世界のことわり。
君へ。
『よく頑張っている』と、僕は思うよ。
本当のことは、君にしかわからない。
その孤独が君はきらいだね。
行き場を失ったその想いは、
誰に温められる訳もなく、
ただそこに在る。
いつしか輝くものも見えなくなるくらい、
君の心を支配する前に、この手紙を読んでほしい。
君の荷物は沢山ある。
軽いものから、重たいものまで。
小さいものから、大きく膨らんだものまで。
ただそれを、一旦下ろせる場所が必要だ。
いつも、全力じゃなくて、いいんだよ。
痛いほど一生懸命な君は、
『普通』に追いつくことに必死だ。
走って走って、
広い道も、獣道も、
崖のそばでさえ、急ぐことを忘れない。
そんなことをしなくとも、
『君は君でいるだけで素晴らしいのに。』
信じられない?
でも大丈夫。
そんな風に頑張る君を、
見つけてくれる人が現れる。
これは、絶対だよ。約束する。
いつか
『おーい、ここだよ!』って
荷物を下ろせる場所を教えてくれる誰かが、
君ごと包んでくれるんだ。
何も心配いらなくて、優しい世界。
だから焦らなくて、いいんだ。
いいんだよ。
歩いたって、休んだっていいんだ。
走り続けることを、君の罰にしないでおくれ。
君が思う、君の罪。
だから背負う、君の罰。
もうやめにしないか。
そんなもの、この世にはないんだ。
君の罪悪感や、
『自分が悪いと思う心の回路』が作り出した
嘘なんだよ。
認めて自由になるのが怖い?
それなら僕も、一緒に生こう。
罪と罰という、
硬い鎧を外した君は、
自由で、そして美しい。
さあ、お行きなさい。
何処へでも好きなところで、
好きなように生きていい。
あなたは、生きていい。
それは生まれた時点で許されている、
世界の約束。
それさえ守ってくれたなら。
『それでいい。』