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リーグ戦中断前6連勝。ボスの退任後、徐々にチームは変化を遂げている(#114)

明治安田生命J1リーグ 第22節
横浜F・マリノスvsアビスパ福岡
2-0 勝ち

リーグ戦前回対戦はコチラ↓。
前回対戦は今季リーグ戦初勝利の試合でした。

開始フォーメーション

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前節で負傷交代した畠中槙之輔は大事を取ってベンチ外。
負傷交代で投入された實藤友紀がスタメン。

同じく前節、レッドカードにより退場処分(1試合出場停止)のマルコスジュニオールも出場できず、そのポジションには天野純。

東京五輪の準備のために離脱した前田大然の位置には怪我から復帰した仲川輝人。

DF/MF/FWそれぞれで活躍している選手が不在であっても、今季のマリノスにはまったく影響ありませんでした。
頼もしい限りです。

試合の感想

スタートからボールを保持し、アビスパ福岡へ攻撃を仕掛け続けるマリノス。
対するアビスパ福岡は、積極的に前線からプレスをかけてきました。
特にチアゴマルチンスと實藤友紀がボールを持ったところにプレスをかけ、GKか両サイドバックに出させるよう中盤へのパスコースを消していました。

迎えた21分、待望の先制点。
右サイドから天野純が右足で低めのクロスをGKとDFの間にあげると、相手GKのパンチングがDFにあたりオウンゴール。

立て続けに27分。
この得点は小池龍太の得点と言ってもいいくらい、小池龍太の動きによって生まれました。
また、いわゆる「マリノスの攻撃パターン」も影響しました。
今季のチームとしてのベストゴールと言っても過言では無いと思います。
そう思う点を詳しく書きます。

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◎ポイントとなるプレー
小池龍太がエウベルへ縦パスを出した後、そのままエウベルを追い越すようにオーバーラップをしたこと

影響①エウベルへ付いていた相手DF
相手DF2枚がエウベルへ付いていたが、小池龍太がオーバーラップしてきたため、エウベルと小池龍太の両方をケアしないといけなくなった。結果、相手DFのエウベルへの寄せが甘くなった。

影響②PA内でクロス対応をする相手DF
小池龍太のオーバーラップにより、PA内では2つのプレーを考慮しないといけなくなった。

・小池龍太へパスが出た場合
GKとDFの間へグラウンダーのクロスが来る可能性があるため、できる限りニアでボールを跳ね返したい。1点目がこの形から生まれたため。
→いわゆる「マリノスの攻撃パターン」へのケア

・小池龍太へパスを出さない場合
エウベルからのクロスに備えて、FWをマークし、競り合いの準備をしないといけない
→一般的なクロスへのケア

◎結果
小池龍太のオーバーラップにより、相手DFの判断が曖昧になった。
そのため、オナイウ阿道はフリーでポジショニングすることができ、エウベルは落ち着いて丁寧なクロスをあげることができた。
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選手交代からみるチームビルディングの変化

この試合で特徴的だったのは後半の選手交代。

選手交代①64分
OUT:實藤友紀 IN:喜田拓也
OUT:扇原貴宏 IN:ティーラトン
OUT:天野純  IN:渡辺皓太

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選手交代②77分
OUT:仲川輝人 IN:高野遼

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選手交代③89分
OUT:エウベル IN:水沼宏太

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ここで注目するのは①64分の交代。
この交代により、
①右ボランチの岩田智輝
 →實藤友紀がいた左センターバックへ
②左サイドバックの和田拓也
 →扇原貴宏がいた左ボランチへ
③投入されたティーラトン
 →和田拓也がいた左サイドバックへ
④投入された喜田拓也
 →岩田智輝がいた右ボランチへ
⑤投入された渡辺皓太
 →天野純がいたトップ下へ(ポジション変更なし)
とスタメンの選手含め大幅に布陣をシャッフルしました。

ボスことアンジェポステコグルー監督時代には見られなかった交代です。
これは和田拓也と岩田智輝というユーティリティ性の高い選手がスタメンにいることにより可能となりました。

ボスの時も岩田智輝は使われていましたが、先発とサブと半々程度。
和田拓也は今季はあまり使われていません。

しかし、ボスの退任後リーグ戦4試合目のこの試合時点で、この2人はほぼスタメンで出場を果たしています。
前節の柏戦、和田拓也がベンチ外になっただけです。

喜田拓也やティーラトンが今季に入ってから怪我していることがどれだけ影響受けているかわかりません。
しかし、これは今までのボスのやり方から、チームが徐々に変化を遂げていると考えることができます。
特に和田拓也を左サイドバックで積極的に使用することはボスの時には見られませんでした。
ここに新たなチームビルディングの特徴が見られます。

チームが目指す新たなスタイルは?

アタッキングフットボールというベースは変わっていませんが、松永監督&ジョンハッチソンHC体制になって変わったところがあります。
それは、
ユーティリティ性の高い選手を活かしたチームビルディング
です。

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岩田智輝の特徴
今季から加入しましたが、昨シーズンまでいた大分トリニータではセンターバックとして中心を担っていた選手です。
マリノスへ来て433のサイドバックや、343のセンターバックで使用されることもありましたが、最近ではボランチとして出場することが多くなりました。
守備時の対人プレーに強いことが特徴ですが、積極的に攻撃へも絡んでいきます。
また対人プレーが強いことは、イーブンなボールをマイボールに出来ることにも繋がっています。

和田拓也の特徴
2019シーズン途中にサンフレッチェ広島からレンタル移籍で加入し、2020シーズンから完全移籍で加入しました。
2019シーズンの加入当初はサイドバックでの起用が多かったものの、リーグ優勝を決めた最終節にボランチで出場しました。
扇原貴宏の累積警告による代役でしたが、これが見事にチームにフィット。
2020シーズン以降はボランチが主戦場になりました。
ボールタッチが巧みで、リンクマン(攻撃と守備をつなぐ人)としての役割を全うできる選手です。
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今節の選手交代①が
 扇原貴宏が選手交代①の前にイエローカードをもらっていたこと
 センターバックが今まで全試合スタメンの畠中槙之輔でなく實藤友紀だったこと
の2点はイレギュラーなことです。

2点のイレギュラーなことがなかった場合に、今節の選手交代①と同じ采配を取るかはわかりません。
サッカーの試合においてまったく同じ状況というのはほぼ起こり得ないので、この交代だけをもって
「松永&ハッチソン体制のやりたいことはこれだ!」
と断言できません。

しかし、このようなイレギュラーにも対応できるような選手を予めスタメンに起用しておくこと自体がボスの時には見られなかった特徴です。

噂によると中断明けから新監督が来るとか来ないとか…
まだ正式発表はありませんが、中断明けのチームビルディングに注目です。

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