『人生って、"ややこしい"。でも、』-生きることの"明"も"暗"も、のぞむところな学び舎が東北にある。【前編】
"Life is messy..."
人生は、単純じゃない。
嫌なこと。大変なこと。面倒くさいこと。、、、いくらでもある。
一日を生き抜くだけでも、目の前にならぶ選択肢は途方もない。
自分をとりまく要素も、混み合っていて、悩みは尽きない。
「先の見えない世の中だ」なんて言うし。
ややこしくって、「お手上げ」ってしたくなる。
それでも、
”今日”を生きている自分は、
何かに「希望」をみたいんじゃないか。
みてるんじゃないか。
そんな気もする。
嫌なことさえ「ま、いっか」って思えるような日も。
「あぁ生きててよかった」って、じんわり噛み締める日も、あったりする。
人生は、単純じゃない。
嫌なことも、いいこともある。
そんな複雑で愉しい「人生」というものを、
「さぁ、どう生きていこうか」、と。
東北にある小さな町の学び舎が、向き合っています。
〈著:Chee〉
「生きること」の学び舎
岩手県陸前高田市広田町は、海と緑に囲まれた半島にある町。
CMC(Change Makers' college)はそこで、
4ヶ月の移住滞在をメインに、
一人ひとりの生き方をさがす学びをつくっています。
「人生の学校」といわれる、
北欧の教育機関「フォルケホイスコーレ」。
CMCは、
デンマーク現地の学校とも協働していて。
フォルケホイスコーレ協会の
グローバルプロジェクトには、
アジア代表として参加しています。
日本各地、そして海外からも、
さまざまな人が訪れ、
学び、暮らしの中で、
ゆたかさを探究しています。
この学び舎のはじまりは、
東日本大震災後、
ボランティア活動で若者が集まり、
この町の中で、”生きる”を考えたこと。
「今日」を生きていること。その尊さ。
説かれるのでなく、強いられるのでもなく、
ただ、毎日の中で、おだやかに感じていく。
ここは、
町、人、そして”自分の人生”に出会う場所です。
「出会い」が生むもの
人口約3000人の小さな町。
都会にある「匿名性」とは対照的な環境には、
はじめは戸惑うかもしれません。
初めましての人のお家での、
「お茶、飲んでいけ」も。
「知らない誰か」じゃなくて、
「あの人」が歩いている散歩道も。
正直、気の抜けない煩わしさも、
たまに感じるけれど。
でも、「わたし」はこの景色の中で、
ちゃんと人に捉えられている。
知らない土地に来て、
気にかけてくれている人がいることの安心感は、
じわじわと自分の中に染み込んでくる。
距離のみじかい、人と人との関係性は、
少しだけむず痒くって、あたたかい。
そうして、
他の誰でもない「自分」の存在に気づく。
「人生の友」、なんて言うと、
すこし大袈裟かもしれないけれど。
ここでの学びは、
クラスの中だけではありません。
ご近所サイズのコミュニティで。
古民家の一軒家で。
同じ時に集まった仲間と、
「共同生活」する日々。
それ自体も学び。
誰かの存在感を、
感じながら毎日を過ごす。
みんなでご飯を作って、食卓を囲む。
夜遅くまで、笑いあって語りあって。
にぎやかな生活。
けれど、一人ひとり「違う」から。
日常の中の、ちいさな選択も。
大事なところにある、ゆずれない価値観も。
違いはあるから、ぶつかったりする。
それでも、
手探りをしながら、
なんだかんだ言いながら、日々を越えていく。
「あぁ、わたし達は、
これから先も、つながっていくのだろうな」
「多分。どこかで、また会える」
なぜかわからないけれど、不思議な確信をもてる。
そんな関係性は、
とくべつな時間を共にしないと、きっと生まれない。
面倒な事も多いかもしれない。
それでも、
人と出会っていくことは、すばらしい。
「違い」は一人ひとりの、
自分自身の色となって、奥行きを生んでいく。
出会いで彩られる人生って、
とても鮮やかだ。
↓後編へつづく
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