RubyKaigi Takeout 2020 と RubyKaigi 2020 の振り返り
RubyKaigi Takeout 2020
2020年9月4日, 5日に RubyKaigi Takeout 2020 が開催されました。RubyKaigi Takeout 2020 は、本来であれば長野県松本市で開催される予定だった RubyKaigi 2020 の代替イベントとして計画されたオンラインカンファレンスです。
わたしは RubyKaigi 2020 の Local Organizer として運営に携わる予定でしたが、COVID-19 の影響で中止になったためひきつづき RubyKaigi Takeout 2020 の運営チームのメンバーにもなっていました。といっても、オンラインカンファレンスでできることは本当に少なくて、やったことといえば、準備をがんばってくれているチームの他のメンバーを応援するくらいでした。
そんな状況だったので当日は自宅から一般参加者として YouTube でセッションを見て、Rails Girls More の Discord でわいわいしたり乾杯したりして、普通に参加して楽しんでいました。
物理開催の RubyKaigi を思うと寂しさも感じましたが、スピーカーの方がセッション中にチャットでコメントされていたり、Ruby Committers vs the World の延長戦(コミッタラジオ)があったりとオンラインならではのおもしろさがあり、RubyKaigi みがありながらも Takeout という別のイベントとして素敵なカンファレンスだったと思います。
RubyKaigi 初のオンラインカンファレンスを短期間で計画、準備し開催を実現してくれた運営チームのみんな、そして急なお願いにもかかわらず動画を提供してくださったスピーカーのみなさま、快く協賛してくださったスポンサー各社のみなさま、本当にありがとうございました!
RubyKaigi Takeout 2020 の終了で、わたしの 2020年(RubyKaigi 歴)も終わりを迎えようとしているので RubyKaigi 2020 についても振り返っておきたいと思います。
松本が RubyKaigi の開催地になった経緯
数年前に「RubyKaigi 2017はなぜ広島開催なのか?」というチーフオーガナイザーの松田さんの記事を読んだのですが、地方といっても政令指定都市のような大きな都市でないと RubyKaigi のような 1000人規模の国際カンファレンスは難しいんだろうなあという感想で、松本は条件に該当しないだろうと思っていました。
少し時は経って、RubyKaigi 2018 や RubyWorld Conference で松田さんとお会いしたときに「RubyKaigi の会場はいつも探しているんです。ちなみに、松本は名前がいいですよね」というような軽いお話をしました。それがきっかけで「もしかして松本でも開催ってできるのかな?とりあえずできるかどうかだけでも確認してみようかな」と考えていたところ、周りの人が松本観光コンベンション協会とつないでくれて、そこから話が進み始めました。
コンベンション協会に話を聞いてみると、松本市でも 1000 人規模の学会などの開催実績があること、セイジ・オザワ 松本フェスティバル や クラフトフェアまつもと のようなイベントを毎年開催しており宿泊施設にもある程度のキャパがあること、そして、市としても大きな規模のカンファレンスを誘致していきたいと考えているということがわかりました。
その旨を松田さんにお伝えして、開催地候補のひとつに加えていただけるようにご連絡しました。その後オーガナイザーのみなさんに下見に来ていただいてご検討いただいた結果、開催地として決定していただいたのでした。
自分ではじめておいてなんですが、それまで京都、広島、仙台、福岡と大きな都市で開催されてきたので、本当に松本で開催されると聞いた時はびっくりしました。
RubyKaigi 2020 開催地の発表から中止の決定まで
RubyKaigi 2019 のクロージングで次の開催地として松本が発表されて、私もRubyKaigi Team のメンバーとして運営に参加することになりました。
主に Local Organizer として、懇親会の会場探しと手配、宿泊施設の手配、お昼やおやつなど飲食関係や託児所の事業者探しと手配などを行っていました。
年が明けて準備も大詰めを迎えていた頃、COVID-19 が世界的に広がってきたことで RubyKaigi も開催について検討する必要に迫られました。開催を中止するのか、それとも規模を縮小してでも開催するのか。正直この時は個人的にどちらの選択肢も辛かった。そんな中コンベンション協会で9月の日程を調整していただけることになり、延期という決断をすることになりました(2020/2/29)。判断の先延ばしになるだけかもしれないという気持ちもありながら、私個人にとってはベストな選択でした。結果的には中止になるわけですが、この猶予があったことで気持ちの整理ができたと思います。
開催3ヶ月前、依然として COVID-19 は収まらず、いよいよ 9月の開催についても判断する時期が来ました。このときはすでに現地開催ができる社会状況ではなく、物理開催の中止以外の選択肢はなかったのではないかと思います(2020/6/04)。最後の大仕事として地元の関係各所へキャンセル連絡をして、私の RubyKaigi 2020 業は終わったのでした。
RubyKaigi と私
よくある話かもしれませんが、私も Ruby に触れてプログラミングの楽しさを知り、RubyKaigi や Rails Girls に参加して Rubyist の Nice さに感動したひとりです。
今の自分があるきっかけをくれた Ruby コミュニティに何かできることはないだろうかと考えたとき、コードを書いて CFP に応募しスピーカーとして登壇することが一番望ましいのはわかっているのですが、自分が登壇している姿はまったく想像できません。それならば RubyKaigi などの運営の中になら自分にもできることがあるかもしれない、という気持ちでここまでやってきました。
RubyKaigi 2020 は開催中止になってしまいましたが、何かやっていきたいという気持ちは引き続きあるので、今後もできることがあれば何かしらの形でお手伝いできたらいいなあと思っています。