#無敵のアイドル
生まれて初めて本気で好きになって応援をしていたアイドルグループ、欅坂46が先日10月13日幕を閉じた。
「サイレントマジョリティー」で華々しくデビューを飾り、当初から話題で持ちきりだった欅坂だが、芸能に疎い私は一年以上彼女達のことを知らなかった。
初めて彼女達のパフォーマンスを見たのは、2017年年末のレコード大賞だった。
「風に吹かれても」でスーツに身を纏い激しく踊る彼女達から目が離せなかった。
浪人のセンター試験前だというのに、落ちるように欅坂46にハマったのを今でも覚えている。寝る間を惜しんでMVや冠番組を見た。気がついたら全員の顔を覚えていた。
私が好きになった頃には、もう欅坂46は綻び始めていた。
センターの平手友梨奈は笑わず、話さず、顔を見せようとしなかった。
そして年末の紅白歌合戦で「不協和音」を披露し、倒れた。
こんなに見ていて不安になるグループは初めてだった。
見ている人に元気を与えるはずのアイドルの一挙一動に不安になり、昔の元気そうな映像を見るたび悲しくなった。
何回もファンを辞めようとしたが、その時にはもう圧倒的なパフォーマンスの中毒になっていて、辞めることができなかった。欅坂46は麻薬だった。
欅坂46の”辛い人に寄り添う”暗くも優しい世界観に抜け出せなくなっていた。
その世界観を先頭で表現するセンター、平手友梨奈は圧倒的な天才だった。
平手友梨奈がいなければ、ここまで欅坂は異色なアイドルにはならなかっただろう。あまりにもずば抜けている才能は本人も、周囲も苦しめるのだとドキュメンタリー映画を見て感じた。センターの価値が極限まで高まり、平手以外のメンバーがセンターをやりたがらなくなった。他のメンバーが代理でセンターをしても、ファンはどうしても平手の面影を探してしまう。彼女はあまりに唯一無二の存在だった。
平手友梨奈が脱退し、今まで創り上げてきた欅坂の世界観は表現できないと大人達は判断したのだろう。欅坂の世界観が大好きだっただけに、改名は辛いが、残された才能あるメンバーが輝くには、一番の方法のようにも思える。平手友梨奈という大きすぎる存在に隠れてしまっていた魅力的なメンバーがたくさんいる。
これからは、櫻坂46として、自由に、咲き誇って欲しい。
10月13日、欅坂としてのラストライブの一番最後の楽曲は
サイレントマジョリティーだった。
一番好きな楽曲の、一番好きなパフォーマンスで涙が止まらなかった。
「君は君らしく、生きていく自由があるんだ」
この言葉に何度も勇気付けられた。
欅坂を離れたメンバーも、櫻坂を走り続けると決めたメンバー達も彼女達らしく
生きていけますように。
今までありがとう、欅坂46。これからも貴女達は伝説で、無敵のアイドルです。