地域と病院との連携の現状
皆さんの街ではいかがでしょうか。コロナ前後での病院との連携について悪化していないだろうか。従来であれば、退院前に自宅を訪問しての家屋調査やカンファレンス、入院中に本人と話をし、意向の確認、アセスメントも行え、退院に備える事が出来ていた。
しかし、コロナ禍で病院での面会が難しい状況が多くなり、WEB会議や、本人不在の家屋調査、本人不在のカンファレンスも増加している。その為、不安を抱えて退院する利用者や家族も居り、ケアマネジャーや訪問看護など介護サービス事業者が不安を抱えながら退院後の支援にあたる事も少なくない。
過去に私が体験した実際の話だが、がん末期の利用者が退院してくる事になった。当時、病院は面会制限を設けており、代表者1名の家族(以下、A子さん)の面会を許可。がんの場所は、『肺がん』であった為、痰の吸引指導が必要だった。しかし、実際に支援可能なご家族は4人も居たが、面会制限でA子さんが一人で行うプレッシャーからか、不安で押し潰されそうになっていた。勿論、痰の吸引だけではなく、着替え、おむつ交換、食事など一括りにA子さんが説明を受けていた。
退院まであと数日だ。私は、病院側やA子さんに状況を確認をしていくも、A子さんは不安の訴えが拭えず、退院準備も殆ど出来ていない現状が明らかになってきた。私は、A子さんのその不安を察知後、退院前指導が不十分である事、A子さんが不安を抱えている事を病院に伝えた。その後、病院側も誠意をもって対処してくれたが、利用者さんは残りの期間、自宅で最期を迎えたいという望みがあり、利用者さんには一刻の猶予もない。そして、決められた退院日は迫る。私も、A子さんを見て心配になり、退院日前日、仕事終わりにドラッグストアに寄り防水シーツやとろみ剤、オムツ等を購入し届けるなど行った。
結局、A子さんは不安を抱えながら退院当日を迎えた。退院日当日に早速、訪問介護や看護、訪問診療の介入。利用者さん、A子さん、その他ご家族が少しずつ安心して頂けるよう退院後も引き続き指導の継続を行うことで対応を行った。
そして、ご利用者さんは、退院した翌日の朝方にご逝去された。遺族からは晴れやかな表情、看取る事が出来て良かったと伺えた。
ですが、
これは、当たり前なのでしょうか。コロナだから仕方のないことなのでしょうか・・・ 正直に、私の心の中には後悔しかありません。申し訳なかったという気持ちです。一生忘れないと思います。
明日、市内の地域と病院との連携会議があります。コロナ禍での入退院時連携時の困りごとを共有し、解決策を話し合う機会がある。私はそこに職能団体の委員として出席させて頂けるので有難い。どれだけ地域と病院側の考えの相違を埋められるか、お互いどれだけ多くの気づきを得られるか、期待している。メンバーとしては市、地域包括支援センター、病院やクリニックのMSW、ケアマネジャー、訪問看護ステーションの方達とZoomによるオンライン会議。
グループワークを通しての議論や地域と病院とを繋ぐICT(情報通信技術)の活用なども議論に挙がる。明日は抽象的な議論ではなく、ロジカルに提案出来るように意識してみたいと思います。
お読みいただきありがとうございました(^^♪