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高1で坂本真綾さんのシングルCD『SAVED./Be mine!』を買った時の思い出

まだサブスクもなく、微々たるお小遣いでどのCDを買うか頭を悩ませていた私の中高時代。
カップリングが収録されないケースは往々にしてあるものの、基本的にはシングル曲はアルバムに収録されることが多いため、お小遣いを貯めてアルバムかミニアルバムを購入することが多かった。

そんな私が初めて購入したシングルCDが、高1の冬(2014年2月)に購入した坂本真綾さんの『SAVED./Be mine!』だった。

『SAVED.』は今でも大大大好きな作品『いなり、こんこん、恋いろは。』のEDテーマで、『Be mine!』は私の大好きなバンドthe band apartが真綾さんに初めて楽曲提供した楽曲である。

CDは、いなり盤「SAVED./Be mine!」の初回限定盤と通常盤、そして世界征服盤「Be mine!/SAVED.」の初回限定盤と通常盤の2種類4形態というかたちでリリースされた。
前者と後者では曲順が異なるほか、前者にはいなこんの原作者よしだもろへ先生が描いたアナザージャケット、後者には『Be mine!』のタイアップ先である『世界征服〜謀略のズヴィズダー〜』のキャラデザを担当した黒星紅白先生が描いたアナザージャケットが特典で付いてくるとのことだった。

いなこん、バンアパ、真綾さんという好きなもの全部乗せシングル、これは買うしかない!という強い思いで、発売日に地元のタワレコにいなり盤の初限を買いに行った。

もろへ先生が描かれたいなりとうか様のイラストは大変美麗で(CP厨の私は推しCPの燈うか……は無理でも、主人公CPの丹いなのイラストだとなお良かったな!という、よろしくない感情を抱きつつ)、「真綾さん、すまん……!」と若干の罪悪感を抱きながら、アナザージャケットの方が一番表に来るように順番を入れ替えた。

そしてCDプレイヤーとi Podで、狂ったように『Be mine!』を聴いた。
インスト音源も狂ったように聴いた。

歌詞を完璧に覚えるなんぞは序の口で、バンアパ4人それぞれのフレーズを口で再現できる(楽器は弾けない)程度には、繰り返し繰り返し聴いた。

(『Be mine!』の口ドラムなら、私もできるぜ!!!!)

これまで25年間生きてきて、一番リピート再生した曲はまぎれもなく『Be mine!』である。

そして初限には、ミニライブアルバム『Roots of SSW』が付属していた。
当時の私は、『四畳半神話大系』の明石さんや『荒川アンダー ザ ブリッジ』のニノなど、真綾さんの声優としての活動の方になじみがあった。
歌手活動の方は、直近数年のタイアップ曲は聴いていたものの、初期曲やノンタイ曲についてはほとんど知らない状態だったのである。

私が真綾さんの歌手活動により一層興味を持ったのは、この『Roots of SSW』がきっかけと言っても過言でない。
『Roots of SSW』には、初期曲から当時の最新アルバム『シンガーソングライター』収録曲まで厳選された6曲が収録されていた。
※配信では16曲収録

初期曲の『スクラップ~別れの詩』と『シンガーソングライター』収録曲の『遠く』『シンガーソングライター』が特にお気に入りで、この3曲については原曲より『Roots of SSW』のライブバージョンの方がいまだに聞きなじみがある。


大学1年生の秋にSpotifyが日本でのサービスを開始し、社会人になった頃には、一部のアーティストを除き、たいていの曲はサブスクで聴くことができるようになった。
CDを購入する機会はどんどん減少し、今ではサインorオンラインお話会orチェキ撮影目当てか、特典のBlu-ray目当てか、よっぽど好きなミュージシャンか、のどれかに引っかからないと、CDを買わなくなってしまった。

金欠で買いたいCDをろくに買えなかった中高時代を思い返すと、あの頃にサブスクがあったら、今頃もっと音楽に詳しくなっていただろうな……と、幼い頃からサブスクが身近にある今の10代をうらやましく思うこともある。

一方で、なけなしのお小遣いを貯金して購入したCDは、9年たっても1,800字程度のミニエッセイを書ける程度には何かしらの思い入れがあり、サブスクでシングルを聴いただけでは絶対に得られない思い出が自分の中に残る。
数少ない手持ちのCDを繰り返し繰り返し聴く分、楽曲に対する愛着度も深くなる。
当たり前のことではあるが、そんなことを改めて感じるなどした。

というわけで、坂本真綾11thアルバム「記憶の図書館」が5月31日に発売されるので、皆さん絶対に買いましょう(ダイマ)。



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