ハーベスティングの車窓から ~ビジュアルプラクティスの入り口@京都レポ~
はじめまして。この記事を書いている「ぶん」と申します。
みなさんは、「グラフィックレコーディング(グラレコ)」や「グラフィックファシリテーション(グラファシ)」という言葉をご存じですか?
人と話し合うとき、心をこめてお誘いするとき、じっくり対話するとき…。
私たちのまわりには、隣り合う誰かと共に、何かに向かってはたらきかける場面がいくつも存在しています。
その時に、まだ言葉になっていないイメージや思考や、目には見えない感情、気持ちなどを、絵や文字、図解、体の表現など、さまざまな手段で「見える化」してみる。
すると、より伝わる。方向性が見えてくる。より意味が通りやすくなる。そんな経験をしたことはありませんか。
このような「ビジュアライズ」を使って、その場に必要な「見える化」を活用する実践者を「ビジュアルプラクティショナー」と呼んでいます。
このnoteでは、ビジュアルプラクティショナーがどんな実践をしているの?
なぜ、ビジュアライズに取り組むの?と、日々探求するビジュアルプラクティショナーの様子をお伝えしていきます。
さてさて、少し時期はさかのぼりますが、
2023年4月22日、京都市内で「ビジュアルプラクティスへの入り口」という、1DAYワークショップが開催されました。
今回のワークショップは、その名の通り、ビジュアルプラクティスの入り口を体感しました。その様子を、この記事でちょっぴりお伝えします。
ではでは、さっそくレポを…と書く前に、このワークショップを語るには知ってもらいたい背景や関わる人々をお伝えさせてください。
共創型ビジュアルプラクティショナー養成プログラム
実は、このワークショップは「共創型ビジュアルプラクティショナー養成プログラム(以下、共創VP)」という連続講座の中の、その名の通り「入り口」としてのワークショップです。
4月22日の1DAYワークショップのみの受講もできますが、さらに学びを深めたい方は、この養成プログラムを続けて受講していきます。
共創VPには、参加者や講師、講座を運営面で支える「オーガナイズチーム」、そして学びを収穫する「ハーベスティングチーム」というメンバーで構成されています。
ハーベスティングチームってなに?
また不思議な言葉が出てきました。「オーガナイズチーム」は事務局とか、ロジ周りを支える人というのはイメージできそう…では、「ハーベスティングチーム」とは?
「ハーベスティングチーム」は、「ハーベスティング」を学ぶために参加しているメンバーで、共創VPの純粋な参加者でも、講師でもない立場で共創VPに関わっています。
どんなことをするの?というと、こういったことをしていきます。
私たちのチームは、6人の仲間たちでつくられていて、参加者の皆さんの学びがより充実した形で収穫されるように、どんな形で収穫するか、どんな風にお渡しするか、日々楽しく悩んでいます。
そして、このnoteはハーベスティングチームが一つの収穫の形として作っています。
前置きが長くなりましたが、今回のレポートは、ビジュアルプラクティスの入り口に参加した方がどんな体験をしたのかをお伝えするとともに、
コミュニティ、地域、あるいは社会で繋がっている皆さんの、何かの気づきにもなるかも知れない種として、noteという場を使って発信します。
今回のワークショップは、
というCalling Question(呼びかけ)にピンと来た方たちと一緒に、共創/場づくりのフレームワークのインプットや、参加者同士の対話を通じた気づきの収穫、発散と収束を繰り返しながら、問いに向かって対話するプログラムが実施されました。
どんなことをやったの?ざっくり概要
では、実際にどんな場が開かれたのか。こんな場が開かれました。
・チェックイン-あなたの普段の実践はどこですか?
普段のあなたは、どんな実践をしていることが多いですか。
Lead-導く/率いるような立場で、Follow-見守る/支える/サポートする立場で。Visualize-描く立場で、Facillitation-場を進行する立場で。
四事象にして、ご自身のいる場を考え、近い人とどんな場なのかをシェアしました。
・複雑な社会を歩く~ケイオディック・パス、四相の実践から~
私たちが普段暮らしているコミュニティ・社会では、管理的に、統制的になっている場面もあれば、どうなるか分からないことにチャレンジする場面など、さまざま。
そして、それぞれの場面を自分でコントロールできるようにするためには、自分の中にあるコンパスがどこなのかを知る必要もある。
あなたは普段どこにいますか。心地よく過ごせる場面はどこですか。どんな風に、それぞれの場面を歩んでいきたいですか。を一緒に考えました。
・ストーリーテリング-今の活動を続けている理由は?
実践するというのは、楽しさや発見だけでなく、時には苦しさや孤独を感じることも。
それでも、今の活動を続けている理由は?何があなたをそれほどまでに駆り立てているの?
そんな問いから、3人一組になって、話す人、聴いて受け止める人、聴いて描きとめる人という役割を持って、各々の好きな場所でストーリーを味わいました。
・グループダイアログ-あなたにとって共創とはどのような場ですか?
ストーリーテリングでお互いのストーリーを味わった後、自身にとっての「共創」についてみんなで話す、グループダイアログが開かれました。
そこにはグラフィックファシリテーションの手法が用いられ、みんなで話しながら、目の前で情景がありありと現れていきました。
・全体ダイアログ-私たちの実践が2000%発揮した時、どんな社会ですか?
3人で、グループでと対話を重ね、今度は参加者全員で「私たちの実践が2000%発揮した時、どんな社会ですか?」という問いに向かってダイアログをしました。
最後には、ダイアログの中から、ご自身に響いたところ、大切だと思ったところをさらに書き込み、この場のみんなの思いが載ったグラフィックが生まれました。
たくさん考え、共にたっぷりと一日を過ごしてきた私たち。
最後にはチェックアウトの前に、一人で今日この時間を味わいなおし、静かに見つめる「ソロウォーク」の時間をもらって、一人ひとり内省しました。
・チェックアウト-ビジュアルプラクティスには、どのような可能性があると思いますか?あなたが探求したくなった問いはなんですか?
最後には、ハーベスティングチームから、今回のワークショップを共に過ごしてきた私たちがどう見えていたのか、どんな場を一緒に過ごしたのかを振り返るハーベストバックがなされました。
そして、「ビジュアルプラクティスには、どのような可能性があると思いますか?あなたが探求したくなった問いはなんですか?」という問いについて一人で考え、一言ずつシェアし、この場が閉じられました。
ワークショップを共に過ごした私たちの発見
一つ一つのワークショップは、どれも「問い」がちりばめられ、きっと日常では立ち止まって考えるには時間が足りないような内容でした。
だからこそいま、立ち止まって、じっくりと考えるのだ。そんな気持ちが、参加者のお一人ひとりから声に発さずとも聴こえてきたような気がします。
たくさんのワークショップを体感し、ビジュアルプラクティスへの入り口に立った私たちには、こんな声が生まれてきました。
・どんどん変わっていく状況に自分の身を置いていたなあ
・host yourself は頑張らないとできないんだよね
・自分が知らない実践は、歩み方も分からない
・語り合うことで、想いがつながるね
・辛さを知っているから優しくなれる
・目的の純度さ、ピュアさって大事!!
・やりたいことが言えるのが当たり前になっていたら嬉しい!
・自分自身を改めて知るからこそ「やりたい事」を再発見できるね
・仲良くじゃなくてもいいかも。居心地が良い、とかでもよさそう。そうすすと、家庭や学校のありようが変わってきそう
・今自分はどのような場にいる?から、3人でダイアログをしてグラフィックにすることで他の人との経験と繋がりが見えました
暮らしや社会を支える仕組みや流れを知る。
その中で、自分がどうありたいかを知る。
自分のまわりの人たちが、どうありたいかを聴く。
そうすれば、お互いの在り方が変わってくるかもしれない。
そんな期待が生まれたような場になりました。
さいごに
ここまで読んでくださってありがとうございました。
ビジュアライズに挑戦していく皆さんの姿から、どんなことが受け取られたでしょうか?
一緒に共創したくなった!
自分も探求したくなってきた!
という気持ちの卵があちこちで生まれますように。
そんな願いをもって、今回のワークショップをレポートしてみました。
参加者の皆さんの実践は、今も続いています。
共創VPの実践の歩みも、ハーベスティングチームの一つの形として、随時お伝えしていく予定です。
どうぞ、お楽しみにお待ちください♪