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【採択企業紹介】独自の教育プログラムと自走型DXエコシステムで中小企業のDXを推進する株式会社セラピア
本記事では民間事業者の先進技術を活用し、福井県内で課題解決に向けた様々な実証実験を実施する「CO-FUKUI未来技術活用プロジェクト」2024年度において、多数の応募の中から厳正な審査を経て最終的に採択された企業について紹介します。
福井県では、労働人口減少に伴い、DXによる中小企業の生産性向上が急務となっていますが、日本企業のDXは導入されても十分に活用されない状況にあり、中小企業基盤整備機構によると、中小企業がDXに取り組めている割合は3割程度と留まっているのが実情です。
そこで、今回の採択企業の1社である株式会社セラピア(以下、セラピア)は、独自に培ったノーコード技術を活かしたDX人材育成ノウハウと自走型DXエコシステムを活用し、この課題の解決に取り組みます。
セラピアが提案する実証事業の詳細について以下でご紹介いたします。
ノーコードの技術で、従業員による社内DXを推進する株式会社セラピア
社会人教育事業(DX人材育成)を行っているセラピアでは、企業の従業員向けに、短期集中でシステム開発人材を育成するサービスを行っています。独自に培ったノーコードの技術を活かすことによって、従業員が自らITツールを作り、自社のDXを推進できるプログラムになっています。墨田区との実証実験では、非IT職の従業員でもITツールの開発に成功したり、社内向け発表会などを通じて社内でDX化に前向きな社員が増えるなどの実績も出ています。
労働人口減少で求められる中小企業のDX化
労働人口が減少する福井県ではDX化による生産性の向上は急務であるものの、全国的に中小企業のDX化は取組み自体が少ない上に成功率も低いというのが現状です。
DX化が進まない理由は様々なものがありますが、中小企業の場合は①独自オペレーションが多いため、既存のツールが合わない、②身近にDXを導入する他社事例 が少ない、③ITスキルのある人材がいない、など情報や技術の不足に起因する要因が大きく占めています。
従業員によるDX推進と他社普及への取り組み
セラピアは福井県の抱える課題に対して、①2ヶ月で従業員が自らITツールを作り自社のDXを推進するようになる独自の教育プログラムと②技術習得した中小企業が他社に教える「自走型DXエコシステム」、という2つの手法で取り組んでいます。この取り組みは、教育プログラムによってDX化が可能な人材を増やし、その人材が他社のDX化をサポートすることで福井県全体にDX化を波及させることが狙いです。
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実証内容の詳細
福井県内の中小企業のDX化に向け、まずは1社への支援を通じて社内DX人材の育成と内製化の自走を目指しています。
今回は、ふくい産業支援センターの支援によってマッチングした株式会社五目亭(以下、五目亭)のDX化を進めています。まずは2か月間のノーコードツール利用方法を習得するための教育プログラムの中で、飲食店を経営する同社の衛生管理業務をサポートするITツールの開発中です。今後は、DX化を達成した五目亭のスタッフが講師として、他社のDX化をサポートしていくことで、「自走型DXエコシステム」の構築を目指します。
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株式会社五目亭のDX化への取組状況(10月末時点での途中経過)
五目亭は、紙で日報を管理し、本部とのやり取りはFAXを使用しており、印刷・バインダーへの保管・紙からエクセルへの入力と工数が多くバックオフィスの負担が大きかったためDX化を検討していました。当初は、既存のITツールの導入を検討していましたが、自社のオペレーションに合わないため導入には至らないという状況が続いていたところにふくい産業支援センターの紹介でセラピアによる教育プログラムを受けることとなりました。
同社は「現場に即したアプリを構築し、カスタマイズできることに満足しており、紙ベースだった新人教育やHACCP(ハサップ)のチェックリストなど様々なことへの応用に活用ができそう」と途中経過の感想を述べています。また、自走型DXエコシステムに関わっていくことに関しても「同業者に対してお金をかけなくてもDXが出来るという点を伝えていきたい」と前向きなコメントをしていただいています。
直近の取り組み
9月9日にキックオフMTGを開催し、研修がスタートしています。11月26日にふくい産業センターにて予定されている成果報告会にて、実際に開発した衛生管理チェックリストをITツール化したものを報告する予定です。