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読書メモ|tattva Vol.6

今回はこちら。好きで毎号買っているシリーズ。その中でも特に印象に残っている部分について感想をまとめてます。


1. 悪口の問題

悪口の問題は、社会にランキングを作り出してしまうことにある。他人を罵ることには、相手を自分よりも低く位置付けようとする権力への意志が必然的に含まれる。…ある発言が悪口かを問うとき、意図や言い方だけが重要なのではない。発言の評価に決定的な影響を与えるのは、言った側・言われた側のランキング内の位置関係。

ランキングのつかない「対等な関係であること」ってすごく難しい。

この記事に書いてあるのは、「自己肯定感が低い人が他者よりも劣っていると思い込んで、無意識にその信念に従って行動してしまうことがある」みたいなことなんですが、「うわぁ〜、ちょっとやっちゃってるかもな」という自覚があります…。
相手は対等だと言ってくれたとしても、勝手に自分を相手より下に位置付けていることはよくあって、だから、相手が何気なく言ったことをマイナスに、否定的に捉えてしまうということもあるのかもしれないなと思いました。


2. 本題のまわりをうまく触る

…あまり関係なさそうな話もある。でも、さまざまな観点から話題を出すことで、物事の輪郭がはっきりしてくる
このことを「本題のまわりをうまく触る」と表現する。

この考え方は目から鱗でした。私自身、話し合いの中で「的外れなことだったらどうしよう」「これは今関係ないかな…」とか色々考えてしまって発言を控えるみたいなことがよくあって、そういうことを考えちゃって積極的に参加できていない自分がすごく嫌だな…と思っていました。でも、「何が問題なのかをはっきりさせるため」と思えば、少しは言葉を発しやすくなる気がしたんですよね。要は捉え方の問題だと思っていて、自分が的外れなことを言ってしまっても大丈夫だという、ある種正当化の言い訳でもあるかもしれないんですが、それでも自分の中での発言自体のハードルをぐんと下げてくれる考え方だなと思います。


3. 自他境界

互いを尊重し続けるために、私たちの間には境界線が必要だという前提を持った話し合いが必要。…自己と他者の間に線を引き、相手の思考や感情を自分のものと混同しない考え方を「自他境界」と呼ぶ。相手と自分を切り離すことで、相手を自身の偏見から遠ざけることができる。

…人間は、細胞も日々入れ替わり、また時代や政治、他者との関係性に影響を受けながらアイデンティティも変わり続ける。その前提がありながらも、人間は不確定で曖昧な状態が苦手な生き物ゆえに、時には変化のプロセスを楽しめない瞬間も訪れる。…新しい価値観や異なる存在によるアイデンティティの侵犯を恐れすぎている…。

自分の身に置き換えて考えてみると、人にやたら感情移入しやすかったり、共感生羞恥発動しやすかったり、結構自分と人との境界線が曖昧なところがあるのかもしれない…。であるが故に、他者の価値観とか考え方にすぐ影響を受けるから自分が揺らぎやすくて、アイデンティティを脅かされる感覚を持ってしまうから自分と異なる価値観とかに苦手意識を持つ、みたいな。
相手は相手、自分は自分という感覚は持ちつつ、相手との間に壁を作るわけでもなく、関係性の中でちょうどいい境界を築いていくみたいなことなのかなと思うんですが、それってなかなか難しい…。