リアル女児以来プリキュアを見ていなかったオタクが、拓ゆい目当てでデパプリを全話見た批判的感想
私のプリキュア遍歴
初代プリキュアが放映された当時、私は小学1年生だった。
私自身も楽しくプリキュアを視聴していたが、正直私以上に父の方が激ハマりしていた。
父は毎週初代プリキュアの感想を書くためだけのブログを立ち上げ、初代プリキュアのおもちゃ、ぬいぐるみ、コスプレグッズなどは無条件で何でも買ってくれた。
また、自分用にファンブックなども購入していた。
そんな父は、『Yes! プリキュア 5 GoGo!』の途中で、「こんなの俺が好きなプリキュアじゃない!!!」と急にブチ切れ、プリキュアの視聴を辞めてしまった。
父がプリキュアを見なくなったので、私もつられてプリキュアの視聴を辞めた。
品田拓海との出会い
それからしばらく、プリキュアとは縁遠いオタク生活を送っていた。
ちょうど1年ぐらい前だろうか、推しCP(アイカツ!の「瀬名あか」)の名前でTwitterを検索していた際、知らんオタクのツイートによって、プリキュアの新シリーズ『デリシャスパーティ♡プリキュア」に、主人公の幼なじみキャラが登場することを知った。
そして、公式のキャラクター紹介にある「実はゆいのことが……」という一文に脳天を破壊されたオタクは、5 GoGo!以来久々にプリキュアを視聴することを決意した。
(余談だが、その後拓海が主人公・和実ゆいの1つ上の幼なじみと知り、その絶妙な歳の差設定にオタクは発狂した。)
外出の予定がある日以外は毎週8時半に起きてリアタイし、つい先日デパプリは最終回を迎えた。
久々にプリキュアを見た25歳幼女として(?)、お目当てであった拓ゆいの関係性を中心に感想を書き残しておく。
拓ゆいの恋愛関係
まず率直な感想を述べると、「拓海がゆいに赤面しているだけのターン」があまりにも長く、大変もったいないように感じた。
女児アニメの特徴と言えば、玩具の販促のため、4クールと尺が潤沢にあることである。
製作委員会方式が主流となった深夜アニメでは、ほぼ実現不可能な尺である。
アニメ作品において、関係性の深化を丁寧に描くことができるのは、もはや女児向けだけと言うとさすがに過言だが、それだけ女児アニメは尺の面でアドバンテージがある。
しかしデパプリは、4クールという尺をいまいち生かしきれていないように感じた。
初回と最終回であまり関係性が変わっていない
一番がっかりしたのは、1年経っても拓ゆいの関係性の深化や恋愛面での大きな感情の動きがあまり見られなかったことである。
拓海:ゆいに恋愛感情を抱いている
ゆい:深層心理で拓海に惹かれているが、本人は自覚していない
という2人の基本的な関係性は、初回と最終回を比較してもほぼ変化がなかった。
(他作品を引き合いに出すのは良くないと思いつつも、)例えば「おねがいマイメロディ」シリーズの木暮駆は、
幼なじみの夢野歌にちょっかいをかけるなど、深層心理では歌のことが好きだったが無自覚
→クラスの女子が男子になる悪夢魔法の騒動をきっかけに恋心を自覚
→不器用ながらに歌のことを「守る」ことができるよう努力していく
→陸上の大会で優勝し、歌に恋愛感情を告白
→ダークパワーで滅亡の危機に陥っていた世界を救った後、歌と恋人に
というように、歌と腐れ縁状態から恋人に変化するまでの過程が、本筋の魔法バトルと絡めながら丁寧に描かれている。
それに比べて、初回と最終回でほぼ関係性の変化がなかった拓ゆい。
関係性が変わらないということは、拓海がゆいに恋愛感情を抱いているという設定は、あってもなくても大筋の物語に影響を与えない、どうでもいい要素だったとも言えるのではないだろうか。
なぜ拓海はゆいのことを好きになったのかという
過去編が欲しかった
また作中、拓海がゆいに恋愛感情を抱くようになったきっかけのエピソードは明確に描かれなかった。
ゆいと拓海は幼なじみで、ずっと一緒にいるうちに拓海はゆいのことを自然と好きになっていったという可能性はもちろんある。
また現実の恋愛においても、「特に明確なきっかけがなく相手に恋愛感情を抱くようになった」ということはよくあるだろう。
しかし、デパプリはノンフィクション作品でない。物語作品なのである。
物語である限り、好意が芽生えたきっかけが設定されていた方が、よりストーリーに厚みが増すのではなかろうか。
拓海は「ゆいの笑顔を守るため」に、ブラックペッパーに変身し、プリキュアと共に戦う。
例えば、過去に傷付いたゆいを助けることができなかったという出来事があったため、「ゆいを守る」と強く誓ったなどという過去のエピソードがあれば、より拓海の「ゆいを守る」という気持ち、ブラぺがプリキュアと一緒に戦う意味に説得力が増すのではないかと思った。
(上記に挙げた例は、まんま結界師の「良時」だけどね!!!!!!!!)
ブラプレの信頼関係
プリキュアは恋愛アニメではない。
そんなプリキュアに恋愛要素を持ち込むということは、恋愛をきっかけにキャラが人間的に成長する、キャラ同士に信頼関係が生まれるなど、キャラに恋愛をさせる意味および必然性が必要になると思う。
キュアプレシャスとブラックペッパーが、互いの存在をきっかけに己を高め合う場面は、第42話「ゴーダッツのたくらみ プレシャス vs. ブラックペッパー」などでちょろっと描かれる。
言ってしまえば、ゆいと拓海がお互いの存在をきっかけに成長していく描写はその程度しかないなのである。
その42話のやり取りも数分程度で終わってしまい、「どこがプレシャスVSブラぺやねん」と、テレビの前でズッコケたのは記憶に新しい。
そもそも「ブラぺ=拓海」だとゆいが知ったのは、その2話前の第40話。
個人的には、ブラぺが拓海だと明らかになるタイミングが遅過ぎたように感じた。
ゆいと拓海が、プレシャスとブラぺとして戦うことによって、幼なじみとしての関係以上の信頼を深めていくという物語を描くには、まずブラぺが拓海であるということが明らかにしなければいけない。
ブラぺ=拓海だと明かすタイミングが遅過ぎたせいで、二人の関係性がさして深化せぬまま最終決戦に突入し、最終回を迎えてしまった印象がどうしても否めない。
また、ブラぺはなんだ言ってもプリキュアではない。
そのため、最終的に敵をやっつける役割はプリキュアが担わなければならない。
つまり、ブラぺが大活躍するシーンは設定上描きにくい。
そのため、「ブラぺ=戦闘中ちょろっと助力してくれるけど、めっちゃ有能な助っ人ではない」立ち位置にならざるを得なかったのが、非常にもったいないように感じた。
次作の『ひろがるスカイ!プリキュア』は、男性のプリキュアが登場するということなので、上記の課題については解決されるのではないかと見込んでいる。
なんだかんだ見て良かったです
(申し訳程度の擁護)
ここまで約2,500字、デパプリについて「関係性が深化する描写が薄かった」とボロクソに批判してきた。
私は恋愛を通じて己の感情が変化していき、恋愛関係に加え強固な信頼関係が築かれるCPが好みなので、拓ゆいは私好みのCPではなかったと結論付けられる。
しかし、「1年間デパプリを見続けた時間を返せ!!!!」とまでは思わない。
これまで休日は9時半あたりまで惰眠をむさぼることが多かったが、プリキュアを見る習慣がついて、8時過ぎには目覚めるようになった。
また、ブラぺ、拓海、そしてついにはナルシストルーのグッズを買いあさっり、子連れに囲まれながら競馬場でプリキュアショーを見たり、ドリームステージを見に行ったりして、メンタルが死にかけたりしたのも、まあ今となってはいい思い出である。
そして元々、「恋愛要素がないなら、次年のプリキュアは見なくてもいいや」と思っていたのだが、1年間経ってプリキュアというコンテンツそのものに愛着が湧くようになった。
ひろプリも今のところは視聴予定である。
いろいろ調べた限り、多分私に一番合うプリキュアは『ハピネスチャージプリキュア!』だと思われるので、近いうちに見てみたいと思う。
(と、実は放映当時から思っていたのだが、9年経ってしまった。
あれだけメリットとして説いた「尺が長い」のが完全に裏目に出ている……。)
あと、私の好みの男女CPが出てくるアニメ・漫画作品があったら、教えてください。
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