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生きるとか死ぬとか父親とか〜第3話〜(#84)

毎週観ると決めているドラマ。

最初と最後に「晴れ時々お悩み」の相談コーナーがあり、その相談内容とメインのドラマ部分がシンクロしている構成。

第3話 美容とか 見た目とか 偏見とか

最初の相談内容は「かつら」。
「夫がかつらを被り始めた。なんの相談もなくかつらを被り始めた夫を生理的に受け付けられない」というもの。
相談に対して
「ヅラ被ってる妻ということが嫌という、自意識なのでは?」
という回答をする。

続いて蒲原トキコの話。
お父さんから身体が痒いと連絡。
何食べたら痒くなるかわからない。
父親に付き添い病院へ。
アレルギーはなく、診断結果は「乾燥肌」。
アレルギーを心配して病院に付き添ったのに、痒いことはどこへやら。
父親はなぜか「顔のシミ」を取ることに。
急に美容を気にし始める父親に苛立ちを覚える。

そのことを友人に相談する蒲原トキコ。
「じじいのくせに美容を気にするなんて」
という発言から、友人の指摘から
「男のくせに☓☓するなんて」
という自分自身が忌み嫌う〈偏見〉を自身の中に持つことに気付かされる。
自分自身が「女のくせに…」という言葉を嫌っているはずなのに。

「父親は刺激を求めていて、自分を励ますため・元気づける為にやっているのではないか」
という友人の言葉。
そんな蒲原トキコは友人とともにマッサージを受けている。
そして、相談内容と似た感情が自分自身の中にふつふつと湧き出ていたことに気付いていく。

最後の相談コーナーは「かつら」の相談回答に対しての返信。
そこで相談者が「自分の考えを改めた」ことを知る。

相談に対して「わかったような回答」をしたものの、蒲原トキコ自身も似たような感情を経験した父の話を始めて第3話は終わる。

第3話は結構深い

第3話は「外の話」と「内の話」。
蒲原トキコと相談者という関係性と、
父親と蒲原トキコという関係性。

「外の話」(=相談内容)にはもっともらしい回答をしたのに、
「内の話」(=父親の話)となると、感情が優先されてしまった。

また蒲原トキコ自身は
「マッサージで自分を元気付けている」
のに、父親自身の
「シミを取ったこと」
へのモヤモヤとした嫌悪感を持ってしまった。

普段は
「人それぞれだからいろんな考えを認めたほうがいいよね」
ということはわかってるものの、いざ直面すると相反する感情を抱いてしまう。

頭でわかっていても感情はそうならないことはよくある。

こういう話ってよくあることだと思う。
そしていつでもこのようなことが起こりうる。

それを性自認などの切り口ではなく、
「かつらとシミ」という切り口で伝えてくるのがこのドラマのすごいところだ。

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