
第67回道新杯争奪全道アイスホッケー大会決勝 日本製鉄室蘭対DYNAX
2020.2.9(日)日本製鉄室蘭3-1DYNAX
(1-1、0-0、2-0)
北海道内の社会人B級アイスホッケー大会のひとつ、道新杯争奪全道アイスホッケー大会。
今年は苫小牧市を舞台に繰り広げられた2日間の激闘、その決勝戦をまとめます。
え?いきなり決勝から?すまねえな。
道新杯争奪全道アイスホッケー大会
道新杯は、北海道の社会人アイスホッケーチームによるトーナメント大会。
北海道アイスホッケー連盟と北海道新聞社が主催しています。
全国大会予選にはならない、北海道内単独の大会です。
第67回大会は2020年2月8日~9日に、苫小牧市白鳥王子アイスアリーナと、ダイナックス沼ノ端アイスアリーナにて行われました。
出場チームと組合せは以下のとおりです。
【出場チーム】
・日本製鉄室蘭アイスホッケー部(室蘭スティーラーズ)
・御影クラブ
・札幌ホッケークラブ
・日本製紙勇払事業所アイスホッケー部
・食道園キングス
・DYNAX
・苫小牧市役所アイスホッケー部
・釧路厚生社アイスホッケーIHC
これまでのあらすじ
昨年優勝(2連覇中)の日本製鉄室蘭は組合せと会場(移動なし)に恵まれ、一回戦・御影クラブを16-3、二回戦・札幌ホッケークラブを15-0の大差で下し決勝へ進出。
一方、社会人でもやばい級つよいチームがひしめく山に放り込まれたDYNAX。一回戦・食道園キングスを12-1、釧路厚生社を4-3で破り、決勝進出を果たします。
昨年末に発表された組合せを見た瞬間、「うわ…えぐ…」と声が出てしまった右の山。J-Ice North上位のDYNAX、釧路厚生社、更にこれら強豪を食う実力を持つ苫小牧市役所。なんでそこに固まるかな…。
クジラさん、クジラさんよ。
ちょっとそのくじ運を、毎回北関東の名門とか都市対抗覇者引いてくる野球部に分けてくれないか?(切実)
※白鳥王子アイスアリーナ開催試合は一通り観戦したので、後日まとめたいと思います。更新が決勝からになりすみません。
第1ピリオド
GK:日本製鉄室蘭 39山口連 / DYNAX1高橋勇海
02:56 反則 DYNAX93古川誠也 トリッピング
03:31 日本製鉄室蘭ゴール(1点目、パワープレー)
ゴール17村上亮、アシスト63野澤一矢、92阿部魁
03:31 反則 DYNAX11田中将斗 デンジャラス・イクイップメント(10分退場)
え?なんで気づいたら収監されてるの?
ルールブックでは「危険な用具の使用」とあります。防具を正しく使っていないとか、破損したものを使用したといった反則のようです。
06:42 反則 DYNAX8大場大 チェッキング・トゥ・ザ・ヘッド+ミスコンダクト・ペナルティ(マイナー分代行 88外崎裕将)
07:17 反則 日本製鉄室蘭92阿部魁 スラッシング
07:40 反則 DYNAX21坂本颯 インターフェアランス+アンスポーツマンライク・コンダクト(マイナー分代行 15北側勝哉)
ミスコンまつりで箱がずいぶん窮屈になってまいりました。
13:18 反則 日本製鉄室蘭61脇本直廸 トリッピング
13:38 反則 日本製鉄室蘭81横山恭也 ハイ・スティッキング
14:02 DYNAXゴール(1点目、5on3パワープレー)
ゴール93古川誠也、アシスト62小原卓朗、97府中祐也
古川府中コンビ、胸がすくほどにこの二人は上手い。さすがに5対3では防げませんでした。
14:44 反則 DYNAX97府中祐也 フッキング
日本製鉄室蘭1-1DYNAX
第1ピリオドシュート数:日本製鉄室蘭21、DYNAX11
第2ピリオド
21:31 反則 日本製鉄室蘭72工藤卓磨 トリッピング
23:56 反則 DYNAX3大澤翔 クロスチェッキング
28:32 反則 日本製鉄室蘭17村上亮 エルボーイング+ラッフィング(代行47末廣直樹)
28:32 反則 DYNAX97府中祐也 ラッフィング
この反則はDYNAXが攻め上がってゴール前で団子になり、GKも巻き込んでごちゃごちゃになったときのもの。
反則を取られること自体は褒められたことではないのでしょうが、キャプテンの男気?といいましょうか。上手く表せませんが響くものがありました。
38:12 反則 日本製鉄室蘭14中村謙太 トリッピング
日本製鉄室蘭1-1DYNAX
第2ピリオドシュート数:日本製鉄13、DYNAX12
第3ピリオド
44:37 反則 DYNAX97府中祐也 フッキング
44:37 反則 日本製鉄室蘭21石井元気 エンベリッシュメント
48:31 反則 日本製鉄室蘭9小泉智也 インターフェアランス
53:17 反則 DYNAX91生田廉 フッキング
54:32 日本製鉄室蘭ゴール(2点目、パワープレー)
ゴール81横山恭也、アシスト47末廣直樹、17村上
ゴール前の混戦からリバウンドを押し込んで、勝ち越します。
58:35 DYNAX タイムアウト
58:35 DYNAX GK1高橋勇海 out
58:52 日本製鉄室蘭ゴール(3点目、エンプティネット)
ゴール63野澤一矢、アシスト17村上亮、16岩槻翔悟
58:52 DYNAX GK1高橋勇海 in
日本製鉄室蘭3-1DYNAX
第2ピリオドシュート数:日本製鉄12、DYNAX15
合計シュート数:日本製鉄46、DYNAX38
ゆる雑感
先々週のJ-Ice North Division天王山では、予想に反して大差のついた日本製鉄室蘭対DYNAX。
今回の道新杯決勝は、鍔迫り合いと呼ぶに相応しい、手に汗を握る接戦でした。
お互い好敵手を意識して激しいプレーの応酬になったからでしょうか?
ペナルティが多く、ミスコンまつりが勃発した時はどうなることかと思ったのですが、第2ピリオドまでお互い1失点ずつに留めます。
DYNAX高橋選手、日本製鉄室蘭山口連選手、両GKの守りは素晴らしかったですし、GKが体制を崩されたときはDF陣が身を張って防いで、絶対に点を与えまいという執念を感じました。
そんな堅い守りをこじ開けたのは、一週間前に行われた八戸国体で優勝した選手達。
大会全体を通じて、選出メンバーの活躍が目立ちました。
J-Ice North Divisionや諸大会で活躍した選手を選考しているので、当然といえば当然であります。
決勝戦の日本製鉄室蘭の先制点は、FW村上亮キャプテン、FW阿部魁選手の国体選出組に経験豊かなFW野澤選手を加えたセットから。
この国体コンビは1回戦・2回戦でも猛威をふるい、指折り数えきれないほどのゴールを量産しました。
一方のDYNAXは、第1ピリオド後半に5対3パワープレーの好機を得て、冷静に追いつきます。
そのゴールをあげたのはFW古川選手、アシスト小原選手、府中選手。DYNAX伝家の宝刀というべき若いコンビと、国体でも活躍した頼もしき中堅。
皆さん国体疲れがあるかと思ったら、そんなことは全然なかったですね。
むしろ優勝を弾みにホカホカになったのでは?
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さて膠着状態となった第2ピリオド終盤、日本製鉄室蘭・FW阿部選手が離脱するアクシデントが発生。第3ピリオドは大事を取って休ませることとなりました。
ルーキーにしてチーム得点王の阿部選手は、これまで3on3の延長戦やペナルティショット・シュートアウト戦においても際立った勝負強さを示し、高い信頼を得ています。
その彼を欠いたことで、日本製鉄室蘭の目の色が変わったように感じました。目指すのは優勝でも三連覇でもない、いま戦うこの試合を、残り20分で絶対勝ち取ること。
といっても、同じ相手に何度も負けられない、そして今季地元・苫小牧での最終戦であるDYNAXの意地はすさまじく、なかなか崩すことができません。
のこり6分53秒でDYNAXのペナルティ。
振り返れば、これが第3ピリオド唯一の数的有利でした。
ゴール前の攻防へ持ち込み、こぼれ球をDF横山選手が押し込み決勝点。
阿部選手に代わりセットに入った末廣選手、これまで阿部選手と抜群のコンビネーションを見せてきた村上キャプテンのアシスト。そしてゴールを決めた横山選手もまた国体組。
ここしかないという場面で、これぞというメンバーが、しっかり決めてくれました。
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勝ち越しを決められたDYNAX。
これまで何度も好機を得ていましたが、決めきれないままに時計は進み、打開策としてハイリスクな6人攻撃を決意。残り1分25秒でタイムアウトを取り、GK高橋選手をベンチへ下げます。
DYNAXの6人攻撃というと、私には初観戦の苦い記憶(残り1秒でDYNAXに勝ち越された試合)が蘇るのですが、今回は裏目でした。10秒あまりでパックを奪われ、空のネットへ流され無念の失点。
3-1で日本製鉄室蘭が勝ち、道新杯三連覇を決めました。
日本製鉄室蘭・室蘭スティーラーズの皆さん、優勝おめでとうございます!
【第67回道新杯争奪全道アイスホッケー大会】
— 日本製鉄室蘭アイスホッケー部【室蘭スティーラーズ】 (@muroransteelers) February 9, 2020
2月9日(日)に苫小牧市の白鳥王子アイスアリーナで行われた決勝戦で勝利し、優勝する事が出来ました。
道新杯三連覇です🏆
詳細は以下のURLの通りです。https://t.co/eUJExAiE82#室蘭を熱くする #室熱 #らんらん室蘭 #日本製鉄 #室蘭スティーラーズ pic.twitter.com/ywPqKgSk4d
三連覇の「3」でピース。ひとりジャージが掲げられているのは…試合中には戻ってこられなかったため。
また元気な姿を見せてくださいね。
そして、好勝負を繰り広げながらあと一歩及ばなかったDYNAX。
公式Instagramは、決勝戦を振り返り「今やろうとしている事が少しずつ形になりかけ収穫もあった試合」と綴っています。
彼らの目は既に来月の全日本選手権B、その先へと向いていることでしょう。
一体いかなる仕掛けを見せてくれるのか、恐くもあり楽しみです。
これからの試合
アイスホッケーシーズンはいよいよ終盤へ。
日本製鉄室蘭アイスホッケー部・室蘭スティーラーズの2019-2020シーズン道内公式戦は、2月16日のJ-Ice North Divisionが最後となります。相手は奇しくもDYNAX。
室蘭市・中島スポーツセンターにて、13:00フェイスオフ。
また、この日はあの小さいプール兼リンクでは考えられないぐらいの楽しいイベントが密集しています。
気になった方は、ぜひ、お越しください!
— 日本製鉄室蘭アイスホッケー部【室蘭スティーラーズ】 (@muroransteelers) February 3, 2020
中島スポーツセンターのアクセスや観戦時の注意点は、こちらの記事をご参照ください。
また、日本製鉄室蘭、タダノ、DYNAX、釧路厚生社の道内4チームは、3月13日~14日に八戸市で行われる全日本アイスホッケー選手権大会(B)への出場を決めています。
ぜひ応援してくださいね!
決勝戦以外の観戦記は、今後ぼちぼちアップする予定です。
また、写真はみつる(@k_mitsuru_n )さんからご提供いただきました。いつもありがとうございます!