2020年MLB開幕に向けた妥協点とは…収支分析を踏まえて
サラリーの減額幅、試合数で機構、選手会との折り合いがつかず、開幕の見通しが全く立たないばかりか、2020年シーズンそのものが行われないのではないかという見方も広がっているMLB…
NBAは7月31日に、フロリダ・オーランドでポストシーズン進出可能性のあるチームを集めて再開することが決定、選手会も同意した。なんともうらやましい限り。MLBはなぜこれができないのか…
NBAの場合は、どうもマイケル・ジョーダンが再開のシナリオをうまく取りまとめ、「ジョーダンが言うなら…」ということですべてがまとまったようだ。
https://number.bunshun.jp/articles/-/843780
さて、MLBを動かすにはどうするか…
ESPNのPassan記者が、収支分析に基づいた2020年のMLBの試合数、サラリーの解決案を出した。
その元記事は以下の通り。
Inside MLB's financials fight -- and the numbers to solve it
Jun 5, 2020 Jeff Passan
https://www.espn.com/mlb/story/_/id/29269242/inside-mlb-financials-fight-numbers-solve-it
元が英文であるこの記事は、長くて、全部読むのは手間だ。そこで、図示した形で、Passanのアイデアを私なりに整理した。
改めて書くと以下の通り。
1)1試合あたりの損失は640,000ドル
2)シーズン48試合制にすると全体の損失は460.8M(これが球団、機構が容認している損失)
3)シーズン82試合制にすると全体の損失は787.2M→2)との差額326.4Mを埋めることが課題
4)「全体の損失を2)3)の中間である624Mに抑える」ことから考える
5)となると、選手会は、以下のいずれかを受け入れる
A)65試合で試合数按分のサラリー
B)82試合で試合数按分から8.3%減額されたサラリー
これまでの議論で見えた落としどころは、「82試合を条件に選手会がある程度譲歩」のような気がする。私もこのPassan氏の考えるイメージと近い。
この経済情勢下では、どちらも痛みを分かち合わねばならない。また、これを機会に新たなビジネスモデルの構築、地球環境との共生、SDGsやESGとの観点も含めて、持続可能なMLBに組みなおしていくことが求められる。今回の問題の根源はコロナウイルス。ここでは略するが、今後発生しえる感染症リスクに対してどう対処するか、また根本的にどう防ぐかを考えることも重要になるはずだ。