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【ひふみラボnote】企業公式noteのお手本。とっつきにくい話を楽しくやわらかく、ときどき深く。
コンテンツマーケティング・グランプリ2023
【noteコンテンツ部門グランプリ】
ひふみラボnote/レオス・キャピタルワークス株式会社
「ひふみラボnote」を開くと、淡い色の柔らかいデザイン。よく見るとお金や投資に関して、はたまた「将棋のレポート記事」などが並んでいます。
そこには、難しそうな投資のイメージとは一線を画す、親しみやすく楽しめる工夫やこだわりがいっぱい詰まった宝箱のようなnoteがありました。
グランプリ受賞 おめでとうございます!
コンテンツマーケティング・グランプリとは?
日本国内のチャレンジングな企業・団体のオウンドメディアを、広く伝え、称えることが目的である「コンテンツマーケティング・グランプリ」。
この日本で唯一の、コンテンツマーケティング専門のグランプリは、2021年度から始まり、今回が3回目となります。記事サイトに限らず、動画・音声・紙メディアなども含めた、自社媒体・自社オリジナルコンテンツでの取組全般が対象です。
そして今回、2024年3月29日に、2023年度の受賞作品が発表となりました!
この記事では、受賞作品を企画・運営されている企業のご担当者にお伺いした話を元に、受賞作品の見どころ、特長をご紹介いたします。
noteと「ひふみラボ」の互換性
「ひふみラボnote」を制作・運営するレオス・キャピタルワークス株式会社は、投資信託「ひふみ」シリーズを運用する会社。
「投資」と縁遠い人は、どうしてもとっつきにくいテーマではあります。
私たちには
“投資は社会を動かすエンジンのようなもの”
“投資する先には人がいて、
その人の頑張りによって私たちも豊かになっている”
“循環が投資の本質だ”
という思いが創業時からありました。
以前から「ひふみラボ」というオウンドメディアを運営していましたが、それだけでは伝えきれないこともありました。
そこで「note pro」が始まった2019年に『ひふみラボnote』を立ち上げたのです。
(レオス・キャピタルワークス マーケティング部 赤池さん)
Google検索でたくさん出てくるような、いわゆるSEOハック的な記事とは違い、「しっかり書くのも好きだし、しっかり読むのも好き」という人が多いイメージがあるnote。
noteのクリエイターさん=読者の皆さんは、わかりやすいメソッドや効果というところよりも、その背景にあるストーリーを大切にされている方が多いですよね。
そういったnoteという場と、私たちが伝えたいことがとても互換性が高いのではないかと思いました
(レオス・キャピタルワークス マーケティング部 赤池さん)
「ひふみラボnote」制作・運営は、「ひふみ」シリーズのブランディングを担うマーケティング部の4名で活動。
他の業務と兼務しながらも編集会議は毎週実施されているとのこと。
自社と顧客だけでなく、noteの読者、業界、そして社会全体にわたるまで、様々な立場の人たちを捉えて、投資という切り口でそれぞれをつなぐストーリーを紡ぐ。
なかなか一朝一夕ではいかない難しい取り組みのはずですが、「ひふみラボnote」運営のみなさんから感じるのは、みなさんとても楽しそうだなということ。
そこには、どのようなnote運営の工夫や、
こだわりがあるのでしょうか?
投資ノウハウだけじゃない。「投資」を通じて人生や社会を考える機会に
「ひふみラボnote」は6つのマガジンで構成されています。
もっと自分たちのことを知ってもらえるよう、上場に関する様々な出来事を記事にした『私たちの上場ストーリー』や『レオス・キャピタルワークス 20周年記念』。
人気の『叡王戦 レオス社員による観戦・舞台裏レポート』『未来をつくる レオスの金融教育』『Z世代こそ未来だ!私たちのオカネとトウシ』『#ゆたかさって何だろう』など、どのマガジンも好評です。
『未来をつくる レオスの金融教育』では、
投資のやり方を教える金融教育の知識も必要だと思いますが、“どういう風に生きたいか”“どんな大人になりたいか”が大切だと感じています。
前向きに働く人が増えることが社会のより大きなエネルギーになっていくのではないかと思っています。
(レオス・キャピタルワークス マーケティング部 赤池さん)
『Z世代こそ未来だ!私たちのオカネとトウシ』は、レオス社内のZ世代社員に話を聞く座談会形式のマガジン。
「投資」が一気に身近に感じられます。
友達同士でもお給料をどう使うか、投資はどうしているかなんて、お金の話はしにくいですが、note企画としてだったら、改めてZ世代の視点から本音で語り合えるかなと思いました。
同世代が集まる座談会ということもあって“あ、そういう考えもあるんだ”ということが覗けて、私も学びになりました。
“人生の選択肢が広がっていいよね”というポジティブな温度感が出てきたのが嬉しかったですね。
(レオス・キャピタルワークス マーケティング部 沼尾さん)
ただ資産を増やすだけが「投資」ではない。
人の生き方や社会とのかかわり方を考えて、お金の先にある「働く人」を見つめることで、はじめて本当の「投資」がわかる。
そんなメッセージを感じました。
こうした記事に限らず、note全体からもレオス・キャピタルワークスが伝えたい想いやこだわりを感じます。
想いやストーリーが伝わることで、読者との特別なつながりが生まれていくのでしょう。
投資信託と将棋の叡王戦レポートが並ぶ理由
『叡王戦 レオス社員による観戦・舞台裏レポート』のマガジンにも注目です。
これはレオス・キャピタルワークスが特別協賛をつとめる将棋の八大タイトルの一つ「叡王(えいおう)戦」の五番勝負を、レオスのメンバーが舞台裏も含めてレポートする人気の連載。
特に「【舞台裏レポート①】叡王戦第8期五番勝負開幕、感動が特技の広報が「将棋愛」に心ふるえた2日間」は、注目の対局ということに加えて、その場の臨場感や勝負の裏側がリアルに伝わってくると、人気の記事に。
この記事、なんとレポートしているのが、将棋のことにはそこまで詳しくないメンバーだったというから驚きですが、だからこそ出る面白さがあると思います。
良いコンテンツ、読者の心に刺さるコンテンツというのは、やはり情報発信する企業側の独自の価値観や、独特の個性が不可欠です。
将棋の記事にも、「ひふみラボnote」ならではの「味」が感じられ、個人的にとても興味深く読ませていただきました。
"人がら"までもが伝わる企業公式note
あたりさわりのない普通の発信では、あまり印象に残りません。
仮に多少粗削りだったり、ちょっと普通じゃなかったりししたとしても、担当者の熱い想いやこだわりなど、独自の世界観が出ているほうが、読者の心に刺さるのでしょう。
昨年のコンテンツマーケティング・グランプリで、note部門グランプリに輝いた「シャープ公式note」さんの記事を読んだ時にも、いちど読んだら忘れられないほどの個性・世界観を感じました。優れた企業公式noteの共通点といえるでしょう。
コンテンツマーケティング・グランプリ2022(前回)
【noteコンテンツ部門】シャープ公式note/シャープ株式会社
私たち読者は、企業を人として捉えて、そこからにじみ出てくる「人がら」のようなものに魅かれるのだと思います。特に、企業公式noteは「人がら」を伝えるにはもってこいの場。
「ひふみラボnote」の人がらを言葉で表現するとしたら「難しい話をなるべく優しく楽しく伝えてくれる、しっかりものの友達」のような存在かもしれませんね。
"送り手"でありながらも、"読み手"の目線は欠かせない
専門家による経済的なお話では、単語一つとっても難しい専門用語を使ったり、説明しようとしてかえってわかりづらくなったりしがちです。
そうならないように、私たちは少し工夫をしています。
例えば、ファンドマネージャーやアナリストの方が書いてくださった原稿を、やさしく、かみ砕いてわかりやすくリライトするなどです。
私たち金融業界で日頃は当たり前のように使っていても、読者のみなさんに馴染みのない言葉は沢山あります。
とにかく読者目線を忘れないように、いつも気にかけています。
(レオス・キャピタルワークス マーケティング部 長尾さん)
「ひふみラボnote」を運営しているチームのみなさんは、送り手でありながらも、読み手の目線も持っています。
書き手と読み手の距離がとても近いnoteの特性をよく理解して運営されているのだと思います。
クリエイター個人で発信しているイメージが強いnoteですが、上手く使いこなせている企業発信のnoteは、まだまだこれから。
その中でも、この「ひふみラボnote」は上手に情報発信していきたい企業のお手本です。
そんな「ひふみラボnote」をぜひご覧ください。
「コンテンツマーケティング・グランプリ2023」公式サイト
応募はオウンドメディアの運営当事者による自薦、当事者以外の他薦のいずれでも応募可能。今回の選考対象は、2023年11月までに公開された、企業・団体・個人が運営する、「マーケティング(集客・育成・成約)」「ブランディング(広報)」「人材採用」「社内教育・社内報」などを目的とするオウンドメディア、または、SNSの企業ページ/アカウント/チャネル(応募〆切は2023年12月31日)。
今回は50件を超えるご応募がありました。皆様、ご応募ありがとうございました。その中からアンバサダーの方々による投票と、審査委員による厳正な審査を合わせて、各部門のトップ評価となったグランプリと、グランプリに次ぐ優秀賞、奨励賞を選考いたしました。
主催:
・Content Marketing Academy
・オウンドメディア勉強会
執筆:魚住 陽向(うおずみ ひなた)
フリーランス/編集者、文筆家(小説家)
■出版・編集者&ライター:女性マンガ誌の編集者、「SPA!」(扶桑社)や情報誌ライター、お笑い芸人専門雑誌の編集&ライターなどを経験。▼企画・編集:書籍『あなたに伝えたい気持ち』(J-WAVE/光文社・知恵の森文庫)、『若手芸人パーフェクトカタログ』(廣済堂出版)■[インターネット]●「アークのブログ」(オウンドメディア)●「ARKadia」(インバウンドサイト)■[小説]●電子書籍『天然オヤジ記念物 江戸前不始末』(新潮社 第3回新潮エンターテインメント大賞 最終選考作品)
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編集・インタビュー:Content Marketing Academy 村上 健太