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私が処女を捨てたワケ
約半年前、私は処女を捨てた。
つまり、付き合ってない人と初めてセックスをした。
謝罪会見
まず、その訳を説明する前に謝罪したい。
なぜなら私は今まであたかも性交経験があるかのような顔をしてきたからだ。20歳を過ぎると「当たり前に知ってるよね」みたいな空気を感じるようになり、私は本当のことを誤魔化して、あたかも知ってますよ〜みたいな顔をして話を合わせてきた。決して大きな嘘をついた覚えはないが、それでも誠実な態度ではなかった。誰に対してというより、自分に対して。
だから、ごめんなさい。私は27歳になるまでセックスを知りませんでした。
これからはもっと誠実に正直な態度でいようと思います。
それから、自分のことを許したいと思う。
色々思うことはあるけど、当時の私はよく考えて、それが最善の選択だと思ってやったと思うから。だから、これで良かったんだし、そう思うしかない。
きっと器用に人生を生きられる人たちにとっては、こんな話はなんでもないんだろうし、『童貞を捨てた』『処女を捨てた』なんてありふれた話なのだろう。
でも、私にとっては大きな出来事だったし、人生の節目にもなった。
だから、こうやって文章にしてみたいと思ったし、もしも私のように悩んでいる人に1mmでも参考になったら嬉しいなと思う。
すごく好きだった子の話
まず、どうして処女を捨てるに至ったかを簡単に説明したいと思う。
小学生から中学生にかけて、つまり約9年、すごく好きな男の子がいた。
プライバシー保護のためAと呼ぶとする。
もう随分前の話だし、どうして好きだったかなんて覚えてないけど、とにかく猛烈に惹かれていたことだけは覚えている。
Aは典型的なモテる子だった。
勉強はそこそこだけどスポーツができて活発で、少し茶色い地毛が、小学生の私たちにとっては何か特別なもののように思えた。
一方の私は小学生の時から、地味だった。
勉強はそこそこできたが、何か際立っているものがなく、見た目も華やかさに欠けた。
このように勝ち目のない相手にここまで長い時間思いを馳せていたのかのには理由がある。家が、近かったのだ。だから自然と登下校は一緒で、お互いの家でよく遊んでいた。過ごす時間が長いという理由だけで私にもチャンスがあるのではないかと何か勘違いしていたのだ。しかし、Aにはいつも『彼女』がいたし(小学生のくせに生意気な)私に振り向く様子がないどころか、親しい間だからなんでも言って良いものだと勘違いしていて、よくクソババアなんて言われてた。(いくら可愛げがないからって、流石に失礼な)
そんなわけで私の初恋は実らずに終わった。
それと同時に私の自己肯定感は低くなった。
教科書通りの第二次性徴
もう一つ、私の『女』としての自己肯定感を下げたものがある。
まあつまり、なんというか、胸が全く膨らまなかったのだ。
保健体育の教科書にはさぞ当たり前かのように『乳房が発達する』なんて書いてある。中学生にもなるとみんながブラジャーをつけはじめて、『性』を意識し始めるようになった。私にもきちんと生理は来たし、下に毛が生えはじめた。
ただ胸が、全く変化しなかったのだ。
これはもちろん現在でも同じ状態で、銭湯に行った際などにも周りの身体を見て少しびっくりする。女の人の身体だなあと思う。
私はいつまで経っても少年のような身体をしているのだ。
このことに対して大人になった今ではそこまでコンプレックスがあるわけではないし、むしろ中性的な感じを気に入っていたりもする。
ただ恋愛となると『教科書通りの女の人の身体』ではないことが胸をかすめる。
『恋愛』をしてみたかった
高校は女子校に進学したため、ストレートの私にとっては出会いがなかった。
あらゆるメディアを通して、『高校時代に青春しなきゃ負け組』的な、おかしな価値観を植え付けられていたが、周りの友人にも浮いた話がなかったので私も特に焦ることはなかったし、そもそも人と付き合ってみたいと思っていなかった。ただ、大学生になるとやはり一度くらい誰かと付き合ってみたいと思うようになった。というか、思わされていただけかもしれない。
当時は『リア充』なんて言葉も流行っていて、『恋人がいないとリアルが充実しない』なんて今考えると本当にアホみたいな価値観が普通とされている世の中だった。私はそういう世の中の価値観を素直に受け入れるような人間ではないが、それでも周りがそこまで恋愛に夢中になる理由を知りたかった。
多くの人が知っていることを私も経験してみたかった。
そんなわけで私はマッチングアプリに登録した。
私の学部は9割女性で、またしても出会いがなかったからだ。
そこでたまたま同じ大学のBと出会い、意気投合して付き合った。
試したけど、ダメだった。
Bとは一年弱付き合った。
ここで皆さんは(え?どうしてここでやらなかった?)って思っていることであろう。私だってここでやっておきたかった。
私は人生においてとことん不器用なので、残念ながらそう簡単には行かなかったのだ。
できなかった理由は大きく二つあると思っている。
1.初めて試した時につまづいた
2.「普通にやったんじゃイケない」と言われた
説明しよう。
初めてでつまづいた
Bと付き合って3ヶ月経たないくらいの時、初めてラブホテルに行った。
出費は痛かったが、お互い実家暮らしだったので仕方がなかった。
初めて異性の身体をみた衝撃は今でも覚えてる。なんかずっと『まじ?』って感じだった。大人のビデオでみたことはあったので知っているつもりでいたが、実際に初めて男性器を見たときはなんか、衝撃としか言いようがなかった。
だからもうなんか気持ち良いとかそういう次元ではなく、余裕がなかった。
もちろん相手のことは好きだったしキスしたときはすごく幸せな気持ちになった。ただ、いざ挿入してみようとしたとき、つまづいた。
痛くて入らなかったし、そのまま頑張って全部入れようとも思えなかった。
それから、数回試みたが、やっぱりダメだった。というか私にそこまで『絶対に入れてやる』みたいな、やる気がなかったのだと思う。
その理由は痛みだけではなく、以下の理由があると思う。
「普通にやったんじゃイケない」
Bと付き合ってから変わった性癖があることを告白された。
プライバシー保護のために詳しいことは書かないが、普通の女の子の体ではイケないらしい。だから、多分私はそこで諦めていたんだと思う。
なんていうか、ゴールがないことに対してやる気が起きなかった。
どうせやってもいけないんでしょ?って最初から諦めていた。
そんなこんなでBとの交際は終わった。
私は初めて長く付き合った相手と最後まですることができなかった。
この経験を通して、『恋愛をしてみたい』という目標は達成することができたし、Bはそれなりに私のことを可愛がってくれたので恋愛において少し自信を持つことができた。それと同時に『私はセックスができないのかもしれない』という悩みが発生し、『女』としての自信は相変わらず地の底だった。
コンタクトを入れてぶっ倒れた女
そもそも私は異物を身体に挿入するということに、恐怖心があった。
高校生の時に眼科でコンタクトを初めて試した時も実は、つまづいたのだ。
なんていうか、目に遺物を入れるということに恐怖心があって、コンタクトを入れた後、血圧が急激に下がって、ぶっ倒れた。精神的に弱すぎる。
ついでに今では普通にコンタクトを使っているから安心してほしい。
こんなんだから、太さが3cm、長さが15cmくらいある棒をただの小さな裂け目に押し込むなんて、私にとっては恐怖でしかなかった。結局、怖かったのだ。
機能検査
その後、私は自分の膣に何か問題があるのではないかと思うようになった。
世の中には『萎縮性膣炎』や『子宮内膜症』なんていう病気もあり、私の膣にも普通とは違う何かがあるのでは?と連日思い悩むようになった。
そんなわけで自分で試した。
つまり、自分でアダルトグッズを買って、入れてみたのだ。結果、入った。
すごく時間はかかったけど、機能自体に問題がないことがわかったのだ。
それから、私は就職してしばらく職場と自宅の往復の生活がはじまった。
毎日仕事に行くので精一杯で恋愛をしようなんて気が起きなかったし、相変わらず職場は女性ばかりで出会いもなかった。
三年働いた後、その会社で働き続けるビジョンが全く見えずもう何もかもに疲れてしまったので、会社を辞めて少し休むことにした。
余裕があったからできたこと
会社を辞めてから貯めたお金を使って、少しの間海外でゆっくりしていた。
この時の私は久しぶりに気持ちに余裕ができて、精神的にすごく元気だった。
そんな時にたまたまある日本人男性Cと出会い、数年ぶりにトキメキを感じた。
Cの顔を一目見た瞬間、この男が好きだと思った。
だからといってすぐにやろうなんて言えるような軽さは私にはないので、デートに誘った。Cはデートに応じてくれたが、LINEの返信頻度や態度によって、私への性的関心はあるが、付き合う気はないなと察した。
なんていうかつまり、チャラかった。
それでも、私にとってこれは長年待ち侘びていたチャンスであり、また働き始めて気持ちに余裕がなくなってしまったら、またしばらく機会が訪れないだろうと思った。できる限り早く『セックス』を知っておきたかった。
だから、3回目に会った時に意を決して、やった。
傷つきたくなかったから、いつも遊んでますよ〜みたいなフリをした。
そもそも傷つきたくないなんて思っている時点ですでに傷ついていたのだけど、それでもどうしても、私はとにかく一度やってみたかったのだ。
自己肯定感が高い人ならきっと『絶対に愛してくれる人がいるし、その人と初めてをする』なんて思えるんだろうけど、私はそんな風に思えなかったし、これが最善の機会のように思えた。
結果、問題なくセックスができた。それに多分処女だったってバレてない。
だって長年この機会のことをシミレーションしてきたから、流れは完璧だった(はずである。)
そんなわけで、私は処女を卒業した。
結局悩みたいだけだった
長年知りたかったセックスを知ったことで、一瞬悩みが全て解決したかのように思われたが、そんなのは束の間の出来事だった。
想像以上に気持ち良く、またやりたいという気持ちが芽生えてしまったのだ?(ごめんなさい。全部ドーパミンのせいです。)
だからと言って、誰でも良いわけではなく、やっぱり好きだと思った相手としたいと思うし、相手にも好きになってもらいたい。
つまり、愛のあるセックスがしたいという欲が芽生えてしまった。
ここでやっと私は、結局ひとつ悩みが解決したところで新たな悩みが発生するだけだということを学んだ。結局悩みたいだけなのだ。
自分に優しくあってほしい
性的なことをあまり表に出すことを良いこととしない日本社会において、性の悩みについて周りに相談しづらい人も多いのではないかと思う。
私のように自分の恋愛経験や性体験について悩んでいる人が、もしこの文章をここまで読んでくれていたとしたら、おこがましいがひとつだけアドバイスをさせて欲しい。
どんなことにも正解はないと思うし、結局自分が納得できるかどうかだと思う。
その状況に満足しているなら、それでいいし、変えたいと思うなら動くしかない。でもどうか自分のことを大切に。自分に優しくあって欲しいと思う。
私の悩みはまだまだ尽きることはなさそうだが、一つ一つ向き合っていくしかないのだろうなと思う。どうして何もかも難しいのだろう。
でもそれが私の個性だし、そうやって生きていくしかなさそうだ。
端的にまとめようと思ったけどやっぱり随分と長くなってしまったし、まとまりがない文章になってしまいました。
最後までお付き合い頂き、どうもありがとうございました。
少しでも楽しんでくれた方がいたらいいねを押してくれたら嬉しいです。
それではまた後ほど。
#恋愛