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勝てたことよりも天野純の成長ぶりが嬉しかった(#96)

明治安田生命J1リーグ 第16節
大分トリニータvs横浜F・マリノス
0-1 勝ち

開始フォーメーション

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前半の感想

一方的な展開。
常にボールを保持し、被チャンスはなし。
とは言っても、こちらも有効な攻撃をできたシーンはほぼ皆無。
シュートは打てているものの決定的なシーンは作り出せず。
大分は昨シーズンまでマリノス同様ボールを保持してくるイメージだったが、今節は異様なほどに守備に重きを置いてきた。
自陣に9人、5-4の壁を作ってハーフスペースを徹底的に潰してとにかく守りに来た。
数回、渡辺皓太が3人目の動きでハーフスペースの裏を奪いに行ったがそれも不発。
全体的に
「ボールは回せてる。相手の脅威になっている。だが、決定的なシーンは作れない。」
そんな前半。

後半の感想

開始早々、前半から一転、大分が明らかに攻撃にギアを入れてきた。
おそらく
「前半耐えれた。「後半も前半と同じで来る」と思わせることができれば、不意打ち的に得点を奪える。あとは守り切ろう」
という戦略だったのだろう。
後半開始からちょっとの間は相手の術中にハマり、お互いにスペースを奪い合うオープンな展開になりかけた。
しかし大分は前半同様、後半途中から徐々に守備にシフトしてきた。
とにかく「負けないこと」を狙ってのことだろう。
ここでマリノスが得点を早く奪うために選手交代。

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OUT:仲川輝人 IN:前田大然

仲川輝人はまだまだ本来の姿からは程遠い。
もしかすると優勝シーズンが出来すぎてしまっただけなのか?と思わざるを得ない程に身体とボールがついていかない。
前田大然はウイングとして入るも役割的にはマリノスのウイング的役割はしない。
これはいつも通り。

それでもまだ得点は奪えず。
さらに攻撃の圧力をかけるために追加で3枚替え。

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OUT:エウベル IN:樺山諒乃介
OUT:マルコスジュニオール IN:天野純
OUT:レオセアラ IN:オナイウ阿道

この交代が功を奏す。
投入された3分後、天野純からのクロスをオナイウ阿道と前田大然が狙い、前田大然がしっかり決める。
マルコスジュニオールに代わって入ることの多い天野純だが、今シーズンはマルコスジュニオールより明らかに調子が良い。

スコア上は辛勝と言えるが、内容は圧勝と言って良い内容だった。

全体の感想

・現状、マルコスジュニオールよりも、今のチームの司令塔はエウベルと言って良い。マルコスジュニオールは警戒され過ぎてフリーになれないので、好きなようにやらせてもらえない。その点、エウベルは比較的やりたいようにやらせてもらえてる。また観てて不思議なほどに相手に取られない。身体の向きとボールの置所が絶妙なのだろう。いまはマルコスジュニオールをおとりとして、エウベルがチームを操っているのは間違いない事実。

・2017年から天野純を追っているが、天野純がジョーカーとして活躍するなんて当時考えられなかった。当時は「頭から試合に出てナンボ」でチームの攻撃リズムを作っている印象だったから。今や投入されてすぐに相手の脅威となるプレイ選択をしているから、成長ぶりがなんとも感慨深い。個人的にはチームの勝利よりも、こちらの方が嬉しい!!

・今節は喜田拓也&扇原貴宏の中盤ではなく、岩田智輝&渡辺皓太の中盤だった。これがもう、たまらないくらい、素晴らしい出来。欲を言えば、もっと渡辺皓太は攻撃参加していいし、守備は岩田智輝に任せていい印象もある。しかし、岩田智輝も、攻撃したがるタイプのようだからこれはこれで良いのだろう。この2人がピッチ上を縦横無尽に走り回ることがセカンドボール奪取やカウンター阻止など色んなシーンで地味に効いていた。
もしかすると喜田拓也&扇原貴宏のコンビよりこちらの方が好きかもしれない。

その理由は1つ、はっきりとある。
それは「常に縦パスを狙っている」から。
マリノスの攻め方で片側のサイドからセンターバックやボランチを経由して逆サイドに展開し直すシーンがよくある。この時に喜田拓也&扇原貴宏ペアは素直に逆サイドに展開を選択することが多い。
対して渡辺皓太&岩田智輝の場合、素直に展開することもあれば、もらった位置から逆サイドに展開せずにドリブルを仕掛けることもあれば、センターフォワードやハーフスペースめがけて縦パスを選択するシーンも多い。これがとても有効に働いている。これを可能にしているのは「身体の向き」もあるが、おそらく「逆足のプレー精度」だろう。喜田拓也&扇原貴宏ははっきりと「右利き」「左利き」でプレーするが、渡辺皓太&岩田智輝はふたりとも逆足での精度が高く、その分、プレー選択肢が広がるのだろう。


とにかく今節、上位の他チームが勝ちきれなかった中でスコアは辛勝とはいえ勝てただけで大きい。来節も天野純に期待せずにいられない。

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