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室蘭スティーラーズこれまでのあらすじ 2020-2021(道内公式戦)

お久しぶりです。

新型コロナ禍で北海道の社会人アイスホッケーは一般観戦不可となったため、御暇しておりましたが、北海道内の公式戦を終えたことを受けて、日本製鉄室蘭アイスホッケー部こと室蘭スティーラーズの今シーズンを振り返ります。

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はじめに:今季の北海道内の試合は家族・同居人以外観戦不可となっており、YouTube、インスタライブスポーツ中継アプリPlayer!等で中継された試合がある一方、詳細不明な試合が多々ありますことをご容赦ください。(見出し画像は昨季のものです)

始動〜幻の全日本A予選

前シーズン、北海道主要大会優勝、J-Ice North Division全勝優勝と輝かしい成績を収めた室蘭スティーラーズ。

いざ全国へ!と意気込んでいたその時、新型コロナ禍がスポーツ界を襲い、3月の全日本選手権B級、J-Iceプレーオフが相次いで中止となる憂き目に遭いました。

全日本選手権B級については、代替で秋季に全日本選手権A出場決定戦を行うと明示されたことから、それに合わせてチームは早めに始動。
例年のメニューに加え、通年リンクのある泊村での特別合宿や、社会人チームでは異例のプロチームとの練習試合を積み、檜舞台に備えていました。

ところが8月中旬、出場チーム不足を理由として全日本A予選の中止が発表されます
新型コロナ禍で活動困難となった大学と社会人から代表を選出することができず、12月の全日本Aはジャパンカップ(アジアリーグ)5チームのみで行われたのでした。

苫小牧市長杯B級大会

2020年10月6日〜27日
会場:苫小牧市
【結果】優勝(5勝1敗)

シーズンの始まりを告げる苫小牧市長杯。
日本製紙勇払が廃部になり、室蘭スティーラーズ、DYNAX、苫小牧市役所、食道園キングスの4チームリーグ戦で頂点を競いました。

10/7 ○5-1対苫小牧市役所 
10/11 ●2-4対DYNAX 
10/13 ○15-0対食道園キングス
10/18 ○4-1対苫小牧市役所
10/20 ○28-0対食道園キングス 
10/27 ○5-3対DYNAX 

最終戦を終えてDYNAXと勝ち点・得失点差で横並び。第3位・苫小牧市役所との得失点差で勝る室蘭スティーラーズが優勝となりました。

組合せとゲームシートはこちら

北海道選手権大会(兼国体予選)

2020年11月21日~23日
会場:帯広の森アイスアリーナ
【結果】優勝

昨季優勝の室蘭スティーラーズは準決勝から出場。
苫小牧市役所、DYNAXと苫小牧市長杯組を撃破して連覇。
また、今大会の戦績を元に国体成年の部の代表が選考され、室蘭スティーラーズから過去最多の6名が選出されました。
(GK 山口 連選手、DF 横山 恭也選手、FW 村上 亮選手、岩槻 翔悟選手、脇本 直迪選手、阿部 魁選手)

準決勝 ○6-3 対苫小牧市役所(YouTubeでみる
決勝 ○3-1 対DYNAX(YouTubeでみる

この大会ではチーム得点王の阿部魁選手が負傷により離脱(チーム公表済)していましたが、決勝戦では総シュート数67-19とDYNAXを圧倒。
特に第2ピリオドは常にスティーラーズのアタッキングゾーンで展開していたように思います。合計3得点にとどまったのは、DYNAXのベテランGK大澤啓太選手の踏ん張りによるもの。

まず道内タイトルを一つ獲得し、シーズンに勢いをつけました。

トーナメント表及びゲームシートはこちら
帯広アイスホッケー連盟YouTubeチャンネルに全試合の動画があります!

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全日本選手権(B級)予選

2021年1月9日~11日
会場:室蘭市中島スポーツセンター
【結果】出場権獲得
○ 8-2 対タダノ

5チーム中4チームが勝った順に全日本Bの出場権を得ていく、敗者決定トーナメントという名の椅子取りゲーム。
室蘭スティーラーズは1ヶ月ぶりの公式戦となりました。その相手はタダノ。

この大会は中継が一切なく、インスタストーリーに上がるピリオドごとの経過が頼りでした。
チェックしながら「えっタダノ先制…?」「2ピリ終わって3-2??」とヒヤヒヤしたのを思い出します。第3ピリオドでおそらくタダノの足が鈍ったか、ようやく突き放して勝利。

タダノは昨季の全日本B予選で苫小牧市役所を撃破している、選手が揃えば油断ならないチーム。とはいえ、フルメンバーのはずの室蘭スティーラーズが第2ピリオドまで苦戦する展開に嫌な予感……。
翌週はJ-Ice Northの天王山。どうなる?スティーラーズ!?

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予選会の結果、室蘭スティーラーズ、DYNAX、釧路厚生社、苫小牧市役所の4チームが全日本B出場権を獲得しました。
この大会はゲームシートが公開されていません

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J-Ice North Division

2020年9月6日〜2021年2月14日
【結果】優勝(9勝1敗)

今季からスケートハウス札幌に代わり札幌ホッケークラブが参戦し、室蘭スティーラーズ、釧路厚生社DYNAX、タダノ、釧路東部ブレイズの6チームで5ヶ月に渡り行われるリーグ戦。
1月17日のDYNAX戦に敗れて自力優勝を一度失いますが、2月7日アウェイの直接対決を制して連覇を決めました。

10/24 ○8-2 対釧路厚生社 (YouTubeでみる
10/25 ○15-0 対釧路東部ブレイズ ※相手棄権
11/1 ○12-0 対タダノ (YouTubeでみる
11/15 ○19-0 対札幌ホッケークラブ
11/28 ○5-3 対釧路厚生社
11/29 ○14-2 対釧路東部ブレイズ
12/6 ○19-0 対タダノ
1/17 ●3-5 対DYNAX (YouTubeでみる
1/23 ○6-3 対札幌ホッケークラブ
2/7 ○6-1 対DYNAX (YouTubeでみる

他の大会同様、一般客の観戦はできませんが、室蘭スティーラーズのホームゲーム開幕戦・最終戦をFMびゅーがYouTubeで実況!
また、タダノのホームゲームを帯広アイスホッケー連盟、2/7のDYNAX対室蘭スティーラーズを新設のDYNAX公式YouTubeチャンネルが中継しています。
札幌ホッケークラブもインスタライブ中継をしてくれました。感謝!

◇ ◇ ◇

昨季全勝優勝を遂げた室蘭スティーラーズは10月24日から参戦。

ホーム開幕戦は、FMびゅー初の解説付き実況生中継が行われました!

年内は得点王・阿部魁選手を欠くも、新人・谷慎太郎選手の台頭やベテラン野澤一矢選手の活躍があり、白星を重ねます。

野澤選手の活躍が北海道新聞に大きく取り上げられました!ぜひご覧下さい。

12月6日から年明けまでは公式戦がなく、1月10日の全日本B予選タダノ戦は(詳細不明なもの)の暗雲漂い、そして迎えるは1月17日、ダイナックスとの全勝同士直接対決。
この時点で室蘭スティーラーズの勝ち点は21、DYNAXは20。残す試合は直接対決2つとお互い1試合。
スティーラーズが勝てば優勝王手です。

1月17日のDYNAX戦は今季ホーム最終戦。FMびゅーの実況中継があったことから、試合を具に観ることができました。

この試合は策が尽く裏目になり、第1ピリオドで0-2、第2ピリオドも0-4と点差が広がります。
辛うじて攻め上がってもGK高橋勇海選手に阻まれ、今日はDYNAXに軍配かと観念しかけた、第2ピリオド終盤残り4分。
DYNAXゴール前で小競り合い。ペナルティはなかったものの再開まで時間を要し、ここで潮目が変わったように思います。

第2ピリオド16:55、工藤翔介選手のゴールでスティーラーズに待望の得点。ここからスティーラーズは息を吹き返し、第3ピリオドは運動量で圧倒。残り1分で3-4と1点差にまで追い上げます。
最後は6人攻撃を仕掛けてエンプティネットで突き放され、3-5で負けとなりましたが、DYNAXの楽勝ムードを一変させ、爪痕を残す試合となりました。

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◇ ◇ ◇

J-Ice North優勝には、あと2試合60分勝ちが必須となった室蘭スティーラーズ。
翌週1月23日の相手は札幌ホッケークラブ。インスタライブで観戦できました。以前のホーム戦では19-0と圧勝しているチームでしたが……やはり、何か噛み合わない。

この試合にはアイスプレスジャパンの取材がありました。書き出しは「消化不良の一戦」

年明けの3試合に焦点を当てれば、私も同感です。
しかし、後で振り返ればここは試行錯誤の時期だったのかなと。昨季の得点王・阿部魁選手の離脱を機に、どのセットでも得点できる布陣を模索していたのでした。

札幌ホッケークラブに関して:全試合メンバーが揃うとは限らない環境、それも新型コロナ絡みの規制が厳しい札幌で、試合毎の戦力のバラつきが大きいのではないかと思います。
J-Ice North全得点(相手棄権分除く)の半分を補強の橋本潤選手(元王子イーグルス)が叩き出しています。

◇ ◇ ◇

2月7日、アウェイ沼ノ端で挑むDYNAXとの最終決戦。
この試合に合わせてDYNAXがアイスホッケー部YouTubeチャンネルを開設、実況解説つきで試合を中継してくれました。もう感謝しかありません…!

この直前、1月末の国体アイスホッケー成年の部北海道特に胆振(優勝)は、DYNAX組の調子の良さが窺えました。FW坂本颯選手のプレーの流麗なこと、GK高橋勇海選手のリバウンドを出さぬ鉄壁ぶり。

したがって、ホカホカのDYNAXに不調から立て直したスティーラーズが挑む……そんな展開を想像していたのですが、試合前に覆ります。
DYNAXのDFが(おそらく負傷で)4人しか出場できず、満足にセットを組める状態になかったのです。

先手必勝と仕掛けたDYNAXは、開始まもなくの4:47に今野友尋選手のゴールで先制。その後も度々室蘭ゴールを脅かしますが、この日はGK山口連選手の好守が冴え渡ります。

第1ピリオドを攻めあぐねていた室蘭スティーラーズは、第2ピリオドで爆発。29秒で小泉智也選手のゴールが決まると、2:51に工藤翔介選手のGK翻弄シュートで逆転。
特に小泉・阿部魁・工藤翔・横山・切江選手の超攻撃セットが猛威をふるい、第2ピリオドで5点を奪取。

第3ピリオドでも1点を加え、6-1で室蘭スティーラーズが勝利。J-Ice North連覇を決めたのでした。

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アイスプレスジャパンがDYNAX、室蘭スティーラーズ双方の決戦への思いを拾う丁寧な記事を書いてくれました。ぜひご一読を。

◇ ◇ ◇

J-Ice North Division 2020-2021は、北海道内の新型コロナ流行第3波、緊急事態宣言代わりの集中対策(札幌往来自粛など)に直面しながらも、棄権2試合のみで5ヶ月の日程を完走しました。

【最終順位】
①室蘭スティーラーズ
②DYNAX
③釧路厚生社
④タダノ
⑤札幌ホッケークラブ
⑥釧路東部ブレイズ 

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10/24札幌ホッケークラブ対釧路東部ブレイズ、10/25室蘭スティーラーズ対釧路東部ブレイズは、釧路東部ブレイズの棄権により15-0で相手チーム不戦勝となります。

【個人表彰】
最優秀GK:山口 連選手(室蘭スティーラーズ)
得点王:木戸 啓太選手(釧路厚生社)
アシスト王:坂本 颯選手(DYNAX)
ポイント王:木戸 啓太選手(釧路厚生社)
ベストDF:橋本 潤選手(札幌ホッケークラブ)

※J-Ice Northは試合ごとのゲームシートを連盟では公開していません。
Player!に11月29日までの試合経過ログがあります

冬季国体アイスホッケー成年の部

2021年1月27日〜31日
【結果】優勝(60年ぶり5連覇)

1/28 ○7-0 対京都府
1/29 ○4-0 対青森県
1/30 準決勝 ○6-0 対埼玉県
1/31 決勝 ○4-3 対大阪府

緊急事態宣言下の愛知県で行われた冬季国体。
なんとか無観客で開催にこぎつけたものの、選手が揃わず辞退する都県が相次ぐ事態に……。

2回戦から出場の北海道は、準決勝までの3試合を完封。決勝は元アジアリーガーや強豪・関西大学の揃う大阪府との戦い。
最後まで目の離せないシーソーゲームはペナルティショット戦にまでもつれ込み、GK山口連選手が大阪府のシュートをすべて止め優勝。
60年ぶりとなる5連覇の偉業を成し遂げました。

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新型コロナは北海道代表選考にも影響を及ぼし、今季は釧路地区からの選出がなく、代表選手16人中6名が室蘭スティーラーズ、7名がDYNAXという布陣になりました。
J-Ice North個人成績ランキングを見ればお分かりいただけると思いますが、釧路地区には優秀な選手が大勢います。
しかし出場叶わなかったということは、おそらく勤務先の事情で遠征に制限がかかったのでしょう。社会人の辛いところです。

北海道代表全メンバーはこちらをご参照ください
試合詳細・ゲームシートはこちらから

なお、2021年冬季国体は全競技がライブ配信されました!ぜひご覧ください。

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道新杯アイスホッケー大会

2021年2月20日〜21日
会場:札幌市月寒体育館
【結果】優勝

道内で行われるシーズン最後の公式戦。
例年8チーム程度が参加しますが、今季のエントリーは5チーム。
更に北海道の要請する札幌往来自粛が延長されたため、苫小牧市役所が直前で辞退。4チームでの戦いとなりました。

2/20 ○19-0 対札幌ホッケークラブ
2/21 決勝○8-1 対DYNAX (YouTubeでみる

初戦は札幌ホッケークラブに圧勝。
決勝のDYNAX戦は全日本B前最後の直接対決。開始早々にスティーラーズ山道翔太選手のゴールで先制すると第1ピリオドで3得点。以後も得点を重ねて突き放し、守ってはGK木下侑亮選手の堅守が光り、8-1で勝利。
道新杯4連覇を決めました。

ライバルに大勝ではあったのですが、今大会もDYNAXのDF不足が続いており、その影響があったように感じます。
離脱している方々が全日本Bで復帰できることを願ってやみません。

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この大会はゲームシートが公開されていません。その上で結果報告の得点を誤るのは勘弁してください(泣)(室蘭19-0札幌が正当)

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いざ全日本へ!

室蘭スティーラーズは今季の道内公式戦を終え、3月5日〜7日に行われる全日本選手権Bに挑みます。(初戦は6日)
もう一つの全国大会であるJ-Iceプレーオフは中止となったため、これが今季最後の公式戦です。

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全日本選手権Bは社会人アイスホッケーの頂点を決する大会。優勝チームには全日本選手権A出場権が与えられます。(昨シーズンはなし)
全日本Aは社会人チームがアジアリーグ所属チームに公式戦で挑める、唯一の機会です。

全日本B優勝、それは新日本製鐵室蘭アイスホッケー部が47年前に手にしたきり縁遠いタイトル。
2019年は決勝でDYNAXに敗れ、翌シーズンは道内無双と最高の状態で臨むはずが新型コロナで中止。代替で提示された全日本A予選もまた中止。

2年間、彼らは十分過ぎるほどに待ちました。
各々が養った力を余すことなく発揮し、悔いのないプレーができること。その結実が選手達に、支える人々に、室蘭の街に歓喜をもたらすことを願っています。

大会は完全無観客ですが、日本アイスホッケー連盟ホームページで速報が行われます。
また、室蘭スティーラーズInstagramでのライブ中継が予定されています。

ここまで辛抱強く御覧になった皆様。
室蘭スティーラーズのみならず、新型コロナ禍を乗り越えて出場する社会人チームを、茶の間から、オフィスから、お出かけ先から応援していただけますと幸いです!

試合を中心とした振り返りは、ひとまずここまで。
新型コロナ禍で集客ができなくなったスティーラーズは、地域愛着ミッションをどうしたか?後日、イベント編を綴りたいと思います。

◇ ◇ ◇

↓これまでの観戦記

↓応援しているチームの紹介などなど