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細胞分裂は約50回しかできない
染色体両端のテロメアがなくなると、細胞は老化を待つしかなくなる
細胞が分裂できる回数は生物種ごとに異なり、
人間では約50回とほぼ決まっている。
動物、植物、菌類など細胞内に細胞核を有する生物を真核生物というが、これら真核生物の染色体の両末端には、テロメアという部分がある。
テロメアは染色体を保護し、安定化させる働き
を持つ一方、細胞が1回分裂するごとに、先端が切り取られて少しずつ短くなっていく。
この上限が約50回であり、テロメアが細胞分裂の回数券にたとえられる所以である。
回数券を使い切り、テロメアの部分がなくなってしまうと、細胞はその内側にある遺伝情報を傷つけないよう分裂を停止する。
こうなると細胞は老化を待つしかなくなってしまう。
テロメアは、永遠の命を持ち得ない人間にとって、人生の回数券といえるかもしれない。
16歳男性とその孫にあたる9歳男性のテロメアを調査したところ、76歳男性で76パーセント、27歳男性で40パーセントが減少していた。
このことから、老化は意外にも早く起こることがわかる。
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