わたし、おりこうな女になんてなりたくないわ。 だって、恋に落ちたんですもの。-Yukko side-
----------by リリアン・ヘルマン
クリスマスから一夜明けましたが、みなさんは恋、してますか。
恋に落ちるとみなさんはどんな女に、男に、なりますか。
4つ前のお題の時("愛は信頼"編)にも書いたように、私は能動的に恋ができない。いつも誰かから好意を受けるか、お気に入りだったひとが自分のそばにいなくなってから もしかして好きだったのかもしれないな と気づく、というパターンの繰り返しだ。
中学生の頃までは自分から人を好きになっていた気がするのでその時の記憶を辿ると、わたしは恋をするとお利口になってしまうようである。
利口 ① 頭がいいこと。かしこいこと。また、そのさま。利発。
② (特に子供について)聞きわけのいいこと。物分かりがよくて素直なこと。また、そのさま。
③ 抜け目がないこと。要領のいいこと。また、そのさま。
④ 弁舌が巧みな・こと(さま)。巧言。
⑤ 冗談を言うこと。 ーーーーー三省堂 大辞林 第三版より
ちなみにここでいう「お利口」な女、とは上記引用の②、つまり
聞き分けが良く物分かりのいい女のことである。
だって、好きになった人には嫌われたくないんだもの。好かれなくたって構わないけど、嫌われるのはヤだよ。
なーんてマインドでいたら、中学の頃に好きになり付き合えたひとに1ヶ月で振られました。「一緒にいてもつまらない」という一言を添えて。
は?
周りにバレたくないからといつも会うのは相手の住んでるマンションの踊り場、わたしの親友にすらも付き合ってることを言うなと口止め、初めて外にデートに誘われたと思ったらアイドルの物販に並ばされ、その帰りに振られる。別れ話の最中もわたしはコッソリ自分の太ももをつねって涙を我慢し、帰路で死ぬほど泣いた。お風呂に入ったときに太ももが痣になっていることに気づいてまたちょっぴり泣いた。
相手のいうことに全てはいはいと従って、14歳のわたしは完全に「お利口」な女だった。そしてそのお利口さは彼にとって退屈で、つまらなく、面白くないものであった。
ふざけるなよ。わたしのせいにしやがって。そもそもわたしのことを振ったのだって、お前が結局昔の女を忘れられなかっただけだろうが。全部知ってんだぞ。つまらない、を盾にするなよ。
…でも、まあ、自分がつまらない女であったことを今は認めている。緊張してなにを喋ったらいいかなんてわからなかった自分。相手はそんなわたしの心情なんて知ったこっちゃないし。いまだから言うけど、ほんっとにおまえつまんない女だったよ、あの時の自分。
そして今。
自分から好きになることは難しくてなかなかできないけど、自分に好意を持ってくれたひとにはなるべく自分を全部見せるようにしている。
相変わらず嫌われるのは怖いけど。やっぱり無しだなんて一番の全否定ってつばきファクトリーも言ってるけど。
…わたしのことをなにも知らないくせに好きとか適当なこと言ってんじゃねぇぞ。ちゃあんと底の底まで覗いてから好きになる覚悟をキメろよ。
と、わたしの心の中のチンピラが中指を立てている。
自分をさらけ出して引いていくような相手は、そもそも付き合えた所でうまくいかないわな。わたしだけが一方的に傷つくなんてもうまっぴらだよ。
マガジンでわたしの2個前に記事を書いているRinaに倣って、このリリアン・ヘルマンの名言を自分らしく言い換えるとするならば
お利口な女になんてなりたくないわ。だって、君にはわたしの全部を愛して欲しいんだもの。
なんだか傲慢かもしれないけれど、そんなところもまるごと好きになってちょうだいね。
P.S.つばきファクトリー「3回目のデート神話」、
とてもよいので聞いてくれよな。