椎名林檎と彼奴等と知る諸行無常 広島公演 感想とセトリ
前置き
「椎名林檎と彼奴等の居る 真空地帯」「林檎博’18」以来、5年ぶり3回目の実演参加。
ありがたいことに地元・広島公演のチケットが2日とも取れ、2日目は6列目の真ん中ブロックという割と近距離で実演を楽しむことができた。
バンドメンバーについて
バンドメンバーは、下記の通り。
ジャジーなメンバーに名越さんがいらっしゃるのが、アクセントになっていて、すごくいいバランスのメンバーだな、と感じた。
また、古くはアニメ「坂道のアポロン」のドラム演奏とモーションから、いろいろな音源やライブ配信で演奏を耳にしていた石若さんを、やっと生で見られるのが何よりうれしかった。
(本格的に石若さんのことを好きになったのはコロナ以後だったので、なかなかこれまで生で演奏を見る機会がなかった……。)
各曲の感想
セトリは下記の通り。
以下、1曲ずつ感想を書き記していく。
読み返してみると、リズム隊に関する記述が多めのかなり偏った感想になってしまった……。
あの世の門
十時型の隙間から、光だけ見える演出。
曲の途中で幕が開くのかなあと思ったら、この曲では最後まで開かず……焦らすねえ……。
我れは梔子
ギター、ドラムレスの演奏。
鳥越さんはサングラスをかけて、ウッドベースを弓弾きと指弾きを交えながら弾く。
終盤に名越さんと石若さんが登場して、ちょっとテンションが上がる。
石若さんもサングラス着用。
どん底まで
名越さんの歪んだギターがかっこ良かった。
本当はもっといろいろと感じたはずなのに、どうしても序盤の曲は記憶が薄れてしまうのが悲しい……。
カリソメ乙女 - DEATH JAZZ ver.
開幕早々石若さんのドラムで意識吹っ飛びそうになった。
林檎さんは、ガーターベルトが印象的なセクシー衣装へとチェンジ。
走れゎナンバー
音源ではフルートで演奏されていた部分が、佐藤さんのアコーディオンにアレンジされていたのが印象的だった。
車に乗って高速を走り、樹海に着くアニメーションがバックで流れる。
JL005便で ~Flight JL005~ (B747-246 Mix by Yoshinori Sunahara)
間髪入れずにモニター上で飛行機が飛び立ち、発着掲示板が表示。
サビからガツンと生バンドが加わるアレンジに、めちゃくちゃ鳥肌が立った。
特に石若さんのドラムが最高過ぎた……。
そしてここの映像で、バンドメンバーを紹介するシャレオツさよ……。
青春の続き
舞台で高畑充希ちゃんの生歌を聴いた時ほどではないけれども、爆泣きした。
2日目もちょっと泣いた。
充希ちゃんは、子役から長らく時が止まっていた「松谷ゆりか」として歌唱していたので、あえてあどけなさが残るような歌い方をしていた一方、林檎さんはより大人っぽさが増した歌い方だったように思う。
原曲にも参加していた林さんのピアノでこの曲を聴けたのはすごくうれしかったし、ライブならではの佐藤さんのアコーディオンアレンジも素晴らしかった。
酒と下戸
わっち曲やるんだ!!???
サビで鳥越さんが、重心を下に落として左右に揺れながらエレキベースを弾いているのが、大変良かった。
プレイスタイルでも“魅せる”ベーシストとは、こういうことだよな〜〜と感じた。
意識 ~Consciously~ (Shinichi Osawa Remix feat. Daoko)
名越さんのギターが聴こえた瞬間に、テンションがブチ上がった。
リミックス×生演奏めちゃくちゃいいな……!
他の曲も聴いてみたかったな。
そして、この曲はなんと言っても鳥越さん!!!
ベースの演奏がないAメロで踊り狂っていたのが良かったし、サビでは左脚を上げ下げしながらベースを弾いていた!!
鳥越さんの左脚に合わせて、OTKは手旗を上げ下げしたよ。
鳥越さんと一緒にもっとはしゃぎたかったけど、意外と客席が落ち着いていたので自重……。
神様、仏様
石若さんのカウント始まりありがとうございます!!!!!!!!
「繰り返される諸行無常〜」のところで、鳥越さんがぴょんぴょん飛び跳ねながらアップライトベースを弾いていて、3曲連続で「鳥越さ〜〜〜〜ん!!」となった。
TOKYO
まず、『神様、仏様』からのシームレスなつなぎが非常に良い!!!
林さんのピアノが聴こえた瞬間、震えた……。
これぞ椎名林檎のライブの醍醐味。
そして石若さんが、マッチドグリップとレギュラーグリップを1曲の中で巧みに使い分けていることに気付く!!!!
その瞬間私は、「なんだコイツ〜〜!!!!!」と、思わずジョイマン池谷さんへと変化してしまった。
ジャスを通ってきていないので、私の中でレギュラーグリップのサンプルが少ないのだけれど、ジャズ畑ではあれが普通なのか?????
そして以降TOKYOでは、石若さんの手元を凝視せざるを得なかった。
天国へようこそ
“day or night?”という歌詞に呼応するかのような、客席から見て左が白、右が黒のお召し物がすごく美しかった。
1曲だけなのが惜しい……。
ラスサビの”right from you”の叫ぶような歌声が、特に印象的だった。
“I am dead”で、スモークの中に消えていく林檎さん。
アウトロの名越さんのギターが響き渡る。
鶏と蛇と豚
バンドメンバーのバカテク演奏を楽しむタイム。
林檎さんはお着替え中なので、安心して鳥越&石若コンビを凝視する(!!?)。
ここで一旦全員はける。
同じ夜
ピアノ前に、お色直しした林檎さんが登場。
林檎さんのピアノ弾き語り、何気に初めて聴いたかもしれない……沁みた……。
人生は夢だらけ
バンドメンバーも、サスペンダー姿に衣装チェンジ。
鳥越さんは、このタイミングでサングラスを外していた。
林檎さんがセンターへと移動し、思わず見とれる私。
ふと上手側に目をやると、またもや石若さんマッチドとレギュラーを使い分けているのが目に入る!!!
思わず視線が上手側に向く!!!!
私は椎名林檎を見に来たのに!!!!
なんなら石若さんに限っては、来月くるりでまた見るのに!!!!!
なんだコイツ〜〜〜!!!!!(本日2回目)
日本のバンドでオーソドックスな、ボーカルの後ろにドラムがいるスタイルなら、林檎さんと石若さんを同時に見られたのに〜〜!と思う一方、ドラムが後ろに下がるとこんなに手元は見えないよな……というジレンマを一人勝手に抱え込む。
仏だけ徒歩
アレンジが変わり過ぎて、最初なんの曲が一瞬ピンと来なかった。
これぞ椎名林檎のライブの醍醐味(2回目)。
もちろん原曲も好きという前提の上で、今回のピアノとアコーディオンとアップライトベースのアレンジの方が個人的には好き。
私は猫の目(新曲)
「尚」を「にゃお」と読ませる遊び心がかわいい。
1番終わりの鳥越さんのベースがめっちゃかっこ良かった印象。
初日は、名越さんと鳥越さんを「二人とも岡山出身です!お隣りですね」と紹介。
2日目は、「名越由貴夫 from Okayama」「鳥越啓介 from Okayama」と紹介。
公然の秘密
イントロの印象的なホーンアレンジ部分を鍵盤で代替するなどのアレンジが施されていなかったので、のっけから石若さんの大音量ドラムが響き渡る!!!!
このあたりから石若駿レギュラーグリップタイムを予知する能力(なんそれ)が身につき、「だーまーしーだーまーさーれ」のところで絶対持ち替えるだろうな〜と思っていたら、予想が当たった。
アウトロの石若駿さんごちそうさまです……(遺言)。
女の子は誰でも
林さんのピアノメインのアレンジ。
スウィングしていて、オシャレかつかっこ良かった……。
林檎さんはパジャマ姿に衣装チェンジ。
途中で林檎さんが口笛を吹いていたのが印象的だった。
Eternal Flame
バングルスのカバー。
枕を持抱きしめながら、しっとりと歌い上げる林檎さん。
客席に紙飛行機を投げ、楽曲の終盤では舞台後方に消えて衣装チェンジ。
いろはにほへと
基本的には原曲に忠実な演奏。
ただ、間奏の不穏さが音源よりも増していた気がする。
命の息吹き
石若……駿……(遺言)。
Aメロのハイハット気持ち良過ぎる……間奏最高……。
あとレギュラーとマッチド(以下略)。
あと、林檎さんが「ドラム:石若丸!!!!」とおっしゃっていたんだけど、あなた林檎さんに石若丸と呼ばれているんですか!!!??
いとをかし
基本的には、林さん、佐藤さん、鳥越さん3人での演奏。
鳥越さんの弓弾きとピチカートをそれぞれ堪能。
長く短い祭
グッズのメガネはこの曲で使用。
メガネを通して見る花火はキラキラしていて、とてもきれいだったし、メガネを掛けると裸眼では見えない林檎マークが浮かんでくる演出には感動した。
2日とも「祭りじゃ!うちらの祭りじゃ!」といったようなことをおっしゃっていたけど、あれは広島限定なのかな?
手旗を振る椎名林檎さん、マジでめちゃくちゃかわいかった……。
そして、サンバっぽさが増したダンサブルなアウトロが、本当に本当に最高だった。
緑酒
わっち曲やるんだ!!???(2回目)
初日は爆泣きしたし、2日目もちょっと泣いた(デジャヴ)。
伊澤一葉いい曲書き過ぎだろ……。
印象的なBohemian Rhapsodyオマージュのコーラスは、同期音源。
(というか、今回コーラスは全曲同期音源だった。)
爆泣きしたぐらいだし、今回の演奏も最高だったけれども、いつか事変の5人の生コーラスを浴びたいなあとも強く思わされた。
閏年である来年に期待してもいいかな……?
NIPPON
緑酒のアウトロにNIPPONのイントロの「ダンダンダダダン」というドラムが重なった瞬間に「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」と、リアルに絶叫してしまった。
周囲の皆さま、マジでごめんなさい……。
鳥越さんはエレキベースピック弾きで、佐藤さんはショルキーとチアホーン。
そしてそしてそして、間奏の直前に鳥越さんが石若さんの前に出てきて、間奏中ずっと鳥越さんと石若さんが見つめ合って演奏していたの、最っっっっ高のリズム隊過ぎた……!!!
あの瞬間の二人の写真をプリントアウトして、額縁に飾りたい……。
今回のライブのハイライトは、間違いなくこの曲。
アンコール後MC
バンドメンバーは、Tシャツ姿にお着替え。
鳥越さんが飛び跳ねるように小走りでステージに戻ってきたの、マジでかわいかった……。
鳥越さんは、サスペンダーをしていて、石若さんはまたサングラスを掛けていた。
初日。
名越さんと鳥越さんはお隣りの岡山出身と、改めて紹介。
わっちも岡山出身だし、林檎さんは岡山出身者に何かと縁があるなと、ふと思った。
鳥取にも、島根にも、山口にもツアーで行きたい。
中四国は、行きたいところがたくさんあると発言。
2日目。
センバツの山梨学院対広陵は、実は広陵を応援していた。
ここの人たちは、この気持ちが分かってくれるはず。
WBCで燃え尽きた人もいれば、プロ野球しか興味ない人もいるよね……とおっしゃった後、「冗長なMC」との自虐が入る。
母国情緒
林檎さんのタンバリンに合わせて、クラップするのが楽しい。
曲終わりに、鳥越さんがウッドベースをぐるんぐるん華麗に回していた。
ありあまる富
「ギター:名越由貴夫」という林檎さんの紹介から、名越さんのギターが鳴り出し、バックにはMVが映されるという、シンプルながらもニクイ演出。
いつものごとく、林檎さんは先にステージを去る。
林檎さんが去った後のバンドメンバーのアウトロも、椎名林檎のライブの醍醐味。
ED映像
砂嵐のTV画面が映し出される。
ファミコンのカセットをセットした後、ドット絵のキャラと化したメンバーが登場。
厳島神社の大鳥居の前で林檎さん、バンドメンバー、ダンサーが勢ぞろいしていた演出は、広島ならではかな?
バンドメンバー紹介は、
鳥越さん:背景がアンプ
石若さん:背景の岩に「STONE &YOUNG」と刻印
林さん&佐藤さん:二人の間に鍵盤
鳥越さん:烏の気球に乗って、空を飛んでいる
という愛にあふれる演出で、感動してしまった。
そんな映像ディレクターの児玉監督は、なんと!!広島2日目を現地で見ていたらしい。
サインをもらったOTKの皆さまが何人かいらっしゃるらしく、本当にうらやましい……。
総括
個人的に、邦ロックばかり聴いていた中高時代から、大学生になって少しずつ音楽的興味関心が女性アイドルやアニソンの方にシフトしていって、バンドもポップス系ばかり聴くようになったという経緯がある。
そのため、中学時代からずっと今でも変わらず好きなミュージシャンは、ユニコーン(奥田民生)と東京事変(椎名林檎)だけだ。
前者についてはありがたいことに、ユニコーン、MTR&Y、弾き語り、果てはカーリングシトーンズやサンフジンズなど、いろんな形態でめちゃくちゃライブを行ってくれるため、この10年足らずで数十回はお目にかかっている。
一方で林檎さんについては、個人的になかなかタイミングが合わず、ファンになってから7年後にやっと初めて実演に参加でき、今回生で見るのは3回目だった。
「こんなにも好きなのに、全然実演に行けない……!!」というジレンマからやっと解放されて、この2日間は他のライブに行く時とは比にならないくらい、嘘みたいに楽しかった。
私は音楽ライブを、「音源とは違うアレンジの妙を楽しむ場」ととらえている。
こういう考えに至ったのは、音源とは全然違うアレンジで楽曲が披露される東京事変の実演映像に衝撃を受けたからなのである。
林檎さんの実演を5年ぶりに見て、やっぱり私の音楽体験の原点はここだなと強く感じさせられたし、「本人そっちのけでリズム隊ばっかり凝視してしまう元凶は、元はと言えば椎名林檎さんあなた自身なんですよ!!!」と、わけわからんことを考えてしまった。
願わくば、また近いうちに林檎さんや事変の実演に参加できることを期待したい。