第七芸術 彷徨の旅
〜電車が舞台の映画で彷徨の旅〜
毎週日曜日はテーマを決めて映画の感想をご紹介していきます。ぜひ、あなたのおすすめの映画も教えてください!今回は電車が舞台の映画で彷徨の旅です。電車内という限られたスペースでも全く異なる心情を描けるなんて面白いですよね。そんな作品を3つご紹介します。
1. 新感染 ファイナル・エクスプレス
(原題:부산행 英語:Train to Busan)
2016年公開の韓国映画。ゾンビへの恐怖や、恐怖に襲われた人間模様を、時速300㎞以上で走行中の高速鉄道の車内を舞台として描いたゾンビ映画です。原題の『부산행』を日本語に翻訳すると「釜山行き」だそうです。
ゾンビによるパニックホラーですが、電車内ということで行動できる範囲が限られているため、より圧迫感があります。また、ゾンビの描写だけでなく、人間の内面の描写も非常に繊細で楽しめると思います。
2. スノーピアサー(Snowpiercer,)
2013年公開のアメリカ・フランス・韓国・チェコ合同製作の映画。散布された化学薬品によって世界が氷に覆われた近未来、わずかな生き残りの人類は「スノーピアサー」という列車の内部で暮らしていたが、その中の理不尽な格差に立ち向かうべく反乱を起こすSFアクション・スリラー映画です。
設定が面白いです。出演している人たちもとても豪華なのですが、なぜか滲み出るチープな感じがとても不気味でした。世界の生き残り、ということで多様な人々が描かれるのも楽しいポイントの一つだと思います。
3. ダージリン急行(The Darjeeling Limited)
2007年公開のアメリカ映画。父の死をきっかけに疎遠になっていた3兄弟が、絆を取り戻すため列車でインドを旅するヒューマンドラマ・コメディ映画です。
穏やかで幻想的でドタバタしているけど安らぎのある映画です。雑多な感じのあるインドを走る電車が舞台ということで、カラフルさやある意味の不安さが楽しいです。ただ、ウェス・アンダーソン監督独特の間合いみたいなものがあるため「なんとなくいい映画」という印象になってしまうかもしれません。
いかがでしたでしょうか?身近な電車が、映画の中では突拍子も無い状態になるなんて新鮮ですよね。来週はブリティッシュ・スパイで彷徨の旅です。突然の雷雨やら快晴やら安定感のない天気に振り回されるのも楽しめたらいいですね。また来週お会いしますよ。
※あくまでも一個人の意見であり、価値観は千差万別
△今回の表紙はロンドン・パディントン駅のホームで撮影したものです。旅行に行きたいなぁ。