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お知らせ:北斗星用内装パーツの頒布について

こもも車両センター所長のこももももももです。
いつもブログにお越しいただきありがとうございます。

お知らせです。
今まで細々と自作してはこのnote上でお披露目してきた内装パーツですが、この度頒布させていただくことになりました。
※X(旧Twitter)では随分前に告知させていただいていましたが、頒布のメドが立つまでに時間がかかってしまい申し訳ございませんでした。

北斗星はメジャーな車両やセット以外だと内装再現ができる市販品が無いため、TOMIXで製品化された現行製品の全形式を再現できるようにします。内装パーツのみと内装パーツにカーテンパーツを加えたフルセットの2種類での展開となります。
また、北斗星ならではの多彩な編成の再現に合わせて無駄なく揃えられるように、単品購入もできるように予定しています。

現在、パーツの最終確認と梱包や販売ページの準備を進めています。発売時期が決まりましたら改めてご案内します。
販売方法は、ECサイトを使ったネット通販を予定しています。正直どれぐらい需要があるかもわからないので、当面は受注販売に近い形で細々やる予定です。

入手困難な内装パーツや、一部内装を再現できていない車両のグレードアップにお役立てください。
以下、詳細なご紹介となります。


商品の特徴

今回頒布させて頂く商品について、いくつかこだわったポイントがありますので、こちらでご紹介させていただきます。
※文中の写真はすべて試作品というか私が個人で使う用途で作成したもので商品版とは異なります。あらかじめご了承ください。
※商品仕様は予告なく変更する可能性があります。

ポイント1:光沢がなく馴染みやすい

写真用紙ではなく、ペーパークラフト用紙を使用していますので、光沢が無く室内灯の光を反射しないため馴染みやすくなっています。ペーパークラフト用紙を採用したことにより、上段寝台の再現やデッキ部分の配電盤や自販機、ツインデラックスのロッカーなどを立体的に組み立てることができ、より実感的な再現ができるようになりました。

JR東日本のツインデラックス車「オロネ24-501」上段寝台とロッカーを立体的に再現※写真は調整前の試作品です。

ポイント2:各車の車内の違いをできる限り再現

デザインについては、同形式でも事業社の違いによる差異といった細かい部分についても、できる限り忠実に再現できるように作りこみました。
例えば、JR北海道のロイヤル・デュエット合造車の551~553と554との違いや、ツインデラックス車のJR東日本車とJR北海道車とオロネ24-501との違い、ロビーカーの501~503と504の違いといった、模型としては内装パーツが共通になっていても実際は内装仕様が異なっていたという場合も、書籍などの資料やネットで調べた範囲とはなりますが、できる限り忠実に違いを再現しています。

JR北海道のロイヤル・ソロ合造車「オロハネ25-556」初期に配備された551から553の3両とは違い、554以降についてはロイヤル個室のドアはアイボリーだった※写真は調整前の試作品です。

3Dプリンタの普及により、外観を忠実に再現するためのパーツは種類が増えてきましたが、室内の差異をここまで再現できる内装パーツは今まで無かったと思いますので、組み合わせていただくとよりリアルになるのではないかなと思います。私もいつかは外観にも手を入れたいです。

ポイント3:市販品になかった車両も商品化

そしてなんといっても、近年TOMIXが進めてきたいわゆる特定車番=「珍車」の製品化については、既製品ではこれまで内装パーツが市販化されておらず、他セット向けのパーツを組み合わせて再現するにしてにも限界がありました。

JR北海道の全室ロビーカー「オハ25-501」ステンドグラスも写真を見ながら忠実に再現した。※写真は調整前の試作品です。

そこで今回は、私自身が困っていたため自作を始めたという経緯もあり、TOMIXの現行製品で再現されている北斗星客車の全形式について内装再現を行ってきましたので、こちらはもれなく頒布させていただきます。TOMIXの公式サイトに載っている北斗星車両セットについてが対象という認識でほぼ間違いありません。すべてを展開できるまでには時間が掛かってしまうかとは思いますが、長い目でお待ちいただけますと幸いです。
JR北海道車ですと、唯一のツインデラックス車「オロネ25-551」、唯一の全室ロビーカー「オハ25-551」、JR東日本車ですと、JR北海道と同じレイアウトになったロイヤル・ソロ合造車の「オロハネ24-501」や唯一の大窓ツインデラックス車「オロネ24-501」などといった車両です。

JR北海道の2階建てツインデラックス車「オロネ25-551」※写真は調整前の試作品です。

今回の商品は「外から見えるところの再現」までを重視していますので、洗面所、トイレ、ロイヤル個室内やロビーカーのシャワールームといった外から見えない部分については一部の例外を除き再現していません。

JR東日本のロイヤル・デュエット合造車「オロハネ25-504」トイレや洗面所、ロイヤル個室のシャワーは省略しています。※写真は調整前の試作品です。

また、床や椅子についても一部を除いて再現していませんので、本商品をすべて取り付けても元の地のままの部分が残ります。そういった箇所につきましては、基本的にはご自身で塗ったりする必要があります。特に、ロビーは何かしら手を入れていただかないと思ったほど見栄えが良くならないかもしれません。
作者の場合は、床はマスキングテープを細かく切り出したものを貼り付けていて、いすやテーブルについてはポスカといったその辺で手に入る文房具を使って塗装しています。筆で塗るのが苦手なので、爪楊枝に塗料を付けて塗っています。先が曲がらないので狙ったところを塗ることができます。
椅子や床を設計するのに時間がかかるため、そのあたりは作者個人の整備方針が強く出てしまっている商品かなと思います。
※2024年8月1日追記:食堂車のカーペット、通路、厨房、冷蔵庫側床面も再現できるようにしました。ミニロビーについても、簡易的な表現ではありますが再現できる床面パーツを用意しました。ともにカーテンパーツに収録しています。

頒布試作品を取り付けたミニロビー床面と食堂車床面です。厨房はともかく、食堂のカーペットやロビーカーペットは塗ったりマステでやった方が綺麗に仕上がりそうではありますが、床面パーツとして用意しました

ポイント4:窓から見えるところはなるべくボディの青が見えないように

北斗星のような寝台車の場合、電車のように窓から反対側壁面の柱が見えることは基本的にありません。ただ、食堂車やロビーカーについては窓が大きく反対側まで見えてしまうので、ここをカーテンパーツに柱のデザインを一体化させることで解決しました。車外から見ても反対側の柱が青くならないため、かなりリアルな見た目になります。

JR北海道のロビー・ソロ合造車「スハネ25-503」反対側壁面と備え付けられた照明器具も点灯しているようにデザインで再現。※写真は調整前の試作品です。

また、デッキ部分もドアの窓から見ると青く見えてしまうため、デッキパーツの一部として妻面側壁面を再現しています。これにより、室内灯を入れたときにもデッキ部分がよく分かるようにな ります。

JR東日本のツインデラックス車「オロネ24-501」乗降扉の窓からは妻面側壁面がアイボリー色で見える。※写真は調整前の試作品です。

ポイント5:通路はトイレ側の突き当りまで再現

TOMIX製品の場合、突き当りが扉ではない場合は基本的にドアの部分まで内装のモールドで再現されることはありません。特にわかりやすいのはツインデラックス車で、外から見ると通路の終わりの先が謎の空洞になっているのが目立っていました。
このあたりも実車と同様に通路の突き当りまで再現していますので、外から覗いても違和感ない状態になります。

JR東日本のツインデラックス車「オロネ24-504」洗面所へのドアと突き当りの機器類も再現しているので突然終わる廊下の違和感がなくなる。※写真は調整前の試作品です。

良いことばかりをたくさんお知らせしてきましたので、ここからはマイナス面を3つほどお知らせします。

マイナスポイント1:紙なのでデリケート

1つ目は、紙に印刷したものになりますので、印刷面を鋭利なものでこすると印刷が欠けてしまいます。紙といってもペラペラなものではなく、ペーパークラフト用紙ですので折れば自立するぐらいには厚みのある紙です。
私もこれまでたくさん取り付けてきましたが、注意して取り付けているつもりでも無傷で…という事はほとんどなく、1両につき数カ所は少し欠けてしまったな…という箇所があります。大体はピンセットで取り付けているときに傷つくことが多いです。それぐらいデリケートですので取り扱いにはご注意ください。

JR東日本のツインデラックス車「オロネ24-501」よく見ると、ロッカーの扉に薄く傷が入っている※写真は調整前の試作品です。

マイナスポイント2:組み立てに時間がかかる

2つ目は、組み立てに時間が掛かります。
特に個人的に時間が掛かって辛いのは、開放B寝台とBコンパートメントです。寝台だけであれば切って貼るだけなので1時間もかかりませんが、そこから寝台カーテンの取り付けと、カーテンを開いた状態を再現するためのカーテンボックスまで再現するとさらに1・2時間、ブラインドの取り付けで30分ほどかかるので結構大変です。開放B寝台が6両とかある編成だと結構しんどいです。。ただ、どこまでやるかで大変さが変わる部分ではありますので、例えばカーテンを閉じる寝台はやらないなど再現範囲を決めて適度に力を入れたり抜いたりすることでうまく調整することも可能かと思います。
なお、内装クラフトシートは立体再現する箇所がある関係でシールにはなっていませんので、取り付けの際には両面テープなどを使う必要があります。それを面倒に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

JR北海道の開放B寝台車「オハネフ24-501」寝台も再現するとすごく雰囲気が出るがとにかく単調で量があるので大変。※写真は調整前の試作品です。

カーテンパーツも、車両や場所によっていろいろな色やタイプがありそれを再現できるように紙パーツで用意しましたが、どうしても取り付けやすさという意味では面倒さがあります。
そのあたりはどうしても既製品にあるような白の切り抜き済みシールのほうが圧倒的に楽です。あれはとてもいい商品だと思います。

JR東日本のロイヤル・ソロ「オロハネ25-502」ロイヤルのレースカーテンとカーテン、ソロ上段のブラインドとソロ下段カーテンも作り分けた。※写真は調整前の試作品です。

あと、本商品の目玉仕様としてソロやデュエット、ツインデラックス個室については室内の上段寝台を再現できるようにしています。この上段寝台は下段寝台と続いて1つのパーツになっており、単純ですがかなり細かい組み立て作業が必要になるので、貼るだけの車両よりさらに30分から1時間程度時間が掛かるイメージです。組み立てと言っても、折り曲げて要所を両面テープで固定するだけですのでご安心ください。

JR北海道のロビー・ソロ「スハネ25-501」上段寝台を再現しているが、実車の寝台座面はもう少し低い位置になる※写真は調整前の試作品です。

また、デメリットというわけではありませんが、上段寝台を組み立てるに当たり、折り返しの幅などの制限があるため、三面図から見た本来の上段寝台の寝台面と比較すると、本内装パーツの寝台面は少し高めになっています。これ以上薄くしてしまうと組み立てが難しくなるためのデフォルメということでご了承ください。いっそのこと厚みを持たせず折り返し部分もくっつけてしまうのも一つの手ではあるのですが、上段寝台の姿勢維持がしにくくなるので今の形状になっています。

なお上段寝台は不要という方は、いっそのこと上段寝台部分をカットしてしまって下段寝台のみ再現、という形でも特に問題ないよう設計されていますので、ここはお好みでお使いいただければと思います。

JR東日本のロイヤル・ソロ合造車「オロハネ24-501」上段寝台があるので上段寝台の窓から下段が透けて見えずより実感的になった。※写真は調整前の試作品です。

このように、工作が得意、または工作に興味がある方向けの商品となっていますので、シールのように手軽に貼り付けたいという方にはあまり向いていないかもしれません。ただ、大変かと思いますが、仕上がったときの感動はひとしおですので、ゆっくりでも良いのでぜひチャレンジしていただけますと嬉しいです。

マイナスポイント3:ボディが嵌めにくくなる

3つ目は、ボディを嵌めたり外しにくくなります。
なるべくボディに引っかからないようにサイズを調整しましたが、それでも内装パーツとカーテンパーツを併用したときには引っかかる場合があります。ボディを外す場合もつける場合も、窓ガラスパーツに内装パーツをひっかけないように気を付ける必要がありますので、それが煩わしく思われる方もいらっしゃるかもしれません。

意外と開放B寝台/Bコンパートメントは寝台カーテンと窓のブラインドを取り付けると、ボディの取付時に干渉してブラインドがずれることが多いので、慎重に取り外しする必要があります

私はこれまで使っている中では、取り付ける際にカーテンパーツと干渉してカーテンが曲がってしまったという事は何度かありますが、内装パーツが破れるレベルで壊れてしまうという事はありませんでしたので、ご面倒かと思いますが内装パーツを取り付けていただいた後は慎重にボディを付け外しするようにお願いいたします。

個人的には、この3つのマイナス面が世間的に受け入れられるかどうかというギリギリのラインだと感じていたため、あくまで個人の趣味の範囲で作ってきました。商品と呼ぶには趣味の域を超えないレベルではありますが、思いの外嬉しいお声をおかけいただくことがあったため、今回頒布させていただくことにしました。

取り付けサンプル

販売用にサイズやデザインなどを手直しする前のパーツでの再現となりますが、個人で楽しむ用に作成し取り付けたものを本noteにて公開していますので、どういった内装を再現できるかについては以下のページをご参考ください。上段寝台再現などは最近はじめた仕様なので、まだ反映できていない車両もあるかと思います。

最後に

直近の予定ですが、まずは2023年11月に発売された「98835 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR北海道仕様)基本セット」「98836 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR北海道仕様)増結セット」向けの内装再現パーツを展開させていただきます。それ以降については順次調整が完了したものから車両セットに合わせたセットを作って販売ラインナップに載せていき、最終的にはTOMIXが現在公式サイトに掲載している北斗星用車両セットを全て網羅する予定です。

それとは別に単品展開も考えていて、例えば既に他社製品で内装を整備しているのでこの車両だけ欲しいとか、お試ししたいとか、ばら売りを組み合わせた特殊な編成になっているといったニーズにも応えたいと考えています。当面は車両セット用が先になってしまうと思いますが、こちらをご期待されている方におかれましては、しばらくお待ちいただけますと幸いです。

頒布用テストデータのみを取り付けた、北斗星JR北海道編成の9車種

正直、個人が趣味で作った工作アイテムにどれほどの需要があるかは全く想像できないのですが、私と同じように北斗星が好きだけど室内内装の再現ができず困っているという方を始めとして、私自身も「もっとリアルに再現したい!」と思って作り始めたこともありますので、同じような思いを持つ北斗星が好きな方々に届くといいなと思います。
興味がありましたら、ぜひお手にとっていただけますと幸甚です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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