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MLBクリーブランド、「インディアンス」の名称変更を決断

クリーブランドにあるMLBチーム「インディアンス」が、ついに名称変更を決断。同球団やMLBの公式HPではだ発表はないが、今週早々に正式発表するようだ。これを最初に報じたのは、NYタイムス紙のDavid Waldstein、Michael S. Schmidtの両記者。以下がこの記事だ。

https://www.nytimes.com/2020/12/13/sports/baseball/cleveland-indians-baseball-name-change.html


BLM運動など、近年の人種差別反対やダイバーシティを求める運動の高まりがこの決断の原因になったのは間違いない。この動きがアメリカのスポーツ界の方向性も動かし、ワシントンDCにあるNFLチームは今季から「レッドスキンズ」の名称を外した。クリーブランドのMLBチームの動きは、これに続くものだ。

「インディアンス」の愛称が始まったのは1915年。帽子などにつけるロゴマークとして「ワフー酋長」をかたどったものをつけていた。しかし、ネイティブ・アメリカンの団体などから、先住民の名称やイメージの使用に対し、品位を傷つけ人種差別的なものだとして反対を何十年も受けてきた。そして、ワフー酋長のロゴが、まず2019年シーズン前に廃止された。

近年は、ホーム開幕戦を観戦したネイティブ・アメリカンのファンから、球場内で差別的な言葉を受ける事態もあった。これに対応し、ここ数年はデモ実施者の安全、自由で平和的な表現を保証すべく、球団、プロテスター、警察が話し合いを行ってきた。
そして、2020年は、ワシントンDCのNFLチームが、スポンサー企業の圧力もあり「レッドスキンズ」の名称を廃止。同チームは2020年シーズンを愛称なしでプレーしている。そこにクリーブランドのMLBチームに関する動きが明らかに。新チーム名称は2022年からとなるよう。上記NYタイムスの取材に応じた関係者の話では、2021年の愛称は「インディアンスのままではないか」「愛称なしでプレーするのでは」の2通りの見解があったようだ。(日本語記事では「2021年インディアンスのまま」の方が広がっているが。)

今のチームの名称がなくなるのは寂しいといったファンも確かに多くいるだろうが、地元住民、ファン、企業など、多様なステークホルダーを交えた議論がもっと早く始まってもよかったように思う。とはいえ、ダイバーシティに向かう社会の流れを踏まえた決断を、クリーブランドの球団は決断した。この決断を、社会とスポーツチームとの新たな関係を作り上げるいい機会にしていければいいのではないか。チームの愛称はその重要なアイコンであり、多様なステークホルダーの意見を踏まえ、ファンに、地域社会に愛されるものができればいい。

こんな人もいるが…

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