Kabocha
冬場のカロチン補給に「冬至の日の食べ物」
〔南瓜] Pumpkin/Squash
〇旬=夏 ◎効能=脳卒中・風邪の予防、活性酸素の除去
中央アメリカ原産のウリ科の植物。日本へは16世紀頃、ポルトガル船が豊後(大分県)に漂着した時に持ち込まれたもので、カンボジアから持ち込まれたため、「カボチャ」の名が付いたとされている。別名「ナンキン」「トウナス」「ボウブラ」とも。
カボチャに関することわざは多く、「カボチャと亭主は当たり外れがある」などは、男性側としては「亭主」のところを「女房」と置き換えたいところ。
カボチャは皮が硬く、たたいてみて重い音がするものが良質で味もよい、とされているが「カボチャはたたいてみても気が知れぬ」 などともいわれる。カボチャも人間の世界も同じようなものかもしれない。
「冬至カボチャを食べると中風(脳卒中)にかからぬ」というのには一理ありそうだ。
保存がきくカボチャ(冬至カボチャ)は、昔から冬期のビタミンAの補給源として用いられてきたからである。黄色の果肉に豊富に含まれるビタミンA(カロチン)は、血管壁や皮膚・粘膜を強化し、美容や動脈硬化、トリ目、眼精疲労、風邪や肺炎など感染症の予防・改善に効果的だ。
またカボチャのビタミンE含有量は野菜の中ではトップクラスだが、このEとβカロチンは、ガンをはじめとする万病の一因とされる活性酸素を除去する作用にすぐれている。
カボチャは長期保存ができ、ファイトケミカルがいっぱいの皮まで食べられる、超健康野菜のひとつなのだ。甘みがあるので、含有カロリーが心配なところだが、100gあたり73キロカロリーと、意外と低カロリーなのである。
ちなみに「わた」の部分は、カロチン含有量が果肉の約5倍もあるので、煮物やスープに入れるなどして、大いに用いたい。また、「わた」同様捨ててしまいがちな種子は、漢方では「南瓜仁」と呼ばれ、回虫やギョウ虫の駆虫薬として古くから使われてきた。さらに種子にはリノール酸が多く含まれており、常食すると動脈硬化の予防・改善に有効だ。フライパンで炒ると消化もよくなり、食べやすくなる。
【民間療法】
咳や痰……種子の粒ほどをフライパンで炒って食べる。
回虫・ギョウ虫……種子30粒ほどをフライパンで炒って食べる。または種子を粉末にして、約10gを1日1~2回空腹時に服用する。
化膿性皮膚病……種子をすりつぶしたものをガーゼに塗り、患部に貼る。
むくみ……種子30gをよく洗い、天日や電子レンジで十分乾燥させたら、金槌で砕いて殻と仁を分ける。これを一緒に600ccの水を張った鍋に入れて半量になるまで煎じ、1日3回に分けて温服する。