習者個々のテーマや実践を通して感じたこと等を話題提供してもらい、サポーター含むゼミのメンバー全員で問いを立て合いながら (気になるところを質問しながら) 検討していきます。
② 話題提供に対して投げかけられた問い (質問) に答える (言語化する) ことで、自らの実践を振り返ります。
③ 次回の話題提供までに、ゼミでの学びを活かしながら、どんなに小さくてもいいので実践をしてみます。
2022年度も、教育経営学ゼミに所属する学習者の方々の現場での実態 (トライ・困り感・難しさ)を共有し、仕事で関わる組織の体制面や実態を捉えながら、ゼミ内で意見を交わして次のアクションを考えていくことを繰り返し行いました。
2. ゼミでの印象に残っている出来事 / 魅力
教育経営学ゼミに2年間関わらせていただいて印象に残っていることは、『サポーター含むゼミのメンバー全員で学びをつくること』をゼミ内で体現していることです。
学習者として、そしてサポーターとして、自分自身が教育経営学ゼミに関わった2年間とも、ゼミのメンバーには多種多様な方々が集まっています。
教育経営学ゼミの時間の中では、多種多様なメンバーが集まっているからこそ、それぞれの立場からの見方や考え方を働かせることができます。そして考えが及ばないような視点で立ちかえり、現在仕事(現場)でどんなことが起きているかを俯瞰的に捉えて次のアクションを見出していくことができます。
何度かオンライン上で話を重ねたあとに実施された対面でのゼミでのディスカッションの中では、他のメンバーの実態も「自分ごと」と捉え、問い(質問)を出し合いながら深めていく姿が印象的でした。
多種多様なメンバーが関わり、つながり、本気でゼミのメンバーの現場(仕事)について考えていく時間が生まれるのが教育経営学ゼミだなと感じています。
それぞれの現場(仕事)の実態や実践について話し合っていく中で、自身の現場(仕事)に生かせることを得たり、自身の在り方を見つめたり・・・
教育経営学ゼミのメンバーのそれぞれの立場や強み、見方や考え方を活かしながら、現場(仕事)について模索し、深めていく。
ゼミのメンバー全員で学びをつくり、一緒に高めていく雰囲気が生み出されることが魅力だと感じています。
3. 終わりに
2022年度の教育経営学ゼミでは、ゼミの紹介をする際に下記のような方々にゼミのオススメをしていました。
このゼミのサポーターとして関わった自分自身も、ゼミ内に集まった学習者の方々と時間を過ごす中で、①自身の現場を長期的な視点や短期的な視点で分けて捉えてみることや、②どこに働きかけ、どんな人を巻き込むと面白くなるか考えることを大切にしたい、と学ばさせていただきました。
オススメした自分自身もたくさんの気づきをいたただき、一緒に学びを創っていったゼミの皆さんにたくさんありがとうを伝えたいです。
島根大学の社会教育主事講習が終わっても、またどこかで会おうと言って最後を迎えられたり、現在もSNSなどを通じて関わり合えたりして嬉しい限りです。
今後ともよろしくお願い致します!!!
R4年度 教育経営学ゼミ サポーター
益田市立豊川小学校 社会教育コーディネーター
八川 将也