ケヴィンマスカット監督初陣(#124)
明治安田生命J1リーグ 第6節
ガンバ大阪vs横浜F・マリノス
2-3 勝ち
五輪による中断期間明けの初戦。
ケヴィンマスカット監督の初陣。
選手移籍&新監督の着任。
中断前6連勝、7連勝をかけた試合。
どのようにスタートを切れるか。
今後に向けて楽しみな要素が沢山ある中、ひとまず勝ち切ることができて及第点な試合だった。
五輪による中断期間の主な移籍
OUT:高野遼(完全移籍)
OUT:オナイウ阿道(完全移籍)
OUT:伊藤槙人(期限付き移籍)
OUT:樺山諒乃介(育成型期限付き移籍)
IN:杉本健勇(期限付き移籍)
IN:宮市亮(完全移籍)
IN:角田涼太朗(プロ契約締結)
----------OUT
驚きは高野遼の完全移籍。
2019年の開幕戦。
高野遼と広瀬陸斗(現鹿島アントラーズ)の両サイドバックに夢が膨らんだ。
怪我もありティーラトンがレギュラーに定着するも上下動の運動量は抜群。
使われないことにモヤモヤして観ていた。
何が影響したか、徐々にチームにフィットしなくなり、サイドバックで出ても空回り。
ウイングなどで途中から投入されるようになり。遂に完全移籍。
残念で仕方ないが、磐田で大津アニキのもと、もう一花咲かせてほしい。
伊藤槙人も磐田への移籍だが、山本義道もいるのでボスのもとで指導を受けたマリノスの選手が多数在席。
絶対的なチアゴマルチンスと畠中槙之輔がいたためバックアッパーになっていたが、間違いなくチームに来て成長した。
また帰ってきてくれることを望む。
樺山諒乃介は武者修行。
山田康太とアンジェポステコグルーことボスの右腕だったピータークラモフスキーが指揮するモンテディオ山形。
チームは絶好調。
チームをJ1に上げて、二人合わせてマリノスにまた戻ってきてほしい!
オナイウ阿道の完全移籍は心置きなく送り出したい、頑張れ!!
----------IN
なんと言っても期待しちゃうのは宮市亮。
当時のスピードが健在かは不明だが、海外で長年培ったものをチームに還元してほしい。
このチームに合わないはずがないと期待大。
杉本健勇は浦和レッズで散々ネタにされているが、セレッソ大阪時代の得点能力を引き出すことがチームの至上課題。
ここを乗り越えられるかで今シーズンの優勝争いにも大きく影響が出る。
角田涼太朗は大学在籍中の加入。
大学には籍を残しつつプロ契約。
とても向上心のありそうな選手なので期待したい。
開始フォーメーション
和田拓也は今まで通り左サイドバック。
五輪により前田大然不在の左ウイングに仲川が復帰。
オナイウ阿道が抜けたセンターフォワードにレオセアラ。
中盤は喜田と岩田のダブルボランチ。
選手交代1(53分)
OUT:エウベル
IN:水沼宏太
水沼宏太がそのまま右ウイングへ。
エウベルは前半1得点決めているのでお役御免。
選手交代2(60分)
OUT:マルコスジュニオール
IN:天野純
マルコスジュニオール負傷により天野純投入。
負傷による交代とはいえ、おそらく時間の問題でこの交代は予定していたものと考える。
天野純が入るといつもなら攻撃が左に寄るのだが今日は右偏重に。
やはり小池がキーマンになるのか。
選手交代3(73分)
OUT:レオセアラ
IN:杉本健勇
OUT:仲川輝人
IN:松原健
OUT:岩田智輝
IN:扇原貴宏
レオセアラの位置にマリノスデビューの杉本健勇。
右サイドバックの位置に松原健が入り、小池が右ウイングに上がり、水沼宏太が左ウイングへ移動。
中盤底の岩田智輝の位置に扇原貴宏。
試合を通しての感想
----------総評
ガンバ大阪のプレスが効いていてパスコースを限定される展開。
対マリノスに向けてちゃんと用意してきた感じがした。
エウベルのゴールで前半の間に先制。
後半開始すぐに追加点を奪うも、いつものようにボールを保持しきれなかった。
相手のシュートミスや判断ミスに助けられたシーンも多くあり、負けてもおかしくない展開だった。
----------守備時のバイタルエリア
マリノスはセンターフォワードやトップ下が前線でプレスを掛けるスイッチ役になる。
ここを簡単にかわされてサイドに展開されると、どうしても後ろ向きな守備になる。
ボランチも前線のプレスに併せて前目の位置取りをせざるを得ないため、サイド展開にあわせてカバーにボランチが引っ張られ、バイタルエリアにスペースができてしまう。
サイドに展開せず中央から攻めてくれればチアゴや畠中で防げるが、全体的にコンパクトな守備陣形を引くため、サイドに展開されるのが一番辛い。
サイドに展開し空いたバイタルエリアにまた戻されるような攻め方をされていたら、結構キツかった。
----------斜めの縦パス
センターフォワードに斜めのパスを入れることが以前より増えた。
以前のようにハーフスペースの深い位置をえぐってグラウンダーのクロスにこだわらなくなってきたのかもしれない。
新監督の意向というよりボスの退任以降から続いている気がする。
レオセアラが比較的あたりに強い選手のため有効な攻撃にはなるのだが、カットされた場合に中盤にぽっかりとスペースが空くことがある。
斜めのパスを当てにいくことは、奪われた場合リスキーな選択。
リスク管理を意識してほしいが、特に喜田と扇原のセットになった際に顕著に中盤のスペースが空いていた。
この二人の問題なのかチームとして攻めるべきシーンの認識が合っていないのかわからないが気を付けたい所。
----------水沼宏太、左サイド?
水沼を左サイドで使うことは今までなかった。
新たなプランとして考えているのかわからないが、おそらく違うと見ている。
ガンバ大阪は後半、左サイドから藤春を使って積極的に攻めてきた。
それに対して松原と小池を当てるためにこの二人を縦に並べたのだろう。
必然的に水沼が追いやられたと見ている。
----------両サイドバック
小池と和田の両サイドバックは、運動量もありボールタッチに長けている選手だ。
このポジションには以前まで、松原とティーラトンがレギュラー。
二人の怪我によりこの形で最近は収まった。
思った以上にこの形がしっくり来ていてチームにハマっている。
和田拓也の素晴らしさは言わずもがなだが、小池の攻撃能力は高く、サイドバックではあるものの攻撃時のチームの心臓と言える。
マルコスジュニオールよりも前を向いてボールに触れてる機会が多いため、小池の良し悪しにチームの結果が左右されかねない。
松原もスルーパスや高身長のサイドバック等魅力はあるのだが、小池の方が今のスタイルにフィットしてきた。
----------仲川の調子が悪すぎる
仲川の調子が一向に上がらない。
ボールが足元に収まらず、スピードに対して体のバランスが付いてきていない感じだ。
自慢のスピードで縦に抜ければクロスを上げれるシーンでも、かわしきれなかったり、体を当てられてすぐにバランス崩したり、どうも本調子には程遠い。
怪我をしないようにあまり踏ん張らないようにクセが付いてしまったのかもしれない。
復活を期待したいところだが、難しいのか…
----------新たな選択肢、杉本健勇
正直あまり期待していなかった杉本健勇だが、今日の試合を観て気持ちが変わった。
あれだけ真ん中で体張ったりボール捌ければ、今のマリノスなら爆発するかもしれない。
オナイウ阿道の加入直後より、全然フィットしてて驚いた。
あとは、エウベルと前田大然と3人で組んだ時にどうなるかに期待。
最後に
ひとまず7連勝したことは万々歳。
勝って兜の緒を締めよ、ということでちょっと厳し目に見ている。
特に守備において課題はまだ残る。
チームのスタイルとして前がかりになるのは已む無しとしても、バイタルエリアを空けてしまう守備は観ていてひやひやする。
新監督のケヴィンマスカットもボスのように攻撃偏重型のようだが、バイタルエリアのケアはしっかりしてほしい。
次節はチアゴマルチンスがカードの累積で出場停止。
今までなら實藤が入るがどうなるか。
岩田智輝を入れて、中盤を入れ替えるのか。
もしくは正式にプロ契約した角田涼太朗がプロ初デビューを飾るのか(以前も特別指定選手で出場あり)。
ケヴィンマスカットの手腕が問われる。