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売れないから辞めます。

【音楽をやめる】その感覚が分からない。これは大人として大問題なのかもしれない。もちろん家族に迷惑をかけてまでずっとやるものではないとは思うけれど、「売れなきゃ辞める」とか言うヤツは今すぐさっさと辞めちまえよ、と思う。売れなきゃ辞める=食えなきゃ辞めるが一般論だろうけど、そもそも音楽で食えるなんてことはほぼ無いに等しいし、一握りの人間なのは間違いない。食えると言うのもどういった状態でいくらの金額のことなのかもよく分からない。【食えなきゃ辞める理論】で行くなら音楽を職業として選ぼうとした時点で、だいぶミスってる気がする。バンド=ダメだったら解散、辞めるというのが何処かで風潮として付きまとってるし、皆、頭の何処かに感じながらしている奴らが多いと思う。それを否定する権利は俺にはないし、【個人の自由】だし。

ただ、音楽は金じゃないだの、愛だの友情だの感謝だのほざいて【苦しいから辞めた】奴らは本当【ウソツキ】だと思う。嘘をついたことは、散々だました奴らに謝るべきだと思う。 はっきりとその汚ならしい、だらしない口で。「そういうことを言えば売れると思ってたんですけど、違いました。申し訳ありませんでした。」と。騙されたヤツはどうか辞めた奴らを責めるんじゃなくて、そんな奴らに騙された自分と目と耳を疑うべきとも思う。放っとけとよく言われるけれど、大なり小なり同じ音楽をする立場として俺は絶対放っとけないし許せない。無視することも覚えなきゃって頭じゃ思うんだけど目の当たりにしたらカチンと来るね。言って雑魚を相手にした後の虚しさみたいなのはあるけれどね。

それじゃあ【売れる】ってどういうことなんだろう。俺には解らないし、正直興味がない。こういうことを口にすると周りは不安がって、心配そうな顔をされるか、説教を垂れるか。だからいちいち口にしないけれど、本当に興味がないし解らない。じゃあ何でやってんのか。と聞かれて答えるのも面倒くさくてだるいから、そういう話をしない。下手したらバンドしてることも言わない。ただバカな俺にも分かることは、音楽をするということは誰かにもらった、もしくは自分で拾った、ただただラッキーなプレゼントだってこと。【俺達にしかない権利】。音楽が無くて心臓が止まることは絶対にない。だけどその鼓動の価値がなくなると考えると、とても怖い。ライヴハウスが無くなって俺達が死ぬことはない。だけどバンドは死ぬと思う。だからライヴハウスに対して敬意はちゃんと払わなきゃなと最近思い始めてるし、ライヴハウスもバンドに対して最低限の敬意は払うべきだ。だからムカつくヤツにはムカつくと俺達は言うし。そんなことも全部ひっくるめて、音楽が出来るということはとても【贅沢】なことなのは浅いなりに解ってるつもりでいる。

そのうえで、【だせえやつ】が【売れて】どうなるんだよと言いたい。皆が目指す健全な日本社会のために良くない。【だせえやつ】でも【売れる】、【輝ける】なんて、絶対にあっちゃいけない。媚びることを努力と呼ぶ、バカたれがライヴハウスにはうじゃうじゃいるのがそういう結果だろ。これは全俺達以外のバンドの責任か、ライヴハウスが生き残るために流行りに負けて甘やかした責任かのどっちか。生き残る為ってのも解るけど、カッコ良くない。どの口が言ってんだと言われたらこの口が言ってる、売れてないと言いたいことを言えないのは全く別問題だと声を大にして言いたい。人間にプロもアマチュアもないから。俺達は都合よいときだけ、ミュージシャンと言うし、1人の人間と言うし、1人の男だって言い張る。だって興味がないから。だけどいつも【ロックバンド】とは言うつもり。

俺が音楽をやってる根本的な理由は【焦ってるから】その感情が俺の心のほぼを占めてる。早く俺は何かを残さなきゃいけないと。それはライヴなのか音源なのか曲なのか。多分全部。このままじゃ胸を張って死ねないっていう焦り。このまま死んだら【恥ずかしい】、【ダサい】っていう焦りにかられる。極論言えば心の底から【満足】してみたいだけ。自己満足で十分だ。悪いことじゃない。だって生まれて心の底から満足したことない事実だから。これ以上無い幸せに包まれたい。純粋な嘘ひとつない欲望だけ。これがもし【悪】なんであれば、幸せになるために生きるということは嘘になる。【幸せになれ】って軽々しく世の中、言ってるくせにね。

そしたら自分にとっての【満足】ってなんだろうって考える。自分だけが鮮やかに彩られて、すべての景色や周りの人達がモノクロじゃ俺にとって何の意味もない。自分のことを好きでいてくれる人達が皆幸せな顔をしてくれて、迷惑かけたことも帳消しにして、倍返し、いやそれ以上にない感覚を一緒に感じたい。もうやり残す事はなにもない。死にたいくらい最高だ。そう思いたい。それを1番近くで感じれるのがメンバーだし、メンバーと1番近くで感じれるのが俺達を応援してくれる人達。だから俺達をふくめて皆Anti Soulsだと思う。

こないだ周南でボブちゃんと飲んだ時に「今さら100人に100人から好かれようとは思わない」と言われて。この言葉がずっとひっかかってて。ずっと前からお世話になってるレーベルのボスにも言われてた「100人よりも1人でもいいから、めちゃくちゃお前達のことを好きでいてくれるそういうバンドにお前達はなれ」と言われたことを思い出した。この言葉の意味がずっと全然わからなかった。そのときの俺達は漠然と【売れたい】からレーベルに所属してたし、【売りたい】から俺達を抱えてるはずだし。でもその意味が少し解り始めてる。100人から100人に好かれようとは思わないけど、100人から100人の心を殴れるバンドで俺達はいたい。好き、嫌いどっちでもいい。どっちも同じくらい価値がある。そういったヤツが【観てくれる、聞いてくれるヤツが1人でもいるなら死ぬ気でやる】と言える気もするし。自分のことを殴ったヤツの顔ってずっと忘れないじゃん。だから俺達は殴るんだよ。

俺達だけじゃ収まりきれないくらいの自己満足で。

C-NOTE Kanda

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